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社会主義強盛大国は本当に社会主義的なのか

[ワーカーズ]社会主義探求領域

カンフ(社会運動に関心が多い) 2018.06.11 11:18

首脳会談以後、南北関係が急進展するように見えて、 非核化-平和協定締結と共に南北交流、特に経済事業がまた強調されています。 あふれ出る報道を見れば北朝鮮がまるで新しい金脈のようです。 どう計算したのかは知りませんが 「韓国にはない数千兆(!) ウォン分の鉱物資源が埋まっているらしい」という話が代表的でしょう。 まさに板門店宣言で東海線と京義線鉄道と道路を連結するという目標を明示しています。 文在寅(ムン・ジェイン)政府が発表した「朝鮮半島新経済地図構想」によれば、 京義線は中国まで、東海線はロシアまで連結して、東西に鉄道網を拡張するといいます。 北朝鮮の鉄道施設が劣悪なので鉄道をつなげるにはまずレールから敷き直さなければならないといいますが。 するとまだ事業開始どころか確定的な計画もないのに鉄道施設に関連する企業の株価が暴騰したりもしました。 開城工業団地と金剛山観光など、これまでに中断された経済事業を再開できるという展望も出ています。 過去に南北経済事業を主導した現代グループは 玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)会長が直接委員長になって、南北経済協力事業TFを発足しました。

#1. 労組ない社会主義

南北経済事業に対しては展望が交錯しますが、 各経済紙が唯一この部分に対しては好意的だったり期待混じりの報道をするのを見れば、 韓国資本にとって北朝鮮という新しい市場の形成はかなり魅力的のようです。 現政権与党が進める南北関係改善を支持する側も、 南北経済事業で韓国資本の新しい活力を生み出せると主張します。 ところで首脳会談直前に放映されたある総編の時事番組で、 とても興味深い発言を目撃しました (もちろん内容を見れば興味深いとばかりは言えませんが)。

「北朝鮮は優秀な産業労働力を持っています。 すでに開城工業団地で私たちが見たではありませんか。 世界で最も低い識字率、韓国と同じ優秀な勤勉性。 事実、韓国企業の立場から見れば、 労働組合がない大韓民国の労働力がまさに北朝鮮の労働力です。」 - JTBC 〈説戦〉 267回(2018年4月26日)より

この発言の主人公は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で統一部長官だったイ・ジョンソク氏です。 イ・ジョンソク前長官は今回の4.27南北首脳会談のために、 青瓦台が構成した元老諮問団の一員でした。 該当発言には「北朝鮮の労働者は労働組合がないので安く思いのままにこき使える」という観点がそのまま表われています。 事実、突出的な発言ではありません。 学校の教科書さえ統一すれば 「韓国の豊富な資本と北朝鮮の安い労働力を結合できる」という調子の話は簡単にみつかります。 鉱物だけでなく、無権利状態の北朝鮮労働者も、韓国資本にとっては利益を奪う 「金脈」でしょうか。 イ・ジョンソク前長官の発言の直後、該当番組の進行者のキム・グラ氏は 「サムスンですが」と問い直しました。 画面には理解を助けるために親切に「無労組+優秀人員」というテロップが出ました。 韓国資本主義の象徴のようなサムスンと、 「社会主義経済建設に総力集中」する北朝鮮の労働体制が全く同じだという逆説的な現実です。

ここで気がかりなことがあります。 北朝鮮は自ら社会主義国家と明言しており、 多くの人が「社会主義」と言えば、すぐ北朝鮮を思い出します (あるいは思い出させます)。 政府与党の名称も「労働党」です。 しかし労働者権力を標榜すべき社会主義社会で、 労働者たちの党でなければならない労働党が統治するという所で、 まさに労働者たちが労働組合さえ作れないとはおかしくありませんか? もちろん北朝鮮にも韓国の民主労総や韓国労総のように、労総と類似の組織はあります。 まさに「朝鮮職業総同盟(職総)」です。 労働党員ではない30歳以上のすべての労働者たが加入することになっていますが、 事実上、党の統制を受ける周辺組織として機能します。 統一部長官だったイ・ジョンソク氏が職総の存在を知らずに 「北朝鮮には労組がない」と言ったのではないでしょう。 むしろ職総が労働組合の役割を遂行する組織ではないということを知っているから、 こうした発言をしたのでしょう。 労働者の天賦人権という労働三権、しかし自主的に団結して抵抗する権利を持つこともできない労働者たち。 そしてサムスンの無労組経営に比肩されるほど労働者たちが統制される国家。 われわれはこの社会を社会主義と呼べるでしょうか

#2. 主体朝鮮で主体にならない労働者

だいたい、北朝鮮を社会主義と規定する核心根拠は、 まさに企業が国有化されているということです。 結論的に言うと、国有化がそのまま社会主義を意味するのではありません。 もちろん国有化が社会主義を構成する重要な要素であることは事実でしょう。 私的資本が各自の利益のために生産する体制(われわれはこれを資本主義と呼びます)から抜け出して、 社会構成員の必要のために生産する体制(社会主義)に転換するためには、 生産手段をこれ以上、個別の資本家の手にまかせず、 社会的に統制しなければならないからです。 つまり、国有化は社会主義に進むための基礎だと言えますね。

問題は「誰のための、何のための国有化なのか」です。 国有化はそれ自体が目的ではありません。 直接働く労働者と社会全体が生産を統制するために必要な手段です。 この目的に合わなければ、国有化はむしろ資本主義に服務する道具になったりもします。 以前、2008年に米国オバマ政府が当時の経済危機で破産したGMを国有化して、 直接高強度構造調整を断行した事例に言及しました。 こうした「資本のための国有化」は事実、一回や二回ではありません。 たとえば2002年にGMに売却する前の大宇自動車や現在の大宇造船海洋は、 とにかく国家が支配的持分を確保した、形式上の国有企業でしょう。 企業が完全に倒産してしまえば、経済自体が連鎖的に崩壊するかもしれないので、 国家が買収するか徹底的に資本回復の観点で構造調整を実施します。 それでわれわれは過去の大宇自動車と今日の大宇造船海洋で社会主義企業の姿を確認するのでなく、 整理解雇、構造調整、争議権剥奪、売却など、 政府が資本の前衛隊として動き、労働者虐殺を直接主導する姿を見ました。

以前にも書きましたが、 社会主義は労働者階級の自己解放だと要約できます。 国有化は社会主義に移行するためにぜひとも必要な手段ですが、 労働者の社会的統制が抜けた国有化は前に述べた事例でわかるように、 逆に労働者を威嚇する資本の刃として機能したりもします。 法的な所有形態が変わっただけで、労働者にとっては相変らず自分たちの労働の統制権を剥奪され、 労働の代価を全て享受することもできないまま搾取されるのです。 そして個別の企業ではなく国家が資本蓄積を直接遂行するのです。 マルクスは資本を指して「自己増殖する価値」と呼びました。 蓄積そのものが目的の生産、蓄積のための蓄積が形成される社会が資本主義です。 社会主義は経済的余剰そのものに反対はしません。 問題はその経済的余剰を生産した労働者と社会構成員が享受できないというところにあるのです。 主体朝鮮を誇る北朝鮮の国有化から、労働者は排除されています。 労働者は主体ではなく管理と統制、動員の対象でしょう。 生産も、生産された余剰も、労働者ではなく党官僚が統制します。 党が命令する生産性を超過達成した労働者に英雄の称号を授けることと、 民間企業で成果によって年俸を差別支払いし、優秀社員を選抜して成果競争をさせることに何が違うでしょうか。

#3. 代を引き継いで忠誠をつくす社会主義

ここまでくれば、ソ連やその他の「現実社会主義」国家と大きな差はありませんが、 北朝鮮は他の国では例がない国家権力三代世襲まで断行しました。 あるとき私の友人は北朝鮮の宣伝歌謡「将軍様が縮地法を使われる」という歌が北朝鮮の政治権力の問題を圧縮的に見せると言いました。 歌詞をちょっと見てみましょうか。

「首領様が使われた縮地法、今日は将軍様が使われる」

この歌は支配者に対する個人崇拝はもちろん、 縮地法を譲り受けて使うと言い権力世襲を正当化していました。 一部では北朝鮮の権力世襲に対して「北朝鮮独自の指導者選出方式があって、 北朝鮮に対する情報は制約的なので、 世襲だと訳もなく非難しては困る」と言ったりもします。 しかし明らかなことは、いくら情報が制約的だといっても、 北朝鮮が作る宣伝歌謡や報道機関が金氏一家に対する称賛一色だという点で、 これは決して合理化できないということです。 もちろん民主的な手順を踏んで偶然に特定の一家が要職につく可能性もあるかもしれません。 しかし北朝鮮はこのケースに該当するとは思えません。 「白頭の血統」、「最高尊厳」と褒め称え、 当初から特殊な身分のようにしておいて、 党と国家最高位職に推戴することのどこに民主主義を探せるのか分かりません。

本当の社会主義社会なら、労働者が直接自分たちの代表者を選出して、 その代表者は労働者の平均賃金以外には何の特典も受け取らず、 いつでも自分たちを選出した労働者によって召喚されます。 1871年、最初の労働者政府と言われるパリコンミューンではこのような政府形態が現れ、 1917年のロシア革命で労働者・農民・兵士が構成したソビエトもこうした前例に従いました。 だが北朝鮮の形式上の最高主権機関である最高人民会議は1年にわずか1回程集まって、 機械的に賛成する役割を果たしているだけです。 しかし2009年に公式な職責もなく「青年大将」という称号で北朝鮮の宣伝媒体の称賛を受け始めた金正恩(キム・ジョンウン)は、 2010年、何と44年ぶりに開かれた朝鮮労働党代表者会議でお父さんの金正日(キム・ジョンイル)が人民軍大将の称号を付与し、 労働党中央軍事委員会副委員長になって後継ぎの構図を公式化した後、 2011年に金正日が死亡すると党と軍、政府最高権力をすべて掌握しました。

事実、権力世襲が北朝鮮だけのものではありません。 まさに韓国の財閥一家はもう3世を越えて、4世継承まで控えています。 その上、資本主義でも不法、違法な方法まで動員して、ね。 財閥3世たちは入社後わずか数年で一般の職員には絶対不可能な速度で高位役員に昇進し、 系列会社の株式を保有した後、グループ全体が該当株式価値を膨らませるために動員され、 世襲資金を作ります。 もちろん彼らは抗弁するかもしれません。 「北朝鮮とわれわれは違う、われわれは先代が所有したものを相続しただけ」とね。 ところが北朝鮮の金氏一家も先代が所有したものを譲り受けているのです。 ただしそれを社会主義と主張することが問題だということです。

#4. これがみんな金氏一家のためだ

血統を譲り受けたという支配者は、ベンツに乗っているのに労働者は労働組合を作る権利さえない社会を社会主義と呼ぶことはできません。 ただし、北朝鮮が政権樹立当時、労働者の革命的な運動で作られた社会ではなく、 第2次大戦後にソ連軍が進駐して体制を移植した国家だという限界があるとしても、 初めから三代世襲が可能な水準の社会ではありませんでした。 労働党の内部で金日成を牽制する勢力もありました。 しかし米国の封鎖と軍事脅威が強まる中で、米国の体制対決のショーウィンドー役を果たした韓国が米国から大々的な支援を受けたのと違い、 北朝鮮は50年代以後、中国とソ連の対立と紛争、中国の米国との国交正常化などを経て全幅の支持が得られなくなると、 ますます体制維持のための極端な方向に進みます。

社会主義を指向するのなら北朝鮮の体制を擁護することはできないと思いますが、 それでも北朝鮮の現在を、完全に何人かのためだというのも合理的とは見られません。 北朝鮮を悪魔化して、地域覇権を維持する根拠とした勢力、 その悪魔化に照応してさらに自分の権力を取り込んで強固にしようとした勢力。 この結合が主体と社会主義を叫びながら、 まさに主体としての労働者が消えた奇怪な体制を作ったのではないでしょうか。[ワーカーズ43号]

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-07-17 10:24:14 / Last modified on 2018-07-17 10:24:17 Copyright: Default

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