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「弱者を攻撃するいんちき進歩、彼らのファシズムと戦う」

[ワーカーズ旬の対話]パクフン弁護士インタビュー

ユン・ジヨン記者 2018.05.04 17:31

歌手キム・グァンソクの夫人ソ・ヘスン氏が「殺人犯」として世論裁判にかけられると、 記者の前で「この事件は女性嫌悪」だと声を高めた。 金於俊(キム・オジュン)が「MeToo工作陰謀説」を提起して、MeToo運動に冷水を浴びせ、 これに対する「戦争」を宣言した。 李潤沢(イ・ユンテク)の被害者たちを「ハニーポット」だと言ったイム・サラ弁護士、 クァク・ドウォンと舌戦を繰り広げて、チョン・ボンジュ前議員の嘘に批判を吐き出した。 2001年の大宇自動車整理解雇闘争で先頭に立った労働弁護士で、 映画「折れた矢」の主人公。 そして最近、MeToo運動を「革命」と叫んだ人権弁護士。 歳月が流れても、燃える闘争力だけは変わらないパク・フン弁護士と彼の昌原事務室で会った。

▲パク・フン弁護士[出処:ユン・ジヨン記者]

ソ・ヘスン事件の話からしよう。ソ・ヘスン法律代理人としてこの事件を女性嫌悪と命名した。その理由は

もしソ・ヘスンが男で、キム・グァンソクが女だったらこうした問題が発生しただろうか。 弁護士生活18年間、多くの事件を処理してきた。 例えば10年以内の短い婚姻生活をした夫婦で、男性が労災事故で死亡した場合、 夫人はいつも婚家と争った。 婚家側では「夫を取った女がなぜ息子の命の代価を持って行くのか」と言う。 「あなたたちは相続権者ではない」と説得したことも多い。 だが逆に女性が死んだ時、男性が相続権問題にまきこまれたことは見なかった。 夫人を取った奴という声も一度も聞いたことない。 いったいなぜ女性たちだけが夫、子供を取ったという声を聞かなければならないのか。 女性嫌悪でなければ説明する方法がなかった。

ソ・ヘスン氏がJTBCのニュースルームに出演した後、世論から「確定犯」の判決を受けた。当時の孫石熙アンカーのインタビュー方式にも問題意識を感じたようだ。

JTBCのインタビューの後、ソ・ヘスン氏は国民XXになった。 その時、孫石熙(ソン・ソッキ)は途方もない過ちを犯した。 孫石熙がソ・ヘスンを取り調べするように追い詰める場面が電波に乗った。 インタビュー前、作家とソ・ヘスンが話したインタビューの内容とは違った内容の質問だった。 孫石熙がむちゃくちゃに尋ねた質問の出処はすべてイ・サンホから出てきたものだった。 ソ・ヘスンは準備ができず、そんな質問に怒った返事が出てきたのだった。 その気持ちは十分に理解する。 自分を夫の殺人犯と追い立てられているのに、誰がそれに耐えられるか。 誰が放送に出てきて個人史を一つ一つ話したいか。 ソ・ヘスン氏がそこで悪口を浴びせなかったことだけでも幸いだと思う。 放送の後、人々はソ・ヘスンを殺人犯だと確信した。 それでJTBCにまた4者討論をしようと提案した。 しかしその後、JTBCはこの事件に関して一度もインタビューや取材要請をしなかった。 自分たちも間違っていたことが分かっているのだろう。 ソ・ヘスンは生存者だ。 厳しく生存した人という気がする。

ソ・ヘスン事件以後MeToo運動に飛び込んだ。この事件はあなたにとってどんな意味があるか

ナコムス側の部類の人々は根拠のない扇動をする。 彼らが主張したことの中で事実だったことは殆どない。 李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)政権で言論統制と査察が盛んだった時期、 彼らは陰湿なところに食い込んでB級言語でそれなりにさっぱりするような話をした。 進歩陣営が没落した場に食い込んだ彼らは、大衆を掌握した。 だが小さな部屋でのB級言語と、真昼のB級言語は違わなければならなかった。 今、権力の中心部に上がってきた彼らは、相変らず根拠のない扇動をして、 大衆はそれに熱狂する。 絶望感を感じた。 それと正面から闘わなければと考えた。 ファクトで正面から闘わなければならず、 そのファクトを調査して法律的な評価をすることが弁護士の仕事だから、 職業的に合うものでもあった。

クァク・ドウォン側とも舌戦を展開した。クァク・ドウォン側のイム・サラ弁護士が李潤沢の被害者を相手に使った「ハニーポット」という単語が怒りの決定的な原因だと見られる。MeToo運動に積極的な理由が何か。

私はMeTooを革命だと思う。 この戦いは、性別関係においていかにして平等な関係を打ちたてるのかの問題だ。 女性が男性から一番先に受ける搾取が性的搾取で、 MeTooは性的搾取を拒否する運動だ。 このような声を感情と「ハニーポット」と烙印することに断固として対処しなければならない。 被害者ではなく加害者が仲間はずれになる構造にならなければならない。 結果的にMeToo運動を通じ、女性たちが独立的な主体として加減なく自分の意志表現ができる雰囲気が形成されたらうれしい。 耐えなければきれいになる。

キム・オジュンの「MeToo工作説」からチョン・ボンジュ、安熙正事件まで。別名自由主義勢力で最近性暴力問題が明るみにでる理由をどう見るか。

彼らのほとんどが私と同じ時代を生きた386世代だ。 独裁政権を押し倒して私たちが政権を取ることが目標であった。 だが91年にソ連がほろびて、私たちが追求してきた政治的理念なども全てなくなってしまった。 何を持って、どんな新しい内容で権力をにぎるのかについて何の内容も持てないまま、 彼らは政界にどかどかと入った。 彼らに残されたことは、80年代民主化運動のレッテルと、カリスマだけだった。 彼らにどんな思惟と省察があるか。 私たちの世代は今の社会を作った責任がある。 私教育市場に進出して、市場を大きくして、会社に就職して、管理者になって、政治に飛び込んで、今の教育、社会、政治、経済の領域を作った。 哲学的な基盤がない状態で、金と名誉、権力を持つようになったのだ。 自分が権力を争奪したと考えた瞬間、上下の権力関係が明確になった瞬間、 彼らは保守でも、進歩でも、革命でも関係がなくなる。 彼らは民主主義を経験することができなかった。 上下関係がはっきりした秘密組織で鉄パイプを持ち、火炎瓶を投げて主流政界に行った彼らにどんな民主主義の経験があるか。

映画「1987」に怒った理由もこうした脈絡なのか

1987年の6月抗争は、民主主義の小さな種だった。 しかし種が大きく芽吹けず、踏まれてなくなってしまった。 経済成長は実現したが、成長の果実はすべて少数独占資本が持っていく構造だ。 何一つ実現していない。 この社会を反労働の社会、反人権の社会、反正義の社会にしておいて、何の追憶商売をするのか。 恥ずかしくないか。 私たちの世代にははしごがあったが、今の若い世代にははしごがまったくない。 こうした閉鎖的な社会構造を作っておいて、資本主義に奉仕しながら「私は民主化運動をした」と言って生きていける虚偽意識を強化させるのが映画1987だ。 自分たちは一回ずつしながら映画を見て涙と鼻水を流すだろう。 文在寅(ムン・ジェイン)政権まで作ったのでどれほど幸せな人生か。 しかし相変らず反労働、反人権、反正義の社会に生きる人々にとってはとてもみじめな映画だ。 私たちはなぜ1987年に戦ったのだろうかという省察が全く含まれていない。 なぜ催涙弾と火炎瓶と鉄パイプを持ったのかについての説明が全くない。 われわれはあの時、軍部独裁を打倒して何をすべきだと考えたのか。 富の分配、金がなくて飢えることなく搾取されずに差別されない社会を望んだのだ。 ところがそのような社会になったか。
この世界が完成された世界だと主張するほどの386世代は、涙と鼻水を流すだろうが、 この世界を地獄だと思う人は見たくもない映画だ。

激しい言葉をよく使う。キム・オジュンの部類の人々を「ファシズム」と規定して戦争を宣言した。

自ら怒りと悔恨を飲み込めない。 性情のせいでもあるが、そんな勢力に対する怒りがとても大きい。 偽善的なことに対して激情的に一気に注がなければ、私が火病になって死ぬだろう。 彼らと絶えず戦わなければ、急速にファシズム社会がくるだろう。 独裁者は自ら登場するのではない。 大衆が独裁者を作るのだ。 大衆に食われるような扇動の種を探すいんちき進歩と、 革命の展望を失った大衆が弱者をターゲットにして攻撃する卑劣な狂気が、 まさにファシズムだ。

最近のGM事態を見て、2001年4月10日に起きた大宇自動車警察暴力事件をよく思い出すようだ。

悪夢のようだった。罪悪感が強かった。 私が横になろうとさえ言わなければこんなことが起きなかっただろうにという後悔も相当ある。 あの当時、警察力が私たちの人員の10倍だった。 そのまま横になっていれば警察が私たちを持って行くことができた。 だが最悪の暴力事態が発生して、97人が重軽傷を負った。

GM事態の責任が金大中政府にあると民主党を強く批判した。

金大中(キム・デジュン)政権は僅か1ドルでも稼いで、売れるものはみんな売ろうといった。 海外売却以外の代案を考えなかった。 当時、労組は一時的国有化のような代案を提示して闘争した。 一時的国有化もまた妥協的に提示したことだった。 2008年に世界金融危機が起きた後、米国はものすごい公的資金を投入してすぐに国有化政策を取った。 一時的に国有化して、正常稼働して買収者が現れれば売却をする方式だ。 こうした要求に対して当時の民主党議員はどう対応したか。 私はハンナラ党偽装活動家という声を聞かされ、秋美愛(チュ・ミエ)は警察庁長官になぜ私を拘束しないのかと追及した。 宋永吉(ソン・ヨンギル)は仲裁をすると言って労組のテントにきて話し、手帳を投げつけて出て行った。 結果としてGMは乱暴なことをしながら、今の事態を起こした。 金大中政権以後、非正規職はものすごく増えた。 GM社内下請労働者もたくさん入ってクビになっていった。 当時闘争をした正規職さえ執行部を捉えて就職商売をした。 色々な悔恨を感じる。

2003年、天文学的損賠仮差押えに苦しんで自ら命を絶った斗山重工業ペ・ダロ烈士の法律代理人も引き受けた。損賠仮差押えは金大中政権を始め盧武鉉政権の時に定着した労組弾圧の武器だ。民主党政権に対する反感が大きいようだ。

金大中盧武鉉政権に歯ぎしりをしてくやしがる人だ。 南北問題においては李明博朴槿恵よりましかもしれないが、 労働、農民問題においては極端な弾圧政策で一貫した。 整理解雇と非正規職拡大、勤労基準法改悪など今の労組法の元凶がまさにその政権だ。 盧武鉉政権の時に出した労使関係先進化ロードマップは、 労働者の権利と労働組合の権限を縮小させる内容だった。 解雇は簡単に、労働組合活動は制約しようとする目的だったと見る。 私は金大中盧武鉉政権が 李明博朴槿恵政権を作り出したと思う。 事実、李明博朴槿恵は以前の二つの政権が作った食卓に 匙を添えただけと同じだ。 自分たちの中で上手くやった。〈ワーカーズ42号〉

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-05-17 05:28:11 / Last modified on 2018-05-17 05:28:13 Copyright: Default

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