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韓国:サムスン電子サービス労組、労組結成から1年で初の賃金団体協議締結
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サムスン電子サービス労組、労組結成から1年で初の賃金団体協議締結

組合員賛否投票、87.5%で「基準団体協約」を可決

ユン・ジヨン記者 2014.06.29 00:19

金属労組サムスン電子サービス支会が労組を結成してから1年で 初めての賃金団体協議を結んだ。

サムスン電子サービスの組合員たちは6月28日に投票を行い、 労使が合意した基準団体協約(基準協約)を可決させた。 今後、金属労組所属の各分会(センター)は基準協約に基づく賃金および団体協約書を締結することになる。 この日、労組と経済人総連代表は基準協約の調印式を行った。

組合員賛否投票、87.5%で労使合意「基準団体協約」を可決

サムスン電子サービス支会は6月28日午後7時頃、 瑞草洞のサムスン電子本館前で組合員総会を開き、基準協約の受け入れを問う組合員賛否投票を行った。 争議権を確保した在籍組合員982人のうち610人が投票に参加し、 投票者の87.5%(534人)の賛成で基準協約が可決された。 反対は75票(12.3%)、無効は1票と集計された。

賛否投票で可決した直後の午後9時40分頃、 ソウル地方雇用労働庁でサムスン電子サービス支会のユン・ウクトン中央争議対策委員長(金属労組事務局長)と 経済人総連のナム・ヨンウ労使対策本部長がそれぞれ労使代表として基準協約の調印式を行った。

基準協約が締結されたことにより、 地域別の労組地域交渉代表と各センターの社長は7日以内に基準協約に基づいた各センター別の賃金および団体協約書を締結することになる。 今後、全国の46以上の分会が基準団体協約の内容を含む団体協約を持つことになる。

これまで、全面ストと瑞草洞サムスン電子本館前での野宿座り込みを進めてきた労組は、 座り込みから41日目に使用者側との間で、 ヨム・ホソク烈士問題と賃金団体協議締結の問題に決着を付けることになった。 労組結成からほぼ1年で締結された初めての団体協約で、 経済人総連との交渉を始めてから約9か月目の成果だ。

労使交渉の妥結により、労組はヨム・ホソク烈士に対する葬儀手続きに突入する展望だ。 金属労組のチョン・ギュソク委員長も9日間の座り込み闘争を終えて葬儀の手続きを準備することになる。 労組は6月30日午前10時、瑞草洞のサムスン電子サービス本館前で告別式を開いた後、 烈士の遺言により午後4時から正東津で路祭を行う。

その後、梁山に移動して、翌7月1日の午前9時、烈士の勤務地だった梁山センターの前で路祭と行進を行う。 午前11時に梁山のソルバッ山で下棺式を開き、2日間の葬儀日程が終わる。 また、30日のサムスン本館前での告別式の直後、 労組は40日ほどの野宿座り込みを解除する予定だ。

経済人総連との交渉から9か月で団体協約要求の125項目に合意
「賃金団体協議争奪の結果で未組織センター労働者を組織しよう」

これに先立ち、業者の社長から交渉権を委任された経済人総連と労組は、 昨年9月から団体交渉を進めてきた。 だが労組の団体協約の要求125項目のうち50項目の条項で争点が発生し、 労組は今年の4月末に経済人総連との交渉を中断した。 その後、5月17日に梁山分会のヨム・ホソク烈士が自ら命を絶ち、 争議権を確保した分会は5月19日から無期限全面ストに突入した。

ストライキ39日目の6月26日、 労使は争点事項についての意見接近を導き出した。 以後、労組は全国拡大争対委と代議員大会を通じ、 27日に組合員賛否投票を開く方針だった。 だが労使は意見接近案を基礎とする125項目の条項を含む基準協約を用意する過程で、 産みの苦しみを味わい、組合員総会は一日延期された。

基準団体協約導出の過程では、協定勤労者、懲戒委員会、賃金団体協議の有効期間と適用の時点などが争点になったと知らされた。 これまで使用者側は、盛需期には協定勤労者をおかなければならないという立場で、 労組は争議権が侵害されるとし、抵抗してきた。 この後、労使は基準協約で、7月8月の期間中には労使の合意により協定勤労者をおくことができるという内容に合意した。 ただし協約により労組が協定勤労者を指定し、通知する権限を持つことにした。

また労組は、これまで懲戒委員会の構成については労使同数を要求してきた。 だが会社がこれを受け入れず、労組は基準団体協約に 「会社は懲戒委員会を透明かつ公正に構成する」という文句を入れさせた。

廃業センターの問題に関しては、今後の廃業予防努力の内容が一定部分含まれた。 当初、労使意見接近案では廃業などの雇用関連の予防対策がなかったが、 基準協約には「労使は相互に廃業が発生しないように誠実に努力する」という文句が入った。 また勤労時間免除者の賃金は正常勤務時の給与と確定し、 通常の勤務時間を09時から18時と明示した。

今回締結する賃金および団体協約は7月1日から適用され、 賃金交渉の結果は毎年4月1日に適用される。 団体協約の有効期間は今年の7月1日から2016年6月30日までだが、 但書条項で「次期団体交渉で有効期間を再度議論する」という文句が入った。 これにより、労組は適用時点を金属労組団体協約基準日の4月1日に調整していく方針だ。

サムスン電子サービス支会は、今回の初めての賃金団体協議締結で「労働組合認定」という成果を残すことになった。 労組は賃金団体協議が現場に適用されると、まだ労組が結成されていない未組織センターの労組加入も続くものと期待している。 ただし、サムスン電子サービスの元請使用者性認定の問題は今後の課題に残された。

金属労組のチョン・ギュソク委員長は、 組合員賛否投票可決の直後 「今日の結果は開始でしかない。 この結果を基礎に、サムスンの無労組経営を終わらせ、 サムスンに労働組合が結成される端緒に続く契機にしなければならない」とし 「現在組織されている労働者だけでは、サムスンという巨大財閥と正面から闘うには力不足だ。 闘争の結果を地域と圏域に持ち帰り、 未組織なセンターの組合員を組織してほしい。 全ての労働者が組織されれば、巨大財閥サムスンと本当の勝負をすることができる」と声を高めた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-06-29 02:42:31 / Last modified on 2014-06-29 02:42:34 Copyright: Default

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