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韓国:死を呼んだ大宇自販
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死を呼んだ大宇自動車販売…遺族らが慟哭

全面ストを宣言、 これ以上の死を防ぐための選択

オドヨプ記者 odol@jinbo.net / 2006年09月27日10時08分

動画: 会社止める?ディーラーなる?

9月6日、一人の労働者が死んだ。希望退職を強要された一人の労働者が死んだ。 (株)大宇自動車販売(大宇自販)に勤めていたチェドンギュ氏。まだ彼の魂は休 めずにいる。9月26日に同僚と遺族は、彼の遺影を持って富平本社を訪問した。 本社の塀には鉄条網がかけられている。固く閉じられた正門の中にはコンテナ で二重に遮られている。もちろん正門の前には白いワイシャツの用役警備が 守っている。

慟哭する遺族

お母さんの涙、故人は何を考えているだろうか

故人の娘ヘヨンは、喪服を着たお母さんの慟哭に共に涙を流すが、五才になる 息子のビョンジュンはただ調子にのったように飛び回る。故人のお母さん、お 姉さん、お兄さんすべての涙が止まるとは思えない。

人倫が何かを知れ

大宇自販は、構造調整でこの5年間に2500人を超える職員を700人ほどに減らし た。これにも足りず乗用部門で働く500人ほどの職員を別の非上場法人を作っ て追い出そうとしている。新しく作られた非上場法人に行かなければ整理解雇 すると脅迫しているという。

故人は名誉退職を強要され、ストレスによる脳卒中で倒れ、二度とヘヨンにも ビョンジュンにも会えなくなった。故人の姉の崔ヨンスク氏は「会社はまだ弔 問にもこない。労災処理で不利益になるという脅迫の手紙まで送ってくる」と 涙を流し、「会社は人倫が何かを知るまで抵抗する」と泣き叫ぶ。

三十九のチェドンギュ。会社の無理な構造調整は働き盛りの一人の労働者を死 に追いやった。大宇自販労組は26日に全面ストライキを宣言した。これ以上、 労働者を死に追いやることができず、ストライキを選択した。

会社分割は雇用墜落

イチャンゴン大宇自販労組事務局長は「一度も赤字を出したことがない会社の 直営職員をなくし、別途法人を作って職員を追い出すなどとんでもない。分割 という名目で構造調整をしようとする陰謀だ。分割後、大宇自販労働者の運命 は非正規職、特殊雇用職に墜落だ」と主張する。

また「労働組合と結んだ団体協約には譲渡売却時には会社は労組と合意すると なっている。この条項さえ無視して実施される会社の分割による強制的構造調 整の陰謀は、結局チェドンギュ氏を死においやった」という。

「チェドンギュ氏だけではない。今、労組組合員の1/3は会社分割による構造 調整の危機に直面している。いかに職員が雇用危機に直面しているかを見せる。 会社は2002年、基本給70%と販売成果による変動給30%の賃金体系(CM)を、変動 給70%と基本給30%の賃金体系(SR)に変えた。SR賃金体系に変えた職員は、毎月 自分の営業実績でストレスを受けなければならなかった」。

戦場で働く労働者

チェドンギュ氏もSR賃金体系を受け入れた。最近3月間、販売実績が悪く、悩 みも多かったという。13年間大宇自販に勤めたある組合員は「SR賃金体系で常 に戦場で戦うような危機感を感じて暮している」と告白する。

29日の株主総会で会社の分割を決める予定だ。資本金10億の劣悪な構造の非上 場法人が承認されれば、大宇自販労働者の将来は第2、第3のチェドンギュだと いう。イチャンゴン事務局長は「組合員全員が株主だ。29日の株主総会で分割 を防ぎ、生存権を守る」と言う。

大宇自販富平本社前に設置された焼香所を守り、会社分割を防ぐために全国か ら150人の組合員がやってきた。全面ストライキの初日、労働歌を練習しつつ、 黒い鉢巻きをしっかり巻いた彼らの姿は、生存以上に生命の危機を感じさせる。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-09-28 09:01:14 / Last modified on 2006-09-28 11:45:37 Copyright: Default

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