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建設、その偉大な労働の力

「土方」(金ミリェ監督の記録映画)

事務金融新聞第52号

カンスニョン月刊COREA記者

文化批評写真。jpg文化批評写真。jpg(3 MB)

生コン労働者の闘争を記録し、非正規職問題のうち特殊雇用職問題を浮上させ た金ミリェ監督は、〈労働者だ違う〉に続いて〈土方〉で非正規職中の非正規 職、建設日雇い労働者の問題に取り組んだ。監督はある日、労働者としてのお 父さんを発見した。農夫の子供として生まれたが、三人の子供を食べさせるた めに都会にくるしかなかったというお父さんは、典型的な農村から都市に移動 した労働者だった。監督はもうすぐ永遠の失業をむかえるお父さんを記録する ためにカメラを持った。

監督は、まず一枚の写真から土方の歴史を話そうとする。いっせいに差し出さ れた手。それは仕事を得るために、明け方に人材市場に出てきた日雇い労働者 が差し出す手だ。そしてその写真の空間は日本だ。〈土方〉は、一枚の写真の 資料を追って『土方』の歴史を見つけ出す。衝撃的なのは、韓国の土方が日本 の土方とまったく同じ支配構造の下で働いているという事実だ。一度雇用され、 簡単に捨てられる韓国の日雇い労働者の重層多段階雇用構造は、まさに日帝時 代に建設現場に連行され、強制労働をした歴史に始まったのだ。監督は、責任 回避のための重層多段階構造を使って、いかに資本主義が日雇い労働者を搾取 するかを証明していく。

こうした証明の過程には、個別から一般に、一般から個別へと視野を広げ、狭 めていく方式が交差的に使われる。監督がお父さんを韓国の日雇い労働者の典 型と把握して、お父さんの生に投影された日雇い労働者皆の人生を読みだすの は、個別を一般に拡張するものだ。拡張はこれに止まらない。日本の建設日雇 い労働者の過去から現在へとカメラの視線は広がり、今、日雇い労働者の問題 は一国を越え始める。少しも違わない両国の日雇い労働者の姿は、国境を越え る資本主義の毒性を確認させる。お父さんは、韓国の日雇い労働者であり、ア ジアのどこかに資本主義と戦う世界の日雇い労働者だ。

何よりも、〈土方〉の最も大きい力は国境を越え、労働者を団結させる力だ。 韓国でも日本でも、日雇い労働者の人生は一様に疲れきっている。そして彼ら を抑圧する資本のくびきも、一様に狡猾で極悪だ。マルクスが「世界の労働者 よ団結せよ」と叫び、「労働者に国境はない」と宣言したのは、労働運動が無 国籍、無政府の運動だと言うのではない。資本が全世界的な範囲で労働者を搾 取するため、労働者たちは国籍を問わずに闘争するのである。国境を超えて労 働者が連帯せざるをえないのは、『世界化の時代』において新自由主義を押し 出して資本が国境を越え、労働者を搾取するからだ。

現実を告発するテレビの時事番組と〈土方〉が根本的に異なる理由は、この映 画の階級性だ。時事番組は適当な水準で現実と妥協するが、金ミリェ監督の記 録映画は現実との妥協を知らない。〈土方〉は徹底して労働者の側であること を表わす。曖昧な和解ではなく、明らかな闘争の方が、より真実に近い。『土 方』たちは、全身ががたがたになるまで働いてきたように、今、完全に自分自 身を燃やして闘争するだろう。そして抑圧と搾取で綴られた運命を投げ捨てて、 永遠の世界の主人に生まれ変わるだろう。日帝が残した蔑視の名、『土方』で なく、『労働者』という誇らしい名で偉大な建設をやり直すだろう。その建設 は、ただ労働者自身のための偉大な建設だ。

2005-11-07 04:00:00

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


Created byStaff. Created on 2006-02-23 11:27:29 / Last modified on 2006-02-23 11:27:29 Copyright: Default

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