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鷺梁津水産市場で起きた放水銃散水事件

[寄稿]商人に直射放水、警察は傍観

チェ・インギ(民主露天商全国連合) 2020.11.01 17:08

[出処:チェ・インギ]

午前6時30分、高齢の商人に放水銃と消火器

去る10月29日。日が昇る前の午前6時30分。 鷺梁津新市場の建物の上は、漆黒のような闇に包まれていた。 座り込みをしていた誰かが遠くの工事現場のコンテナを指して大声をあげた。 誰かが来ているということだった。 そこには工事現場の作業員と思われる人々がうろうろしていた。 ただ明け方に工事の準備をする人のように見えた。 座込場の真下にある大きな掘削機に火が入り、それが徐々に動き始めた。 その時までは工事の準備をしているのだろうと思った。 同じ時間、黄色い蛍光チョッキを着た警官も眼に触れた。 その時、始めて状況が尋常ではないことが分かった。 水産協同組合の職員に見える白いヘルメットをかぶった人たちが、 警察としばらく何か話していた。 そのうち座込場側にとても長いホースのようなものを引っ張って近付いてきた。 座込場の真下でホースから水が吹き出し始めた。 事前実験を終えた水産協同組合の職員と用役と思われる人々が、 工事中の階段に上がってきた。

ほとんど60歳を越える数人の商人と連帯単位は座込場の上で状況を見守った。 「用役ならず者は退け!」商人のスローガンが漆黒のような暗闇の中に鳴り響いた。 その時までは、まさかと思っていた。 10月29日なら晩秋だ。夜明けに風まで吹き、体感温度は零下に感じられる程寒かった。 ただ、やるふりをするだけで戻るだろうといった。 だがそれは誤った判断だった。 すぐ目の前で人に向けて水が出始めた。 あちこちで悲鳴が爆発した。 用役が撒く消火器の粉末が放水銃と混ざり、きな臭いにおいが広がった。 全身が水にぬれ、カメラも作動を止めた。 携帯電話を出して写真を撮ったが、これも長く続かない。

[出処:チェ・インギ]

誰かがこれは殺人行為だと叫んだ。 用役と水産協同組合の職員は、座込場に大きな扇風機を回しながら、 消火器を吹き出した。 目を開くことができなかった。 冬のコートを着ていたが、彼らが撃つ水の痛みはそのまま伝わった。 催涙液が混ざったようで、とても目が痛く、 時間が経った後に座込者の一部はからだに水ぶくれができた。

水産協同組合の職員と用役と思われる人々が座込場の下まで接近した。 座込場を守っていた商人と連帯単位が激しく抵抗すると、 水産協同組合の職員と用役は退いた。 遠くに1中隊と思われる警察と無線機を持った人々がぼんやりと座込場側をながめていた。 商人は警察に向かって即刻暴力を止めてくれと叫んだ。 だが警察はびくともせず、まるで競技場に観覧に来た人のようにながめていた。

[出処:チェ・インギ]

明るくなる夜が明けまで、放水銃は休む暇もなくあふれた。 商人にできることは、鍋と杓子のようなものをたたいて抵抗すること、 そして水がすべてなくなって、放水が切れることを望むことだけだった。 ある商人はからだにロープを巻いて座込場の外にしがみついた。 脅迫的な状況を作って退かせる意図だった。 だが水を防ぐために持っていたスチロールは、水でばらばらになった。 年齢が高い商人は顔をかばいながら苦痛を訴えた。 若い連帯活動家は頼むから撃つなと叫んだ。 相変らず警察はびくともせずにぼんやりとこの状況を見守っていた。 かなり前に竜山で起きた惨事が脳裏をかすめた。 本当にこれでは死にかねないという気がした。

また放水銃と消火器が激しくあふれた。 その瞬間、水産協同組合の職員と用役が座込場のバリケードの上に 階段をかけて櫓に上がる姿が目に映った。 これを止めようとした商人が捕まって殴打される姿も見えた。 あっという間に水産協同組合の職員と用役が座込場に入ってきた。 そして再び消火器を噴射した。 商人と連帯活動家は押し出された。 結局、座込場を奪われ、櫓の上の8人の商人が孤立した。 水産協同組合の職員と用役は、鉄条網を巻いて周辺に塀を作り、 櫓の周辺を取り巻いた。 貧困社会連帯の活動家ジェイムによれば、 救急隊員にも放水銃を散水するのを目撃した。

水産協同組合と用役の暴力を擁護した警察、これも『国家暴力』だ

ある報道機関は、警察の介入は現実的に難しかったと報道した。 内容を要約すれば、多くの人が上がれば崩壊の危険もあったということだ。 銅雀警察署は該当記者との通話で 「南には階段を作ったが、北は木材と鉄骨の臨時仮設だ。 南は商人が警察の接近を命がけで阻止し、北の仮設物には 水産協同組合側の人が30人ほど上がっていた。 警察まで上がれば崩れる慮れがあった」とし 「今回の衝突には介入が難しかった」と言う。 だが呆れた主張だ。 現場で放水をやめるのは電話一本で簡単に解決できる問題だった。 水産協同組合で座込場に階段工事をするということは、 その陸橋を新市場への進入路で作るということで、 これで工事の竣工許可を受けるということなのに、崩壊の危険とは。 その上、もう何か月か前に警官が見ている前で安全検査をしたではないか?

[出処:チェ・インギ]

この日の執行は、行政代執行でもない水産協同組合の一方的な工事だった。 警察の頭の中で、放水銃を撃つ水産協同組合職員と用役は加害者ではなかった。 ただ放水を受ける商人が潜在的犯罪者であり、加害者だった。 だが、もし彼らが犯罪者だとしても、暴力で生命を脅かされてはならないのではないか? すでに2015年11月14日の民衆総決起の時、 故ペク・ナムギ農民が警察の放水銃で直撃されて10か月の闘病の末に命を失い、 多くの国民の怒りを呼び起こしたことがあった。 その後、今年4月23日に憲法裁判所は放水銃の直射放水は憲法に違反するという決定をした。 決定文では直射放水が国民の生命と身体に致命的な結果を持たらしかねないとした。 だが、商人が放水銃を受けて失明の危機になったり、 低体温症で病院に運ばれた時も、 警察は水産協同組合職員と用役の行為を特に制止しなかった。

問題は、反対の入口でも行われた。 座込場の中は集会申告がされていた。 警察が集会場所を制止したり統制する何の理由もないのに人々を遮った。 この過程で警察は数人の商人を力で制圧した。 トイレを使って戻ってきた人たちは、また座込場に入ることができずに孤立させられた。 一歩遅れて到着した人々は、鷺梁津駅2番出口の前に集まって集会を開いた。 警察は集会場所を採証し、集会を妨害した。

[出処:チェ・インギ]

櫓の上8人の座込者の苦痛も同じだった。 彼らのほとんどは高齢の女性だった。 彼らは6階の高さで1坪もない櫓の上で、横になることも、座ることもできないまま、 凍りついた服を着てぶるぶる震えていなければならなかった。 はしごは取り払われていて降りることもできない状況だった。 下には数十人の用役と水産協同組合職員が見ていて、小便をすることも難しく、 その上、彼らが臨時に使う用便器を奪う蛮行も行った。

京郷新聞の取材を引用すれば、3年前の2017年3月、 ソウル大学校始興キャンパス事業の推進に反対して学校の行政館を占拠した学生を、 教職員らが消火栓の水を放水して解散させた事件は人権侵害と判断された。 警察改革委員会と憲法裁判所が制限を指摘した事案によれば、 公権力ではないが水産協同組合側の直射散水も危険性では変わらない。 警察が民間暴力を擁護することは、結局これも本質的に国家暴力と同じだ。 警察官職務執行法は人の生命や身体に危害をおよぼす危険な事態があったり、 犯罪が目前で発生していると認められる時には、 警告などの措置ができると規定する。 重大な損害が予想されるなど具体的危険が明確なら、隔離措置などの介入も可能だ。 撤去などの状況で暴力防止の責任もある。 2018年に警察庁人権侵害事件真相調査委員会は竜山惨事に関する決定文で 「再開発撤去地域の紛争状況などの民生関連事案の場合、 警察は撤去用役の暴力や威嚇行為などを予防して、 迅速かつ厳正に制止するなどの治安秩序維持を主な業務とする」と明らかにした。

[出処:チェ・インギ]

政権が変わっても、なぜこうしたことが是正されないのか? 水産協同組合と警察の(旧)鷺梁津水産市場座込場暴力侵奪を糾弾し、 ソウル市の早急な問題解決を要求する人権団体は、 声明書を出して次のような意見文を提出した。

「今日の暴力は誤った現代化事業に抗議する水産市場商人との対話もなく暴力だけで一貫してきた水産協同組合が『再度』犯した蛮行だ。 直接的な責任者であるソウル市は、今も沈黙している。 警察は違法な暴力から市民を保護するどころか、 水産協同組合の暴力行為を徹底的に庇護して応援した。 信じられない非現実的な光景の前で商人と支援者は 『助けてくれ』と叫ばなければならなかった日として記憶されるだろう。

相変らず商人たちは主張する。 こうした現実をはやく終わらせてくれと、 不動産開発だけを目標にした現代化事業は間違いで、 未来遺産の旧鷺梁津水産市場の一部を存続させ、 商人が商えるようにしてくれということだ。 毎日のように生活の場がなくなるソウルだ。 過去のすべての文化と痕跡をなくし、アパート価格を上がれば本当にわれわれはそれでいいのか。 水産市場の商人らが追い出されない対策用意をソウル市に要求する。」

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-11-12 03:05:06 / Last modified on 2020-11-12 03:05:07 Copyright: Default

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