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双竜車で復職合意、闘争報告大会

「終る時まで、終わりではない」

チョン・ヒョンジン記者 2016.01.01 19:01

12月30日、7年間の復職闘争を終える 交渉調印式が開かれた。

2009年6月8日の整理解雇断行から7年、 これに先立つ5月22日に双竜車支部が整理解雇に反対して工場占拠ストライキに突入してから 2413日目だ。

双竜車と金属労組双竜車支部、双竜車労組の労労使代表は、 12月30日、平沢市の双竜車本社で 「双竜自動車経営正常化のための合意書」を議決し、 「使用者側の損害賠償、仮差押え撤回、28人遺族支援対策、解雇者復職、双竜車正常化方案」の四大議題に合意した。

この日の合意事項には含まれていないが、 これまで社内下請業者所属で勤労者地位確認訴訟を続けてきた非正規職労働者6人も、 1月末の最初の復職者対象にいれられて正規職として復職することになった。 6人のうち4人は1審で勝訴しているが、 一緒に復職闘争をしてきた2人を含む6人全員が正規職として復職することを選ぶ代わりに、 他の訴訟と未払い賃金を放棄した。 ただしこれまでの経歴はすべて認められる。

復職対象者のうち整理解雇者150余人、希望退職者1600余人は、順次復職することにし、 復職完了時点は2017年の上半期だ。 2009年6月9日までの勤続が認められる新規採用で、採用人員の割合は解雇者30パーセント、希望退職者30パーセント、新規採用40パーセントだ。

使用者側は新規採用の条件として、チボリ・ロングボディの市場発表など3回の時点を定め、 1次採用は1月末の予定で、解雇者は6人の非正規職を含む12人が復職する。

今回の交渉は、双竜車解雇者のイ・チャングン氏とキム・ジョンウク氏が本社工場の煙突で座り込みを始めた今年1月、 マヒンドラグループのマヒンドラ会長訪韓の後に始まり、 10月末までに32回にわたる実務交渉と10回の代表者協議会の末に行われた。

金属労組のキム・ドクチュン双竜車支部長は調印式の後、 本社前で開かれた闘争報告大会で 「組合員たちの要求を完全に反映するために非常に悩んだし、 今回が本当に最後だという覚悟でこん身の働きをした」と吐露し、 「一度に全員一緒に戻れないのが残念として残るが、 しばらく一息入れて最後のひとりが復職するまで一緒にし、 2017年に私たちの日常を取り戻す日を作る」と話した。

▲ 12月30日双竜車本社前で開かれた闘争報告大会でキム・ドクチュン支部長が去る交渉過程に対する所感を明らかにしている。[写真/チョン・ヒョンジン記者]

「最後の1人が復職するまで、また始まりだ」

今回の交渉は、最善を尽くしたが、残念な点も多いという評価だ。 まず最大の成果は6人の非正規職が正規職として復職するということだ。

これに対して非正規職解雇者のハン・ユンス氏は「カトリックニュース・チグミョギ」に 「期待していた結果が出てこなかった部分が残念だが、 大きな悩みと苦悩の末に下した決断だった。 非正規職解雇者の正規職復職について、一緒に喜びを分けあってほしい」とし、 「みんなが一緒に戻れない部分は申し訳なく、 うれしくもありながらも、うれしくないというのが率直な心情だ。 これから復職した後に、現場でもっと多くの仕事をしなければならないだろう。 さらに良い内容のための決断だったと理解してほしい」と話した。

これまで解雇者の首根っこをおさえていた損害賠償が取り下げられたことも成果だが、 合計約47億ウォンの損害賠償額のうち、今回取り下げられたのは、 使用者側の約14億ウォンであり、 残りの約33億ウォンは政府と警察の損賠額として依然として残っている。

双竜車組合員のヤン・ヒョングン氏はこれについて、 「この部分は使用者側の権限ではないため、政界が解決すべき部分だろう」とし、 「協議の前からまず政府が解決の糸口として取り下げすることを要請したが、 まだ実現していない。 市民が共に要求してくれることを望む」と話した。

交渉にもかかわらず、組合員が相変らず残念かつ不安に思っていることは、 交渉後の復職の決定が全て使用者側の意志にかかっているためだ。 また、復職待機者になるためには現在、不当解雇訴訟中の153人全員がまず訴訟取下書を提出しなければならない。

これについてキム・ジョンウ前支部長は「カトリックニュース・チグミョギ」に 「1次復職が行われた後、果たして残りの人員が順調に戻れるのかについて、不安が多い状況」とし、 「合意文には法的拘束力がない。 今日から組合員たちは何もできなくなっているため、もうひとつの始まりだと言っても、 それは容易ではないと思われて心が重い」と話した。

合意によれば、解雇対象者は使用者側の復帰対象者の選定と通知を待たなければならない。 キム支部長は、チボリをはじめとする新車の市場発表と販売がうまくいく保証はなく、 昼間連続二交代の実行によって雇用を作ることにしたが、 使用者側が経営実績を言い訳にすればどうする方法もないということを心配した。

キム前支部長は 「使用者側は今回の交渉で法的な危険をすべて取り除いたわけで、 使用者側が交渉を誠実に履行しなければ、もうひとつの希望拷問になりうる」とし、 市民に最後まで見守ってほしいと頼んだ。

この日開かれた闘争報告大会には、 これまで双竜車解雇者を支援してきた市民が集まって祝いと応援の挨拶を交わした。

大漢門連帯市民だったタギ・ミジョン(セラピナ)氏は 「こうした日が来るんだなあ」としつつ 「多くの人々が復職を待たなければならないという惜しみもあり、実感がない。 工場に歩いて入る姿を見なければ実感がわかない」と「カトリックニュース・チグミョギ」に心境を伝えた。

彼は「非正規職者が正規職になることだけでも、とてもうれしい。 良い考えに追われながら、他の人々の無事な復職を期待する」とし、 「復職する組合員が工場に戻っても、他の人たちと連帯する人生を今のように続けて行くことを希望する」と話した。

この席に参加したキム・ギョンニム修道女は 「子供たちが祈るように、いつも復職さえさせて下されば、私がもっと正しく暮らすというお祈りを差し上げてきた」と感激していた。 解雇者の死に接し、解雇者の苦痛を自らの苦痛として感じたというキム修道女は、 解雇無効判決がひっくり返ることを見て復職は難しいと考えていたので、 今日の現場復帰決定を奇蹟のように感謝すると「カトリックニュース・チグミョギ」に話した。

キム修道女は双竜車解雇者と連帯したことについて 「苦しむ現場はベツレヘムの厩のマグサ桶であり、復活の現場」だとし、 「解雇者の闘争現場は降臨したイエス、復活したイエスの現存を体験する場所だったため、 駆け付けなければならなかった」と話した。

▲「すべてあなたのおかげです」双竜車組合員歌グループのハッピーマンデーが支援者に感謝する歌を歌った。[写真/チョン・ヒョンジン記者]

双竜車整理解雇事態は2009年1月、双竜車が法定管理申請をして5月8日に2646人への構造調整案を発表したことで始まった。 5月22日から双竜車支部は工場占拠ストライキを行い、警察の検挙作戦で終わるまでの77日間、抵抗した。 労使はストライキ直後の8月6日に交渉を開き、解雇対象者976人のうち48パーセントを無給休職者、52パーセントを解雇対象者とすることに合意した。

その後、解雇者とその家族28人が命を失う事態が発生し、 ハンストと高空籠城など2400余日間の復職闘争が続いた。 復職闘争の過程で双竜車使用者側が構造調整のために会計帳簿を操作したという疑惑が露呈したが、 裁判所は解雇は有効だという判決をした。

双竜車使用者側の会計操作疑惑を提起したクォン・ヨングク弁護士は、この7年間の復職闘争について、 「結局、当事者が諦めなかったことが最大の動力であり、 関心と連帯が彼らを支えた」と評価した。

クォン弁護士は今も双竜車の法定管理、構造調整が故意に企画されたと考えているとし、 法的な要件を作って行った事件で見ているとしつつ、 「これについての真相究明がこの事件で残された課題」だと「カトリックニュース・チグミョギ」に明らかにした。

彼は今回の交渉は、労働者と市民の力量で最善を尽くしたもので、 特に連帯の精神を通じ、韓国社会がまだ絶望的ではないことを見せたとし、 「これからすべきことは、労働運動と政治的領域のすべてで資本偏向的に傾いている構造と政策、労使関係を正すこと」だと話した。

クォン・ヨングク弁護士は、双竜車復職闘争は韓国社会の整理解雇問題を正面から受け止めて戦ったものだとし、 「立派に戦ったし、最後まで諦めずに戦ったことにいて、尊敬と賛辞を送りたい。 7年間、本当にご苦労さまという言葉をぜひ伝えたい」と話した。 (記事提携=いまここ(チグミョギ))

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2016-01-03 07:50:25 / Last modified on 2016-01-03 07:51:46 Copyright: Default

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