本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:憲法裁判所の選挙区画定の代案、議席増加は不可避
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1415666602748St...
Status: published
View


「憲法裁判所の選挙区画定代案、総議席数上方修正は不可避」

新政治、正義党討論会ですべて「比例代表拡大、議員定数を増やせ」議論

キム・ヨンウク記者 2014.11.10 17:09

憲法裁判所が現在の選挙区画定人口偏差の割合の3:1は、憲法の平等権に合致しないという判決をした後、 新政治連合と正義党は各種の選挙制度改革と政治革新のための方案を議論している。 特に11月10日午前、両党が各々主催した関連討論会とセミナーでは、すべて比例代表拡大と議員定数を増やす方案が議論され、注目されている。

正義党の千皓宣(チョン・ホソン)代表は午前10時30分、 国会で開かれた正義党政治真っすぐ特別委(委員長沈(シム)サンジョン)外部諮問委員会の出帆式と記念セミナーに参加して 「今、韓国の政治改革は制度選択の問題ではなく既得権との闘争」とし 「国民の支持を受けるだけ国民を代弁できるように比例性を実現したい」と話した。

続いて「小選挙区制それ自体が無条件に悪いものではないが、 その決定的な短所を解決しようとするなら比例代表を拡大しなければならない」とし 「地方区を減らして比例を半々にした方が良いが、それが難しければ国会議員の支援総予算を凍結しても国会議員定数を増やすことも検討しなければならない」と強調した。 また「2-3人の中選挙区制は既得権を強化するだけ」とし 「二党が互いに既得権を分けあうことができないように大選挙区制にするべきで、 大選挙区ができなければ嶺南・湖南で二党が互いに一議席、二議席をやりとりする既得権の延長に留まり、惜敗率制度も同じだ」と指摘した。

沈(シム)サンジョン院内代表も 「単純多数代表制と連携する小選挙区制は、半分に近い死票を作る選挙制度」とし 「50%を得票した党が90%以上の議席を奪うことも発生し、 10%以上得票をしても5%以下で議席を配分されることが起こるので、 憲法裁判所の判決に提示された国民の平等権の趣旨で見れば、 選挙区の人口偏差に劣らず国民平等権に反する」と選挙制度の問題を指摘した。

このように憲法裁判所の判決以後、中選挙区制の問題点と比例代表の拡大、 議員定数の拡大などの代案は、新政治連合の討論会でも重点的に議論された。 憲法裁判所の判決を現実的に履行するためには、議員定数を増やす方案が理想的で現実的だという指摘が主だった。

新政治連合政治革新実践委員会と民主政策研究院が午前10時に国会議員会館第2セミナー室で主催した 「選挙区画定と選挙制度革新方案討論会」で問題提起をした西江大現代政治研究所のソ・ギョンボク教授は 「選挙区画定の基準になる制度の用意と整備」を強調した。 法と制度により選挙区画定の基準を用意しておけば、国会が選挙のたびに選挙区の画定で苦労する必要がなくなるということだ。

「選挙区画定原則と基準を設定して、有権者を説得せよ」

ソ・ギョンボク教授は「総議席数、地方区議席と比例議席の割合、地方区議席割当基準、選挙区画定基準を合わせて制度を整備するべきだ」とし 「ひとまず基準が確立されれば今後の選挙区変動と議席数の算出をめぐる政治的な議論は、はるかに減るだろう」と2種類の代案を提示した。

ソ教授は最初の代案として地方区の議席と比例議席の割合、 選挙区人口偏差基準、選挙区当たりの最低人口数の基準、選挙区境界確定の基準を法に明示し、総議席数を規定しない方案を提示した。 地方区議席と比例議席割合の明示、選挙区当たりの最大の人口数偏差2:1を明示、 選挙区当たりの最低人口数を明示しておけば、地域選挙区総議席数が自動的に算出され、 これに比例して比例選挙区議席数が自動的に算出されて、総議席数が決定する方式だ。 また、選挙区当たりの最低人口数の基準を明示することで、選挙のたびに農村選挙の代表性の議論を避けられる。

二つ目の代案では、やはり同じ基準を法に明示するが、 選挙区当たりの最低人口数基準ではなく中間規模の広域市道を基準として 平均人口数の基準を明示する方案だ。

ソ・ギョンボク教授は「2つの代案とも一時的に議員定数の上方修正が伴うという点で政治的な負担は発生するが、 原則と基準を設定することによって有権者を説得していかなければならない」と説明した。

また「議員定数上方修正なしで現行の1人2票制を維持しつつ、2:1の人口偏差基準を充足し、 広域市道と市郡区の分割禁止原則を維持する方案を見つけるのは難しい」とし 「現行の議員定数300人を維持しつつ、2:1の人口偏差基準を充足させようとすれば、 農村の有権者らの代表性剥奪による抵抗は避けにくいうえ、 選挙区の変動が発生する非首都圏有権者の代表性確保の次元で接近すれば、 議員定数拡大を説得していく機会になる」と強調した。

もうひとりの発表者、仁川大政治外交学科のイ・ジュナン教授は 2004、2008、2012年の選挙の1人2票制効果シミュレーションの結果を総合し、 △票の等価性と民主的な代表性の向上、 △地域主義政党体系の緩和、 △対立的な政党体系緩和のためにはドイツ式政党名簿制と日本式地域別政党名簿制が対案になりえると明らかにした。

イ・ジュナン教授は「今回、国会議員の定数を現実化させるという次元で、 地方区議員の適正水準である230人から250人の間の246人を定めておいて、 比例代表定数を100人程度の水準に増加させられる」とし 「この場合、国民的合意を得るために国会議員の歳費総額を固定して新しい議員定数で分けあう方案がある」と紹介した。

イ・ジュナン教授は「OECD国家と人口、GDP、政府予算、公務員数などを基準として比較した時、 韓国の国会議員定数は約330人から360人程度だと評価される」とし 「議員定数を増やすことについての国民的な反対の情緒のために、これまで定数拡大を言い出しにくかった」と指摘した。

討論者になった聖公会大民主主義研究所のキム・ヒョンチョル研究教授も 「憲法裁判所の選挙区画定判定は、単に地方区の統合または分化の意味を超え、 平等な政治的代表性の実現と保障という意味を持っている」とし 「このような意味を現実化するためには、統合と分化により追加される地方区議席数12議席を作るために比例議席を縮小するのではなく、 比例議席の拡大により、比例性を高めるべきだ」と指摘した。

キム・ヒョンチョル教授は中選挙区比例代表制案は、選挙区の大きさだけを規定して選挙制度改革が前提に符合しないとし、 大選挙区純粋比例代表制案が制度改革の前提に符合するが、現役地方区議員の賛成の可能性が非常に低いと指摘した。 キム教授はこれにより、比例性と政治的代表性を保障するドイツとニュージーランドなどが採択している混合名簿比例代表制での改革摸索必要性を提示し、 議員定数拡大の必要性を提起した。

キム教授は「ドイツ式混合型比例代表制が作動するためには、 地方区議席と比例議席の議席割合の間隙を狭めなければならない」とし 「だが総議席数300議席を維持したままでは地方区議席数を減らさなければならないが、 地方区議員の激しい反発が予想されるので現実性は非常に低い」とし 「票の等価性を考慮する地方区確定とともに、比例議席を拡大する方案を模索するべきであり、 市民団体がこれについての正当性を積極的に運動の形式で広報していかなければならない」と明らかにした。

朴洙賢(パク・スヒョン)新政治民主連合議員は 「議員の歳費総額を制限して議員定数を増やそうという方案も検討したが、 私たちが新しい大韓民国の体制を作ろうといいつつ、国民にこうした小細工のような方式で近付いてはいけない」とし 「最近、市民社会団体も議員定数を増やすことに共感をしていて、 定数を増やそうという結論に達すれば堂々と説得していかなければならない」と主張した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-11-11 09:43:22 / Last modified on 2014-11-11 09:43:24 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について