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留置場トイレで露呈した警察の人権感受性

国家人権委、ヤン・ウンギ修道士の陳情でトイレ改善勧告

記者 2014.09.03 11:25

国家人権委員会が済州東部警察署留置場内の 「開放型トイレ」を改善しろと勧告した。

これはヤン・ウンギ修道士(韓国殉教福者聖職修道会)が昨年10月、 済州東部警察署の留置場に入っていた時に提起した人権侵害陳情によるものだ。

ヤン・ウンギ修道士は昨年10月12日、 済州道江汀村海軍基地工事阻止デモに参加して業務妨害容疑で逮捕され、 済州東部警察署の留置場に二日間収監された。 ヤン修道士はこの留置場内のトイレには高さ1メートルの仕切りしかなく、 その上には何の遮蔽施設もないため用便の時に音と臭いが漏れ、 そのたびに羞恥心と屈辱感を感じたとし、 カトリック人権委員会を通じ国家人権委に調査を要請した。

国家人権委の調査の結果、済州東部警察署留置場が運営している7つの留置室のうち、 障害者専用と女性専用を除く残り5か所の留置室内のトイレは、 床から1メートル程度の遮蔽幕しか設置されておらず、 その上には何の遮蔽もない。 そのため服を脱ぎ着する過程で身体の一部が露出する。 国家人権委は8月1日にこのような決定を下し、 9月2日に報道資料でこれを公開した。

ヤン・ウンギ修道士は9月2日、「カトリックニュース・いまここ」との電話インタビューで 「警察の人権感受性が遅れていることが確認された」とし 「済州東部警察署が勧告を履行してほしい」と話した。

▲警察署留置場の様子、警察庁公式YouTubeチャンネル画面キャプチャー

彼はまた「留置場に入った人は萎縮して、何も言わずに過ごして出てくる」とし 「人々の萎縮感を利用して人権を日常的に侵害しているのが韓国の権力」と糾弾した。 ヤン修道士は留置場内の人権侵害問題は全国的なものだと思うとし、 「改善されなければ戦いを続ける」と話した。

警察庁例規「留置場設計標準規則」によれば、 留置場のトイレには破損しない材質の椅子式の便器をおき、 トイレの壁は天井まで設置しなければならない。 また、留置人の自害事故を防ぐためにトイレの出入口と内部には突出施設、付着物を設置しないようにする一方、 トイレの壁にはこわれない材質のかたい透視窓を設置して、 冷温水の水道施設を備えることになっている。

国家人権委の調査の過程で済州東部署側は、規定に合った留置場トイレを設置していないことを認めながらも、 「本署は『留置場設計標準規則』制定以前に作られた。 この規則は留置場の新築、改築または施設を改善する時に適用することになっていて、 今後、警察庁が予算を確保し次第、施設を補完する予定」と明らかにした。

2001年に憲法裁判所は監視と統制の効率だけに集中し、 遮蔽施設が不充分なトイレを留置人に利用させるのは人格権侵害と判示した。 カトリック人権委員会は憲法裁判所の決定の趣旨により、 警察庁が2006年に開放型トイレを密閉型に変えることにしたと発表し、 留置場設計標準規則も全面的に改正されたが、警察庁の発表がきちんと履行されなかったと1日に指摘した。

2012年8月、カトリック人権委が警察庁から受けた情報公開資料によれば、 留置場がある全国112の警察署のうち70か所(62.5%)に密閉型トイレが全くなかった。 カトリック人権委は警察が予算確保を理由として改善の意志がなく、 現在の改善速度なら、全国の留置場トイレをすべて密閉型に変えるのに20年かかると指摘した。(記事提携=いまここ)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-09-04 05:06:02 / Last modified on 2014-09-04 05:06:02 Copyright: Default

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