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非正規職船長と正規職一等航海士、誰がセウォル号を動かしていたのか?

現場指揮も運航も非正規職は排除...核心人員の権限縮小、対処不十分

ユン・ジヨン記者 2014.04.30 19:36

捜査当局がセウォル号が沈没した時に一番先に救助された一等航海士のカン某氏に対する集中捜査を始めた。 さまざまな状況と業務の性格上、カン氏が事実上、セウォル号を指揮していた「核心人物」だったという疑惑が提起されたことによるものだ。

当初、危機状況が発生した時に、船長が現場を指揮すると言われるが、セウォル号の場合はこれと違っていた。 船長を含む多くが非正規職で雇用されており、船長は直接の指揮の権限がなかった。 正規職と非正規職が混在する構造が、一糸不乱な現場の対応をできなくし、結局、事故発生10日後に総指揮権限を持つ正規職の一等航海士の存在が浮上した。

セウォル号の非正規職船長は「名ばかり船長」、指揮権限は正規職の一等航海士?

セウォル号に搭乗していた乗務員は合計33人で、そのうち19人は非正規職だ。 その上、事件発生から10余日後に4人の若いアルバイトが乗務員リストから脱落していた事実が確認された。 船長だったイ某氏は、代替人員として投入される1年契約の契約職だった。 事件が発生した直後、イ氏は無責任と責任放棄で世論から袋叩きにされた。 船の陣頭指揮をする船長が乗客を後まわしにして急いで脱出したという非難だった。

▲先に脱出した一等航海士のカン某氏[出処:JTBC画面キャプチャー]

しかし最近、正規職で雇用されている一等航海士のカン某氏がセウォル号を指揮する核心人物ではないかという疑惑が提起された。 セウォル号からまっ先に脱出した人物もカン某氏であり、事件が発生した後に清海鎮海運と直接情報交換をした人物も、船長ではなくカン氏だった。 船の総責任者である船長を非正規職で雇用して、正規職の一等航海士に総指揮権限を預ける構造だ。

実際、セウォル号が沈没した時から乗務員が救助されるまで、乗務員と清海鎮海運の間では7回の通話記録が存在する。 マネジャーが事故の事実を伝えた最初の通話を除くと、すべて清海鎮海運側からかかってきた電話だった。 そのうちイ某船長には一回電話がかかってきただけで、後の6回の通話はすべて一等航海士のカン氏と行われた。

初期の救助動画を確認すると、カン氏は船の甲板の上でも通話を続けていた。 一番先に救助された後、救助艇でも携帯電話で連絡をしていた。 現在、検警合同捜査本部はカン氏と清海鎮海運の間でやりとりされた対話が初期の不良対応の事件の核心になるものと判断して調査しているが、カン氏は通話の内容に対して口を閉ざしている。

その上、船長は潮流が早い区間のメンゴル水道でも舵を取らなかった。 事故当時、操舵室で単独で運航をしていた人物は正規職の3等航海士、パク某氏だった。 特に朴氏は経歴1年で、メンゴル水道は初めて運航したことが明らかになった。

韓国海洋対海洋警察学科のイ・ウンバン教授は4月29日、あるラジオとのインタビューで 「(船長は)ブリッジにおらず寝室いたが、あとで突然出てきた」とし 「船長がブリッジや船舶を指揮できる立場になく、脱出したのではないかという疑問を持っている」と明らかにした。

現場指揮からも運航からも非正規職は排除...核心人員の権限縮小、対処不十分

船長をはじめとする甲板部、機関部の乗務員の多くが非正規職として雇用される構造なので、核心人員の権限は自然に小さくならざるをえない。 全体的な指揮権限が少数の正規職に集中しており、危機状況でも一糸不乱に対処できない点も問題だ。 その上、契約職でしかない非正規職の労働者としては、清海鎮海運のさまざまな問題を指摘するのも難しい構造だ。

セヌリ党の金聖泰(キム・ソンテ)議員は4月30日、KBSラジオとのインタビューで 「昨年、清海鎮海運が118人に使った安全費用は54万ウォンに過ぎない。 1人当り4千6百ウォンで安全教育をしたということだ」とし 「1年に一回契約をする非正規職船員が、また再契約されるかわからないのに、訓練を要求することも問題を提起することもできない」と説明した。

続いて「低賃金を受け、さまざまな船を行き来する契約職労働者たちに、 外国の船員のように神聖な義務や使命感を持てというのは、孔子の言葉(のような建前)のようなものだ」と付け加えた。

正義党の沈(シム)サンジョン議員も 「自分の雇用が不安なら、上級者や社主に自由に安全問題を提起するのは難しい」とし 「自分の雇用の一日一日が不安で再雇用された状態で、自由に安全問題を提起できなければ、セウォル号惨事のような問題は繰り返されるしかない」と指摘した。

セウォル号の非正規職雇用形態が惨事を大きくしたという指摘が提起され、 国会では人の命に直結する業務は正規職として雇用すべきだという声があがっている。 労働界が以前から提起してきた要求だ。

金聖泰議員は 「国民の生命と安全に責任がある職種の場合には正規職化して、 賃金と勤労条件を改善し、それにふさわしい責任感を要求するべきだ」と明らかにした。

沈サンジョン議員も 「常識的に考えても、乗客の安全に責任がある業務を担当する人は、それだけ熟練していなければならない。 また責任の程度も自覚が高くなければならない」とし 「そのため技術的な責任や法的な義務、または道徳的な使命感まで考えると、正規職で雇用するべきだ」と強調した。

続いて沈議員は「非正規職のために惨事が発生したのではなく、 正確に言えば惨事が発生しかねない危険な地位にいつも非正規職を採用するということがさらに大きな問題」と指摘した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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