一番小さな村、江汀の戦争、第2の4.3抗争だ

ムン・ジョンヒョン神父「私たちすべてを殺してからクロムビにコンクリートを注げ」

3月7日午前4時、江汀村に非常サイレンが鳴り、すく切迫した声がスピーカーから 流れた。

「江汀村住民の皆さん、非常事態発生です。全員、海軍基地事業場前に集まって、 江汀村を守って下さい」

3月6日の晩、クロムビ岩の発破許可がおりたというニュースが伝えられた直後、 江汀村の住民は非常対策委員会を開き、儀礼会館と平和の家など、あちこちに 集まって対策と計画を議論し、共有するなど、眠れない夜を明かした。

▲午前4時。海軍基地事業場前に集まった住民［出処:カトリックニュース・いまここ］

しかし何も持たない住民の議論は、ただ「全身で、全力をつくして、命がけで 防ぐ」という自分の決心を繰り返すことだった。

当初、爆破のための火薬類の運搬は、午前6時から12時以前に完了し、日没前ま では使用できず、火薬類はまた返却しなければならないという規定があるが、 江汀村の住民は海軍や警察がこうした原則を守るのか疑問とし、いつどうして 火薬を搬入して爆破するかわからないという不安感に震えた。

▲彼らにとって美しい江汀とはどんな江汀なのだろうか? ［出処:カトリックニュース・いまここ］

▲「江汀を守りましょう、われわれはできます」生命と平和を考える気持ちが、恐れの前でも彼らを踊らせる。［出処:カトリックニュース・いまここ］

守備隊と村住民が各自の家に帰らず、集まって夜を送った午前4時。村には非常 サイレンが鳴った。村住民は計画のとおり、自分たちが持つ自動車、耕運機な ど全てを動員して入り口を遮断し、海軍基地事業場前に集まった。同じ時刻、 入り江の側にはカトリックの司祭約10人と村住民約10人が、入り江のあちこちで 発破を防ぐ準備をしていた。彼らは「何とかして発破を防ぐためであり、私たちの 切迫さを知らせるためだ。発破されれば爆発した所に駆けつける」と決心を伝えた。

▲4名の女性活動家は少しでも車両の進入を遅らせるために鎖で体を縛った。［出処:カトリックニュース・いまここ］

ムン・ジョンヒョン神父は「生きている限り、クロムビを破壊してコンクリート を注ぐことはできないといったが、今日その時点がきた。その心情は今現在、 29日間獄中断食をしているヤン・ユンモ先生の行動と一致する。この苛酷な警察、 海軍、国務総理、李明博、私たちをみな殺しにしてクロムビを爆破しろ。私たちを みな殺しにして私たちと共ににクロムビにコンクリートを注げ」と声を高め、 「以前読んだ4.3抗争の精神が、今私によみがえった。私たちのこの闘争は、 私たちの後代の精神を助ける力になるだろう。自負心を持ってクロムビの爆破を 防ごう」と促した。

［出処:カトリックニュース・いまここ］

これと共に、海軍基地事業場の前では『戦争ない世の中』活動家3人と村警備1人 が村の入口を防いでいた車両に、自分たちのからだを鎖で縛った。彼らは「鎖 を切ることは難しくないだろう。しかしその時間だけでも火薬の移動を遅らせ られる」と伝えた。

クロムビ発破許可からちょうど12時間目の午前6時50分。海軍基地事業場前に 警察が到着した。平和デモを原則とする約100人の住民は、「頼むから村に入ら ないでくれ、一緒に暮らそう」と訴えたが、400人余りの警察兵力は約20分で 集まっていた住民を排除し、海軍基地の入口を防いだ。

［出処:カトリックニュース・いまここ］

▲あっという間に自分たちを取り囲んだ警官に頼むから帰れと訴える村住民。［出処:カトリックニュース・いまここ］

まもなく車両にからだをつないでいた4人の女性活動家と、それを保護しようと していたイェズス会のキム・ジョンウク神父と住民3人、そして暴力的な鎮圧に 抗議した村住民と活動家など20人余りを連行した。

12時現在、海軍基地の前にはまだ住民が警察と対峙しており、クロムビ入り江 には20余人のうち2-3人を残し、全員連行された。また彼らに食事と衣服を伝え るためにカヌーに乗って入り江に接近したベンジャミン・ジュプリンも、海上 警察によりカヌーをひっくり返されて連行されるなど、あちこちで警察と村の 住民の衝突の知らせが続いている。(記事提携=カトリックニュース・いまここ)

▲活動家らと彼らを保護しようとする人を無差別に連行する警察。［出処:カトリックニュース・いまここ］

▲連行されるイェズス会のキム・ジョンウク神父。［出処:カトリックニュース・いまここ］

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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