本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:資投法1年、捨てられない投資銀行(IB)の夢
Home 検索
 


資投法1年、捨てられない投資銀行(IB)の夢

金融規制?みんなそうだをひっくり返せ

チャムセサン/ 2010年02月04日16時48分

今日で資本市場統合法が施行されてから1年になる。2007年7月国会を通過した この法は、1年6か月間の猶予期間を経て、2009年2月4日に施行された。資本市場 統合法は資本市場と金融投資に関するこれまでの6つの法人証券取引法、先物 取引法、韓国証券先物取引所法、間接投資資産運営法、信託業法、総合金融会社 法を統合して関連制度を大きく変えた。

資本市場統合法は一言で韓国型投資銀行(IB)設立にある。それにより産業銀行 は昨年10月、さまざまな議論と憂慮にもかかわらず民営化が強行され、産銀持 株と政策金融公社に分離した。分離した産銀持株会社を投資銀行として育成す る多角度の努力をしてきた。

しかし米国発の金融危機と世界経済危機で資本市場統合法を施行しても金融市 場での変化は僅かな水準だ。この状況で、投資銀行設立を目標にした韓国資本 市場の規制緩和と開放化は金融危機をあおるという点で、時代錯誤的な発想と まで見なされる。

米国に投資銀行(IB)はない

米国でいわゆるボルカールール(Volcker Rule)が提起され、金融規制への国際 的な動きが拡大している。ボルカールールはホワイトハウス経済回復諮問委員 会(ERAB)のポール・ボルカー委員長の提案だが、核心は金融リスクを防止する ために商業銀行と投資銀行を分離して、大型銀行の規模と投資範囲を制限する ところにある。

ところが、現在、厳密に言えば米国で投資銀行はない。金融危機の前には米国 内に5つの大投資銀行があった。しかし金融危機を経てメリルリンチは救済金融 を受けてBOA(アメリカ銀行)に売却されBOAメリルリンチとして残り、ベア・ス ターンズも公的資金投入後、JPモルガンに売却された。その上、投資銀行の命 脈を維持したゴールドマンサックスとモーガンスタンリーも、2008年金融危機 当時に救済金融を受けて銀行持ち株会社に転換した(このためにボルカールール が施行されれば彼らは規制対象になる)。

したがって現在、米国で金融危機前と同じ投資銀行は存在しない。いわゆる企 業投資銀行(CIB)形態に変貌したが、体制も銀行持株会社なので韓国の産銀持株 もまた問題になる。ボルカールールが適用されれば米国の現地法人であれ、米 国系法人であれ、すべて適用されるので事実上米国を対象とする活動は深刻な 制約を受けることになるためだ。

ゴールドマンサックス、金融危機主犯だというのに...

それでも資本市場統合法施行1年に際し、まだ韓国型ゴールドマンサックスの夢 を膨らませる人々がいる。その理由はゴールドマンサックスの投資銀行として の成功にある。ゴールドマンサックスは昨年7月、救済金融を受けた100億ドル (12兆)を金融危機発生から9か月ですべて償還した。この1年に110億ドルの収益 をあげ、モーガンスタンリーなどを抜いてCIBで断然最高の収益を上げた。それ で財界は韓国型ゴールドマンサックスの夢を捨てずに続けるよう注文している。

しかしゴールドマンサックスは、米政府の支援と蜜月関係なしでは成長できな かった。米国の政府でゴールドマンサックス出身は常に核心的な活動をした。 クリントン政府の時はロバート・ルービン財務部長官、ブッシュ政府ではヘン リー・ポルソン財務部長官がゴールドマンサックス出身だ。ロバート・ゼーリッ ク世界銀行総裁もゴールドマンサックス出身だ。

彼らは金融危機当時もゴールドマンサックスを保護するために物心両面で努力 した。2008年の米国金融危機の時、AIGが不渡りになった時、ゴールドマンサッ クスがAIGに出した130億ドルの投資を保護するために、当時の米政府が救済金 融を決めたというのが定説だ。そのためゴールドマンサックスは投資を全額回 収することができた。それでも当時の金融危機の余波を避けられず、ゴールド マンサックスさえ救済金融を輸血され銀行持株会社に転換した。

その上、米国ではゴールドマンサックスが投資銀行として自己資本取引などを 続け、金融危機を発生させた主犯だと連日言論紙上で話題になる。それと共に 金融危機の時、投資銀行への米政府の救済金融提供まで叱責する声が高い。

それでも、夢は続く?

米国の金融規制強化の動きと違い、資本市場統合法施行1年に際して、規制緩和 の声はいつよりも高い。

公正取引法改正案が上程され、一般持株会社の金融子会社の所有を認め、負債 比率制限を廃止するなどの内容を含む公正取引法改正案の通過が差し迫ってい る。だが財界はこれで満足せず子会社・孫会社の最小持分率と3段階出資制限を 廃止しろと要求している。事実上、持株会社制度も無力化しろという意味だ。

産銀持株会社は企業投資銀行(CIB)に転換し、2020年までに世界20位圏への跳躍 を目標にしている。そのためにミン・ユソン産銀持株会長は外国系投資銀行を 買収し、産銀持株をグローバルな投資銀行に育成しようとしている。産業銀行 の時に問題になった2008年9月のリーマンブラザース社の買収の試みもあった。 最近、タイ系の投資銀行の買収も試みられて失敗に終わったが、それでも外国 投資銀行を買収しようとする産銀持株の試みは続いている。

また、昨年12月の資本市場統合法施行令改正で、今年2月からヘッジファンドの 設立とSPAC(企業入手目的会社)の設立が可能になった。ここにヘッジファンド 規制緩和は追加で今年の5月までさらに拡大する。主に企業M&A市場への資 金流入を期待しているというが、規制装置もない状況でどんな資金が入ってく るのか明らかだろう。

その上、米国が金融規制を強化している状況で、韓国の規制緩和は国際的な資 金流入の機会になるという主張も提起される。2008年に不渡りになったリーマ ンブラザースを産業銀行が買収していれば、不渡りも防ぎ、グローバル投資銀 行まで所有できたという詭弁まで出てくると、この程度の主張は弱く見える。

ここまでくれば「金融規制、他人はみんなそうだ。『みんなそうだ』をひっく り返せ。オルレ〜」と言っているのがまさに韓国だ。資本市場統合法1年、もう 未練を捨てる時ではないか?

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-02-09 06:12:04 / Last modified on 2010-02-09 06:12:07 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について