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韓国:今年の選挙主人公は、選管委と警察 | |
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今年の選挙主人公は、選管委と警察[寄稿]選挙法と情報人権
チャン・ヨギョン(進歩ネットワークセンター)/ 2007年12月03日8時48分
予想が違った。今年の選挙で一番猛活躍をしたのはネチズンも、UCCでもない、 選管委と警察だ。 去る6月、大統領選挙180日前に、中央選挙管理委員会がいわゆる『UCC指針』を 配布した。インターネットに利用者が上げるUCCが、政党や大統領候補を支持し たり推薦したり反対してはいけないということだった。UCCだけではない。利用 者が自分のブログに書き込んだ文章が、選挙関連の記事の反論コメント文が、 そして政治家を風刺したパロディが、選挙法違反だから削除しろという選管委 の要求が相次いだ。大型ポータル、ネイバーでは利用者を保護するという名分 で、政治記事の反論コメント欄をまるごと閉鎖するという事態も行われた。 警察は警察で、先を争ってネチズンを召喚している。管轄が不明なサイバー空 間で、全国各地の警察署が出頭しろと要求し、被疑者や参考人にとって当然の 権利である事件移送要請も聞き入れないというネチズンの哀訴が続いている。 10月30日を基準に、選管委がインターネットの削除を要請した件数は5万5842件 にのぼり、そのうち大統領選挙関連の文や動画が選挙法に違反して捜査対象に なったケースは561件(618人)で、選挙法違反事件(827件)全体の68%に該当する。 選挙の時に多くの国民が犯罪者になるのだ。見えすいた脅し効果は確実だった。 2002年と比べ、2007年の大統領選挙は過度に静かに行われている。既成のマス コミが言葉を慎んでいる時も、果敢な批判と候補者の検証を止めなかったイン ターネットはとても萎縮した。 萎縮したインターネット 選挙法のインターネット規制は、大きく二本の軸に分れる。まず選挙運動期間 の前。別名、事前選挙運動禁止条項だ。選挙日の180日前から候補者登録締め切 り日(今年の場合11月26日)までは、誰も選挙運動ができない。(選挙法93条)二 つ目は、大統領選挙運動期間中(今年の場合11月27日から12月18日まで)。ほと んどの国民は選挙運動をすることができるが、身元を明らかしなければならな い(選挙法82条の6)。虚偽事実の公表や候補者の誹謗は選挙運動期間とは無関係 に、常に不可能だ。ちょっと見ると合理的なように見える。 問題は、選挙法と韓国の選管委がインターネットに書き込まれた政治的な見解 のほとんどを『選挙運動』と見なすということだ。少しでも候補を支持したり 推薦したり反対するようすがあれば選挙運動で、結果としてそのような効果を 産んでも選挙運動だ。 選挙法で初めて一般人が拘束されたのは、1995年地方選挙の時だ。パソコン通 信『千里眼』に開設された『オンライン選挙運動広場』に、当時のチョン・ウォ ンシク民自党ソウル市長候補を誹謗したという疑いであるネチズンが選挙法違 反疑惑で拘束された。この事件は、コンピュータ通信に選挙法が適用された初 の事例で『一般人』が初めて拘束された事例だという。すなわちコンピュータ 通信の発展とともに一般国民が選挙に参加できるようになったのだ。 一般国民が選挙に参加する方式とは、『選挙について話すこと』だ。以前は、 表現の自由は言葉だけのものだった。マスコミに発表したり出版することがで きない一般の人が享受できる表現の自由は、非常に制約的だった。自分の周辺 の人々、つまり家族や友人と対話をする程度が自分の発言が及ぼせる最大限の 範囲だったのだ。ところが今は誰もが自身が言いたい話を広く伝える条件が整っ た。以前は酒場で選挙について対話し、自身の見解を吐露していたとすれば、 今はインターネットで文を書き、絵を描き、討論することができる。 韓国の選挙法はこうした時代の変化に符合しないと指摘されてきた。本来、選 挙法は選挙に立候補する政治家と選挙運動を規制するために作られた。この選 挙法をむやみに一般国民に適用することは、一般人の政治的表現を選挙運動と して受けとめ、規制することだ。 権威主義の独裁政権時期でも、酒場で政党と政治家の話をしても、処罰はされ なかった。選挙の時期に有権者である国民が選挙について話し、意見を持つこ とは非常に当然のことだからだ。韓国の選挙法も『単純な意見陳述や意志表示』 は正当な国民の権利だとして保障している。問題は、選管委がこれを他の不法 選挙運動との区分が難しいとして、非常に幅広く規制している点だ。果たして 有権者が問題なのだろうか、あるいは選挙法が問題なのだろうか? インターネット馴らし 一歩進んで選挙法は、とても便宜的にインターネットを規制しようとする。選 挙の時のインターネット実名制がそれだ。選挙運動期間中、一般国民はいつど こで候補者を誹謗し、虚偽事実を流布するかわからないから、インターネット 言論を利用する時、住民登録番号を明らかにして身元を確認しなければならな いということだ。しかし、すべての国民が候補者を誹謗したり虚偽の事実を流 布すると前提にして実名確認を受けなければならないということは重大な人権 侵害だ。 読者が一般の新聞に投稿する時、行政自治部に立ち寄って、住民登録証を提示 して、本人確認を受けてこいと言われれば、どんなことが起きるだろう? 表現 の自由の弾圧で、国家による言論統制だという批判が出そうだ。ところがこう した政策がインターネットでは可能だ。技術的に可能なためだ。 利用者の立場としては、たった一回実名認証を受けさえすれば、いつでもログ インした後に自由に文を書ける。しかしその裏には、ログインしたIDと実名を 基準として、いつ、どこで、どんな文を、どのように書いたのか、ことごとく 記録される。技術は表面的には利用者に親和的だが、その裏では徹底した監視 が形成される。権力者の好みに合うものでなければならない。 実名制が産む効果は明らかだ。実名制はインターネット利用者が表現行為をす る前に、監視の視線を感じさせる。書き込みをする時、反論コメントを付ける 時、チャットをする時、文を転載する時、認証をさせること。特に批判的な意 見を持っていたり身元を明らかにするのが難しい少数者たちは心理的に萎縮す る。これは明白な事前検閲であり、匿名性に基づいたインターネットの表現の 自由を重大に侵害する。選挙法だけでなく情報通信網法により、主要インター ネットサイトで実名制が実施された後、政治関連の反論コメントや批判は実際 に急激に減った。 民主主義を威嚇 昨今の現実は、国民の正当な表現の自由と有権者としての政治的権利が重大な 威嚇に置かれていることを傍証する。国民が大統領を選ぶ過程で、候補者と政 党と、その政策について十分に検証し、公正に選挙に参加する機会を奪われた ら、韓国社会の民主主義は大きな危機に処するだろう。 情報化により民主主義が具現されるのではなく、むしろ政治官僚による情報操 作と歪曲の危険が高まるという警告が、最近ほど現実感をもって感じられたこ ともない。 アテネのような直接民主政治では、一対一で直接接触し、討論した。しかし多 数の人々が電子的に、つまり非対面で参加すれば、裏の政治官僚は権力を握っ て情報を操作する可能性が高い。情報化を彼らの利害関係をもつ政策の執行に 利用したり、統制の手段として利用できるということだ。 その過程で、真摯な政策論争よりも政治家の外観が浮き彫りにされる。政治情 報が大衆の嗜好を充たすために娯楽的に構成され、政治家は芸能人化するのだ。 その結果、なんとかファンクラブ、なんとか愛といった政治家ファンクラブの 競争が掲示板にあふれ出す。ファンダム文化の中では政治への合理的な討論が 不可能だ。特定の政治家を熱狂的に支持するだけに、反対側には無条件な憎し みを表出するためだ。このようにして歪曲された政治過程は、もう一方で有権 者の軽蔑と冷笑を呼び、政治的無関心を増加させるかもしれない。 また遠くで形成される政治の過程で、個人情報や意見、指向が収集され、それ による専制政治が登場する危険が存在する。政府や政治官僚による監視と差別 が巧妙に登場するのだ。実名制は、人々の情報を隠密に収集する優れた技術的 手段だ。こうした過程は既得権の権力をさらに強化することに寄与する。 政治的権利を回復しよう 結局、現行の選挙法と選管委は、インターネットのコンテンツ規制と実名制に よって国民の表現の自由を侵害するばかりでなく、個人情報の収集で国民を監 視する。そしてこうした傾向は、われわれの社会の民主主義を次第に蚕食する 結果を産むだろう。 規制を中心とする選挙法の姿勢は、19才未満は選挙運動ができないということ にもあらわれる。投票権がないという理由で、だ。したがって青少年はインター ネットに選挙に関する文章を載せることもできない。入試政策の当事者が各政 党と候補者の入試政策に口を開くこともできないのだ。 国民の政治的権利は、選挙当日に投票所の前に並び、投票することで終わるの ではない。選挙に立候補して投票を行使する参政権は、狭い意味の政治的権利 だけでしかない。 現代的な意味での政治的権利は、参政権のほかに言論、出版、集会、結社の自 由と、政党を結成し加入して活動する権利、そして市民社会運動に参加する権 利を包括する概念だ。結局、本来の意味での民主主義は、単にインターネット の技術的な拡散で達成されるのではなく、国民の政治的な活動がいかに自由に 形成されるか、そのために表現の自由、プライバシー権をはじめとする情報 人権がいかに保障されるのかにかかわる問題だ。 公正な選挙を行おうということに異議はない。代議制により金権と官権の介入 を防ぎ、選挙運動を公正に監督することは民主主義の根幹だ。しかし国民の政 治参加もまた重要な民主主義の根幹だ。実名制とUCC規制をはじめとする選挙法 のインターネット規制は、南京虫を捕まえるために家三軒を焼くようなものだ。 選管委は選挙法を言い訳にするばかりでなく、時代の変化にあわせて一般国民 の表現の自由を保障する方案を出すべきだ。それが本来の選管委の仕事だ。 翻訳/文責:安田(ゆ)
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