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原発汚染水は海に流さなくてもいい!〜レイバーネットTV(10/23)で衝撃レポート

アーカイブ録画(97分)ツイッターコメントまとめ

 この日のキャスターは、初登場の末武あすなろさんが加わり、ジョニーHさんとの名コンビで軽快に進行した。

・レイバーネットTVニュース 制作:堀切さとみ 解説:尾澤邦子 ニュースは3本。
・10月8日に行われた韓国の民衆歌謡グループ「ノリペ・ウリナラ」による朝鮮学校支援の東京公演の様子。ゲストの中川五郎さん、朝鮮学校の生徒たちを含め、来場した600人が心を一つにした。
・10月11日には、フィリピントヨタを解雇された労働者が来日し、本社前で不当解雇、組合つぶしに抗議する100人の集会を開いた。18年に及ぶ闘いという。
・10月18日の300人を集めた上野デモは、ユナイテッド航空の不当解雇、東京メトロの非正規差別撤回を求めるものだった。怒りの熱気が伝わってきた。

<香港現地報告・逃亡犯送還条例案は撤回されたけれど、まだまだ闘いは続く>

 気になるのは、お隣の国の香港のデモ。最近香港に取材に行った香港二郎さんが、現地の様子を報告してくれた。最初に香港のデモのショート版映像を日本語字幕で見せてくれる。デモを暴動とし、香港警察は催涙ガス、ビーンバッグ弾、ゴム弾を発射したとか。

彼らの要求は次の5点。
1、逃亡犯送還条例案の撤回
2、暴動定義の撤回
3、すべての抗議者に対する起訴の撤回
4、独立調査委員会の設置と警察の職権乱用の処罰
5、真の普通選挙の実施
 中でも5番は重要で、直接選挙で選びたいという当然の要求である。これこそ香港の将来に大きな影響を与えるということで、大学生を含めたいわゆる若者から、高校生、中学生、果ては小学生までもが、自分のできる範囲、例えば登校前のデモやヒューマンチェーン、座り込みや、デモ隊と同じヘルメットとマスクといういでたちをするなどで共闘しているとか。

 たまたま放送日当日の23日にこの紛争の発端になった「逃亡犯送還条例案」が撤回された。3ヵ月間の運動の勝利ではあるが、まだまだ道半ばである。5つ全部の要求の勝ち取りを目指す彼らに、ギャラリーと共に「香港人加油(ヘョンゴンヤン ガーヤウ)」とエールを送った。

〈特集:底なし沼「原発」はいらない!〜東電刑事裁判「無罪判決」と関電マネー〉

 *動画ココカラ
 ゲストに、浪江からの避難者でもあり、元原発労働者・福島原発刑事訴訟支援者の今野寿美雄さん、おしどりマコ・ケンさんを迎え、司会は堀切さとみさんが務める。

◆国の不備が元凶ゆえ東電の3人に罪を問えないとの判決

 開口一番、今野さん、マコさんたちも、今はオリンピックの時ではないと怒りの声を上げた。
 そして、東電の刑事裁判のまさかの無罪判決に話は振られる。マコさんはこの無罪を予測していたという。民事訴訟では、東電の有罪がいくつか出ているが、この刑事訴訟では、あれやこれやの手を打っていなかった国が悪く、東電だけで対策は取れなかったと。無罪にしてほしくなかったけれど、国を飛び越えて3人を有罪にするのは難しかったのではと苦々しげに語る。

◆亡くなった方たちに顔向けできない敗訴

 今野さんは、この判決を聞いて、亡くなった方に申し訳ないという。50代で突然死や病死が続く。彼の上げるお一人一人の様子は、聞いている私の胸にズーンと迫る。
 マコさんは、自殺は後追いがあるので報道規制が敷かれたかというくらい報道されなかったと話し、ある住職が自費で新聞折込をしたとか。それには「農薬を身近に置くな」とあった。農村特有の注意喚起である。
 「非県民」「反村」という言葉を知っていますか? 原発事故の汚染を語る人や自主避難者、戻らない人を県内、村内に残った人がこう言って非難し、県民を分断していく。今野さんは、なぜこのような分断が起きるのかというと「残った人も被災者である。そういう人たちに補償がないからだ」とズバリ本質をつく。

◆自主避難者は国土を不当に貶める不届きな人々なのか

 実は、東電社長の刑事訴訟判決の2日前に、群馬訴訟の高裁判決があった。自主的避難者に対し2012年以降の避難継続を認めることは、そこに住み続けた人の心情を害し、日本の国土を不当に貶めるものだから容認できないいう驚きの国側の主張があった。今後の各裁判でこのような主張がまかり通っていくのではないかと、危惧しているとマコさん。

◆福島はいつ収束するのか

 福島は300年は収束しないだろうと、今野さん。30年で廃炉にすると言っていたが、8年も経っているのに全く進んでいない。「処理水」というまやかしの言葉を使っているし、トリチウムだけが残ると言っていたのに、核種はさまざま残っている…。
 事故が起きたら、何でもありの単位で放射線量がOKになってしまい、とんでもないとさらに怒りは深まる。

◆金まみれ原発は関電問題の他にも

 関電金品授受の説明記者会見場で配られた資料には森山栄治氏がいかにひどい人であったかが縷々書きとめられていたとか。「関電は被害者」の構図だ。そこにマコさんは「死人に口なしと亡くなった人に責任をかぶせて、地元の信頼回復は図れますか」「一人の人が、そんな大金を出せる資産状況かの疑問はなかったのですか」と的を突いき、他の記者たちがその答えを拝借して記事にしたとか。

 この金品循環現象が他の立地地域にもなかったのかと疑問が残る。今野さんは、命を狙われるから明言できないがと、原発だけでなく基地やごみ処理場などの迷惑事業では、同じ構図になっているのではとさらりと言う。

 何より頭にくるのは、と今野さんは続けて、東電が原電つまり、東海第2原発の再稼働にかかる費用のおよそ半額、2000億円の出資をするという話。すべての避難者の住宅支援は、年間80億円あれば賄えるのに、それは出さずにこの大金をなぜ出すのかと。

 更にマコさんは、原発建設の止まっている青森の東通り村に東電は故郷納税をしたので、そのお金はどこから出したのかと鋭く尋ねたと。するとこともあろうに、原発建設費から出ていた。何をか言わんやである。

◆汚染水は捨てずにためておけが現場の見解。周りは空き地だらけ

 トリチウムは12年が半減期。だから捨てずに貯めておけというのが、現場の大方の意見。なぜなら、今あるタンクエリアの何倍もの敷地に保管すればいいと、地図を示すマコさん。現場も、世間の放流の空気にいら立っているようだ。みなさん、汚染水は捨てなくていいということだ。

 今回は、朝鮮学校や香港、そして原発を取り巻く現状について、なんと盛りだくさんで、新しい話も聞けた。途中挿入されたちょっと一服コーナーで、あすなろさんが2018年福島原発神奈川訴訟裁判で、原告を励まそうと送り出しに歌い続けた「闘いの歌」を会場と共に歌ったのもなかなかだった。〔笠原眞弓〕

*写真=小林未来


Created by staff01. Last modified on 2019-10-27 19:24:52 Copyright: Default

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