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LNJ Logo 弾圧のひどさが明らかに/12.13関西生コン支部弾圧 勾留理由開示公判
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12.13関西生コン支部弾圧 勾留理由開示公判
「法令違反摘発活動も組織犯罪?」

     愛知連帯ユニオン

 この日、11月27日に滋賀県警が連帯ユニオン関西生コン支部組合員ら8名を逮捕した「威力業務妨害事件」の拘留理由開示公判が行われ、傍聴しました。その驚くべき内容を伝えたく投稿します。

 まず、「威力業務妨害」とされる行為自体は、2017年2月と3月の2回、ハウスメーカーの工事現場で、関生支部の組合員がコンプライアンス啓蒙活動の一環として、現場監督らに「道路使用許可は出していますか?」「ブルーシートが道にはみ出しています」「排水にアルカリ性の反応がでています」(道交法77条違反、水質汚濁法違反)等述べて、対処を求め、業務を中断させたというものである。現場には警察官も来て、違反自体が確認されている。これを検察と裁判所は「軽微な違反を理由に業務を中断させた」としているが、工事が中断されたのは申入れが行われたからではなく、法令違反があったからである。弁護人は、判例では「威力」に当たる言動とは「人の意思を制圧する」態様のものであるとされているが、本件ではそれに該当しないことを明らかにした。

 星山生コン事件(2015年)では、会社がコンプライアンス啓蒙活動を「営業妨害」として仮処分を求めていたが、大阪地裁・高裁は、当然にも「工事中断の根本的原因は違法行為の存在である」としてこれを棄却する決定を行っている。弁護人は逮捕された組合員の中にこの事件の当該者もおり、違法性がないと信じていることから、犯罪の意思がないことは明らかと主張した。

 弁護人は、「本件は現場共謀とされていないので事前共謀となるが、いつ、どのように共謀がなされたのか」と裁判官を問い詰めた。裁判官は「連帯労組と生コン協同組合(経営側)の組織的な共謀であることから、ここで特定することはしない」と発言した。「組織犯罪型」「共謀罪型」の弾圧に歯止めがないことが端的に明らかになっている。

 逮捕された組合執行委員の1名は、警察の呼び出しに応じて自宅で逮捕され、8月から現在まで拘留されている。裁判官はこの事実を認識することもなく、「逃亡の恐れがある」などと拘留を続けているのである。彼はこの公判で、「罪証を隠滅するつもりもないし、逃亡する資金もない。会社からは解雇通知が来て対応しなければならないので、早く釈放して欲しい」と堂々と意見表明した。事件は1年9カ月も前のことであり、その間、警察は家宅捜査や事情聴収、逮捕を繰り返している。証拠はすべて入手されているはずで「罪証隠滅」など問題にならないはずだ。

 弁護人は、「刑法教科書では、最初に、刑事罰の適用は最終手段であるから、謙抑的、補充的、断片的でなければならない、と書いてある。労組法には刑事免責があり、憲法には表現の自由がある。本件のような事件で長期拘留を行うのは異常である」とした。


Created by staff01. Last modified on 2018-12-15 13:32:25 Copyright: Default

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