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日本軍「慰安婦」問題の解決をめざして〜ユンミヒャンさん「挺対協」を語る

    尾澤邦子

11月22日、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)常任代表の尹美香(ユンミヒャン)さん が、東京の在日本韓国YMCA国際ホールで講演しました。日本軍「慰安婦」問題解決全 国行動主催で、「挺対協は何をしてきたのか!?」と題する講演でした。「挺対協を反日 団体だと思っている人たちがいる」からと、90年から始めた挺対協の活動の中身を話して いただこうということでした。

ミヒャンさんは、フェイスブックに日々の活動を詳しく報告しています。日本軍「慰安婦 」のハルモニと国連や欧州・アメリカなどで訴えを行ったり、週末に全国にいる被害者ハ ルモニを訪問したり、学生の集まりで講演したり、毎週の水曜デモを行ったりなどなど。 ハルモニが何を訴えどうだったかなど、写真を添えてわかりやすく書いています。休みも なく精力的に活動しているのに、「何をしてきたのか」というのは、とても失礼に思えま した。

ともあれ、ミヒャンさんの講演はさすがでした。25年の挺対協の活動を一気に2時間弱で 語ってくれました。挺対協は、1990年11月16日、日本軍「慰安婦」問題の解決をめざして 、韓国の37の女性団体で結成。運動の始まりは金学順さんと女性運動との出会いでした。 「日本政府は嘘をつくな。証人が生きている。謝罪せよ」と訴える金学順さんの姿に励ま され、多くの被害者たちが立ち上がりました。被害者たちが挺対協運動の主体となりまし た。

毎年2回の人権キャンプは、被害者同士、被害者と活動家間のコミュニケーションと 連帯の場でした。シェルターとして「平和のウリチプ(わが家)」を開設したり、全国の被害者を巡 回訪問したりなど、被害者への経済的、心理的支援活動を行ってきました。同時に韓国政 府の責任追 及を行い、政府レベルの真相調査、法的保護措置を要求してきました。また、国際社会と 出会い「戦時性暴力被害解決運動」と連帯しました。日本の女性たち、アジアの被害国の 女性たちと共に声を上げてきました。労働者と連帯し、ILOで日本軍性奴隷制に対する 責任履行を要求する勧告をひきだしました。アムネスティ等と連帯して、暴力に反対する 各国議会での決議など上げてきました。

しかし、解決できていません。何故か。ミヒャンさんは力を込めて訴えました。「日本軍 「慰安婦」被害者が一人でも多く生存している間に、被害者が望んできた要求が実現され 、解決することが必要です。70年もの間待っているのです。正義の解決をこれ以上遅らせ られません。被害者が何を求めているか、政府は知っています。「日本政府への提言」を 出しています。悩むことなく実現してほしい」と。

挺対協は、女性たちの戦場での体験、彼女たちの歴史を忘れず記憶することが重要だと、 2012年5月5日「戦争と女性の人権博物館」を開館しました。また2011年12月14日水曜デモ 1000回の日に駐韓日本大使館前の「平和路」に「平和の碑(少女像)」を建立しました。「平和の碑 」には、怒りの感情や侮辱といった感情を排し、「女性たちの歴史」「平和」「希望」「 連帯」「待ちわびる思い」が込められています。今や「平和の碑」建立は全国各地に広が り、地域共同体が「慰安婦」被害者の痛みに無関心で沈黙していた歳月を反省し、平和を つくるための地域活動として継承しています。また、安倍政権の戦争法に対する危機感、 朝鮮半島に平和をということで関心がもたれています。また「平和のウリチプ」にいるハ ルモニから の提案で、戦時性暴力被害者を支援する「ナビ基金」を行っています。 ミヒャンさんの話は尽きませんでした。

集会終了後、同じ場所で記者会見がもたれました。11月2日ソウルで行われた日韓首脳会 談で「交渉を加速させていく」ことなどが話されたことや、解決についてなど質問が出さ れました。ミヒャンさんは「被害者が要求する内容のある加速ならいいが、平和の碑の撤 去など条件をつけられたら前へ進めない。解決の態度ではない」「安倍首相の周辺の声だ けが世論ではない。被害者が望むことを理解すべき」「日本軍の施設として慰安所を設置 したことは、国内法・国際法に違反している。それは認めるべきだ。過ちを犯した側が、 それをどう認めるかは、再び加害を与えることを防ぐために必要なこと。過ちをあいまい にすることは問題がぶり返す。傷がそのまま残るようでは受け入れられない」など話しま した。

とにかく、日本政府は被害者が受け入れられる解決を行うべきです。日本軍「慰安婦」 問題解決全国行動では、日本政府に対する要請書を準備しています。多くの皆さんの協力 が必要です。一日も早い解決を望んでいます。


Created by staff01. Last modified on 2015-11-25 12:50:15 Copyright: Default

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