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LNJ Logo フィリピントヨタ労組からの質問へのOECD-NCPの回答
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フィリピントヨタ労組と支援する会は4月2日、OECDナショナル・コンタクトポイントの
外務省に面談し、申入れを行いました。そのOECD-NCPから3月30日付けで
フィリピントヨタ労組の質問への回答が来ました。日本政府の姿勢として非常に
重要な回答ですので、ご紹介いたします。
なお、本日の申入れにはフィリピン日産労組も同道しました。

フィリピントヨタ労組を支援する会

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TMPCWAからOECD-NCPへの質問(2007年3月9日付)に対する
OECD-NCPからの回答(2007年3月30日付)


(質問)あつかましいあるいはいやみな物言いと受け取られないことを念じますが、きわ
めて重要な質問から始めなければなりません。組合として認知してもらうためのTMPC
WAの闘いは長引いたものになっています。OECDナショナル・コンタクトポイントは
一層の緊急性をもって対処して頂くことは可能でしょうか。

(回答)日本のナショナル・コンタクトポイントは、この問題が出来るだけ早期に解決さ
れるべきであると期待しています。ナショナル・コンタクトポイントとして取ることが出
来る措置と行動には限界がありますが、関係当事者間の意思の疎通を図ることには進んで
寄与する用意がありますし、このことが本件の解決につながるであろうと考えています。
上記の事情を承知しながら、ナショナル・コンタクトポイントは、引き続き根気強く双方
から意見を聴取していきますし、事情が許すならば問題の解決のために仲介の役割を提供
していく用意があります。


(質問)OECDは、2006年6月以降2007年1月にいたる間に、我々の事件につ
いてなんらかの調査を行われたのでしょうか。なんらかの成果が得られたのかお聞かせ頂
けるでしょうか。

(回答)我々が承知している限りでは、OECDそのものは、これまで労使紛争における
個別の事件について調査をし、また関係者に面接して聴取をすることはしていません。
他方、日本のナショナル・コンタクトポイントとしてはトヨタと非公式の面談(複数)を
行ってきました。


(質問)2の質問の続きになりますが、我々の事件に対する貴方のこれまでの調査に係る
一切の関連文書のコピー、あるいはトヨタの違反に対する貴方の処置の最新情報を、提供
して頂けるでしょうか。

(回答)本件に関してこれまで我々が収集した文書は原則として一般公衆に公開すべきも
のとは想定されていません。来る4月2日に予定されている面談において、関連情報を貴
方にお知らせすることを幸せと考えています。


(質問)OECDナショナル・コンタクトポイントは、これまでにこの種の事件を扱った
経験をお持ちでしょうか。

(回答)これまでナショナル・コンタクトポイントに持ち込まれてきた事件のうち2件
が、OECD非加盟国で発生し、関係当事者が司法手続を取っているという点で、トヨタ
のケースと類似していると言えるでしょう。日本のナショナル・コンタクトポイントは、
それらの司法手続を注意深く見守り続けてきました。残念ながら、現在までのところ3件
の事件すべてが解決を見ていませんが、しかし我々は事情が許すならば交渉の仲介の役割
を提供することをも含めて、これらの問題の平和的解決を支援していく用意があります。


(質問)もしも企業がOECDの指針に違反した場合には、それに対してどのような制裁
が課されるのでしょうか。

(回答)OECDの多国籍企業指針は、多国籍企業に対して政府が発する責任ある企業行
動に関する「勧告」です。その実行は各企業の掌中に在ります。しかしながら、もしもO
ECD加盟国のある多国籍企業が指針に合致していないとみなされるならば、我々はその
企業は、自己の企業イメージと事業活動に大きなマイナスの影響を与える「社会的制裁」
(すなわち法的なものではないが、市民社会からの制裁)を受けるであろうと信じていま
す。

(質問)OECDは、あるフィリピン人課長のいかがわしい行為が一般人のビデオに写っ
ている、フィリピンでのトヨタの醜聞についてお聞きになっているでしょうか。

(回答)我々はこのご質問の中で言われている一般人のビデオとは何を指しているのかよ
く分かりませんが、しかしもしもそれが昨年4月にフィリピン・トヨタで発生した事件の
ことでしたら、プロテスト・トヨタ・キャンペーンからナショナル・コンタクトポイント
に送られてきた関連情報を、また公開の情報源から関連情報を入手しています。


(質問)また、アメリカ・トヨタでも現地企業の幹部に関係する事件が起こっています。
日本トヨタは関係幹部を馘首することによって即刻対処しました。OECDはこのことに
ついてどのように受け止めておられるでしょうか。トヨタはアメリカ・トヨタに関する問
題には直接対処するのに、フィリピンで起こっている問題にはそのようにしないのは、ど
ういうことなのでしょうか。

(回答)ご質問の中で言われているアメリカでの事件とは何を指すのかよく分かりませ
ん。もしもそれがアメリカ・トヨタでのセクシャル・ハラスメントのことでしたら、我々
はメディアを通じて関連情報を入手しています。しかし、我々はその事件に関しては一切
コメントする立場にありません。


(質問)フィリピン国会下院の労働委員会が公聴会において労働雇用省に対して行ったの
と同じ質問をしたいと思います。フィリピン・トヨタの中に2つの組合が存在する状況に
ついてどのようにお考えを持たれるでしょうか。
 1つは、労働雇用省によって唯一交渉団体として承認されながらトヨタが認知しないT
MPCWAであり、他方、もう1つの組合の方はこちらも唯一交渉団体として承認され、
しかもその正統性に関してフィリピンの裁判所に訴訟が係属中であるにもかかわらず、直
ちにトヨタから認知され、既に労働協約交渉を済ませているのです。

(回答)1つの企業に2つ以上の組合が存在すること自体は、特異なことであるとは思わ
れません。我々の理解するところでは、どちらの組合が唯一交渉団体であるべきかの決定
は、フィリピンの関連法律・規則に則ってなされなければならないということです。関係
当事者の間に正統な唯一交渉団体をめぐって意見の相違があり、フィリピンの裁判所に司
法手続が懸かっているということでしたら、日本のナショナル・コンタクトポイントとし
ては、この問題についていかなる判断もすべきでなく、またどちらの組合を選好するかと
いった意見を表明すべきではないでしょう。


(質問)我々の事件に関する状況全般を調査して頂くために、チームあるいは事実確認の
ための委員会をフィリピンに派遣して下さる用意がおありでしょうか。

(回答)在フィリピン日本大使館はこの事件について我々に十分な情報を送り続けてきて
います。フィリピンにチームを派遣することについては、その必要性の有無と利点につい
て、まず最初に我々が検討すべきでしょう。

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(質問)OECDナショナル・コンタクトポイントから、我々の事件に関するILOの勧
告を順守するようトヨタに促して頂くことは可能でしょうか。

(回答)我々の理解するところでは、ILO勧告はフィリピン・トヨタに対してではな
く、フィリピン政府に対して関連情報の提供を含む諸措置を講じることを要請しているも
のです。

以上


フィリピントヨタ労組を支援する会 


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