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佐々木です。

先にお伝えした、労働契約法に関する35人の労働法学者(呼びかけ人  角田邦重中央大学法学部教授)の声明を入手しましたので ご紹介します。

ここからーーーーーーーーー

<声明文>

禍根を残す就業規則変更法案の成文化
〜契約原理に反する労働条件変更法理の固定化は避けるべ きである

 現在、厚生労働省労働政策審議会労働条件部会において 労働時間法制および労働契約法の制定についての論議がな され、まもなくとりまとめがなされると聞いている。今回 の審議では、ホワイトカラー・エグゼンプションや解雇の 金銭解決等が社会の関心を呼んでいるが、労働契約法を整 備するうえでもっとも重要な論点といえる労働契約の変更 問題については、就業規則によって労働条件の変更を認め る法理が、大きな争点となることもなく条文化されようと している。

 使用者が一方的に作成する就業規則による労働条件変更 の条文化は、使用者による一方的な契約内容の形成を認め る法理を法的に肯定しようとするものである。確かに、合 理性の要件を前提として就業規則による労働条件変更に法 的拘束力を認めるというのが最高裁の判例法理ではある。 しかし、この判例法理は、労働契約関係における契約内容 調整のツールがなかったために採られた方式であり、その 理解の仕方についてもいまだに一致した見解を見出せない 状況にある。それゆえ、労働契約法の制定作業において何 よりも必要なことは、現時点においてそのような判例法理 を立法によって固定化することではなく、理論的・実務的 妥当性に耐えられる契約内容の変更法理とその手法につい て検討を深めることでなければならない。

 たとえ合理性の要件に制約されるといっても、使用者に よる一方的な労働条件の決定、すなわち、契約の一方当事 者による契約内容の変更を認める法理は、契約法としては きわめて特異であり、契約原理に悖るものといわざるを得 ない。就業規則と異なる特約がない限り、変更就業規則の 労働者への法的拘束力を法律で定めてしまうのは、契約法 理にそぐわないのみならず、報告書に提示されている変更 の合理性判断基準も、労働条件の性格の相違にいっさい配 慮することがなく、これまでの判例法理による慎重な利益衡量 に比較して効率的処理を優先させるだけのものになってい る。

 今日までの報告書の内容および労働政策審議会における 論議を見る限り、個別契約当事者間における契約変更方法 の検討のための努力や提言は期待できないだけでなく、就 業規則を用いた使用者の一方的変更方法だけが(しかも判 例法理とも異なるかたちで)成文化されようとしている。 これでは今後の労働法のひとつとなるべき労働契約法の発 展を歪め、契約原理に死を宣告する契約法になりかねない との危惧を抱かざるを得ない。将来に禍根を残さぬよう熟 慮、再考を促したい。
                2006年12月21日

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