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ここに、私の顔がある

[ワーカーズ]レインボー

ナヨン(地球地域行動ネットワーク) 2019.03.21 11:07

2月8日、韓国相談心理学会はいわゆる「転換治療」を試みたある相談員を永久除名措置したと発表した。 米国精神医学会が同性愛を精神疾患目録から削除したのは1973年、 世界保健機構が公式に削除したのが1990年なので、 韓国相談心理学会の今回の措置は極めて当然で、 すでにはるか前に確認しておくべき原則による決定だった。 いわゆる「転換治療」が非科学的、非倫理的な暴力に過ぎず、 これを医療行為や相談行為とは見られないという立場は引続き確認されてきた。 2018年、ヨーロッパ評議会は「転換治療」は無益で非常に有害なので、 会員国はこれを禁止しなければならないという声明書を発表した。 韓国相談心理学会も2018年に改正した相談心理士倫理綱領に、 性的指向、性自認による差別を禁止する内容を入れた。 この数年間「脱同性愛」を名分とするいわゆる「転換治療」が堂々と施行され、 性少数者の相当数が深刻な被害を味わっている現実で、 このような学会の動きと決定は心から歓迎できる知らせでもあった。 しかしこのニュースが伝えられてからわずか一週間後に学会は残念な内容の公示を上げた。 除名の理由が「転換治療」のためだけではなく、 今回の措置が「同性愛賛否論争」に対する立場表明ではないとあえて釈明したのだ。 なぜこうした釈明をしなければならなかったのか? この決定が持つ重さを果たして学会はどの程度認識しているのだろうか?

学会の決定が報道される3か月前の2018年11月8日には、 軍事高等法院が性少数者の女性軍人に数回性暴力を加えた海軍上官加害者二人に無罪を宣告した。 被害者は最初の任官教育の時から同性愛者といううわさにより、すでに苦しい経験をしており、 軍組織の特性上、性少数者に加えられる暴力や処罰、不利益に対して緊張状態にあり続けるしかなかった。 そのような被害者に対し 「男との経験がないからだ。男の経験を知らせる」という話をしながら強姦した加害者が無罪判決を受けたのだ。

加害者のこうした行動は、性少数者に強姦を通して性同一性を正すという名分で強行される、 いわゆる「矯正強姦」の典型的な言動だ。 しかしここで重く指摘すべきいくつかの点がある。

最初は、いわゆる「矯正強姦」を通じて正すという「矯正」の目的が、 実は被害者の性同一性にあるのではなく、 性別二分法、異性愛中心主義、性役割とセクシュアリティに関する規範と秩序を守ることにあるという点だ。 南アフリカ共和国での「矯正強姦」の事例はこの事実を凝縮的に見せる。 レズビアンだという事実があえて確認される必要もなく、 サッカーをするとか「女らしくない」行動をする女性、 部族共同体から離れて自分だけで生活する女性、 男性との性関係を拒否したり結婚をしない女性が矯正強姦の対象になるのだ。 1997年以後、男性の深刻な失業事態はこうした暴力を社会的に正当化するところに重要な影響を及ぼした。 そして白人女性よりも黒人女性にさらに多くの「矯正強姦」が強行された。 つまり「矯正強姦」の実際の原因は、被害者の性同一性にあるのではなかった。 この事件の場合も加害者の行為は、単に被害者個人に対する「矯正」を目的にするのではなく、 これを名分として軍内での階層と権力的位置を確認し、 被害者を手なづけるという考えを土台にして強行されたと見なければならない。

二番目に、この事件が軍で起きたことだという点が、 この「矯正強姦」の脈絡をさらに複雑にする。 軍は男性中心の位階秩序を維持するために男性性と男性セクシュアリティを強く統制する集団だ。 「軍は最も男性的な集団」という前提の下で、権力による性暴力は同性間や異性間を問わず黙認されるが、 同性愛者の軍人は処罰して、ここでまた女性同性愛者の軍人は非表面化される。 こうした組織において加害者は被害者のセクシュアリティを徹底して無視し、 自分の男性性を誇示しながら確認する方便として威力を利用した性暴力を行った。 いわゆる「矯正強姦」に該当する行為をしたが、 裁判で加害者が被害者の性的指向を矯正するという名分を打ち出さなかったのは、 女性の性少数者の被害者のセクシュアリティ自体をきちんと認識したり認たりしない こうした軍の脈絡から読みださなければならないのだ。

「矯正強姦」は「転換治療」の名分が持つ暴力性が社会的に正当化される時に行われる極端な結果だ。 ここには性少数者嫌悪だけでなく、女性嫌悪と階級、人種など多様な条件が動員され、交差する。 すでに韓国相談心理学会が「転換治療」の深刻性を認知していたとすれば弁解する必要もなく、 これが個人に対する暴力だけでなく、結果として非常に深刻な社会的暴力であることを明確に確認し、原則を堅持することを望む理由だ。

ゲイでありチリの詩人で、正面から政府と闘った活動家のペドロ・レメベル(Pedro Lemebel)は 1986年9月、サンティアゴで開かれた左派政治行動集会で、 左派組織と行動展望でも性少数者に対する嫌悪が存在すると批判して、このように宣言した。

「ここに、私の顔がある。 私は違いを語り 私が誰なのかを擁護する 私はそんなにおかしな存在ではない。」

〈宣言:私の違いを語る〉[ワーカーズ52号]

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2019-03-14 20:38:12 / Last modified on 2019-03-22 22:08:57 Copyright: Default

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