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進歩ネット20周年...ビッグブラザーに対抗する「技術活動家」の話

[ワーカーズ]進歩ネット ファン・ギュマン活動家インタビュー

キム・ハンジュ記者 2019.03.18 10:48

進歩ネットワークセンター(進歩ネット)が今年で20周年をむかえた。 これまで進歩ネットは社会運動の強固なしんばり棒だった。 進歩ネットは現在、260以上の団体のサーバーを運営している。 進歩メールシステムを構築して運動陣営の情報保護の先頭にも立った。 韓国社会に「プライバシー権」の概念を初めて導入し、 情報人権運動を繰り広げた。 セウォル号惨事、双竜自動車整理解雇、龍山惨事などの社会運動にも 技術的支援で連帯してきた。

進歩ネットの活動家の中に「20年間退勤できない活動家」として記憶される人物がいる。 20年間、進歩ネットに青春と技術を捧げてきたファン・ギュマン活動家だ。 彼は大規模ストライキなどの社会的事件が起きると、長い夜を目を開いたまま明かし、 進歩ネットのサーバー室を寝室にして仮眠をしたりした。 「ワーカーズ」は情報人権運動の先駆者で、 サーバーに魂を奪われたファン・ギュマン活動家と会い、 進歩ネットのこれまでの20年と今後の計画を尋ねた。

▲ファン・ギュマン活動家[出処:キム・ハンジュ記者]

進歩ネット技術チームで20年歳月を共にした。青春が消えた(?)所感はどうか?

悲しくて空しい。 長い間一つの団体に身を置いて、多くの挑戦と実験をしたが、 思い通りになったことは殆どないようだ。 特に現在、進歩ネットの未来資源を作ることができていない。 とにかく過去は終わった。 新しい時期に合った進歩ネットの新しい課題を悩んでいる。

「天才」だといううわさがある。政府や企業がスカウトしようとしたといううわさも聞いた。事実か?

直接私がスカウトされたことはない。 2002年の発電労組ストライキの時に警察のサイバー捜査隊が進歩ネットを押収捜索したことがある。 その時にサイバー捜査隊の捜査員が一緒に仕事をしようといたずらっぽく提案したことはあった。 できたばかりのサイバー捜査隊に技術と人員が必要な時なので軽くやりとりした話だった。 その時も今も、私は就職したいと思わない。 やりたいことをやって生きたい。 当時、進歩ネットは進歩的な代案インターネットのポータルを構築するという目標があり、 一緒に実現したかった。 その時の責任感が今まで進歩ネット活動を続けさせた。

進歩ネットは「隠れた功労者」といわれる。こうした話が出てくる理由は何だと思うか?

何か事件や問題が起きた時、緊急にサイトを作らなければならない場合がある。 龍山惨事の時がそうだった。 外注業者に任せると、すぐに企画と時間、そして金が足りない。 そんな時、唯一助けを乞える団体が進歩ネットだ。 進歩ネットはひとまず世論と組織が必要だと判断すれば、前後を問わずに支援した。 現在、進歩ネットは最低260以上の団体にサーバーを支援している。 サーバーは高い消耗品だ。 5年周期で交換しなければならない。 そんな部分が一番大変だ。 最近も600万ウォンのサーバー5台を購入して、古い装備とを交換した。

国家情報院と警察は進歩ネットのサーバーを虎視耽々と狙っている。何度も押しかけられた。どんな圧迫を受けているか?

サーバーの押収捜索は1年に何度もある。 多くの労組、団体サーバーとメールシステムを管理しているためだ。 国家情報院は国家保安法を口実に進歩ネットに押しかけたりもする。 警察は労働者のストライキのたびに押収捜索令状を持ってやってきた。 特に朴槿恵(パク・クネ)政権が全教組を弾圧する過程で、強力な押収捜索があった。 それで全教組関連団体だった進歩教育研究所のサーバーを海外に出した。 労組の組合員情報のようなものは必ず守らなければならないからだ。 事実、無力な進歩ネットがこれを防ぐ方法はない。 それで多くの人が共に戦ってくれた。 一般的には令状が入ってくると、令状に書かれた通りにデータを選別して、別に作ってやる。 捜査機関が直接サーバーに手をつけられないようにすることが一番重要だ。

パソコン通信の時期、運動陣営のコミュニティは進歩ネットを中心に発展した。だが現在は進歩ネットのサービスを利用する人は多くない。進歩ネットの興亡盛衰が気になる。

進歩ネットが一番先にした作業は、 ナウヌリ、千里眼にあった大衆組織のパソコン通信ユーザーと情報を 独自のBBSだった「チャムセサン」に持ってくることだった。 1997年〜1999年には大衆運動が活発だったため、資源が組織されていた。 当時は私たちの技術も悪くなかった。 組織と資源、技術を基盤としてチャムセサンはユーザーを着実に伸ばした。 そしてCUG(閉鎖型利用者グループ)の時代が終わり、インターネット時代が開かれた。 私たちも流れによって進歩ネットでウェブ基盤サービスを進めたが、限界が来た。 情報技術は多くの人員と資源を必要とする資本集約的な産業に進化したのだ。 そのため多くのサービスが巨大資本に統廃合された。 金ではなく運動を支援するわれわれは、当然資本力の面で押されるほかはなかった。

2005年に民衆言論チャムセサンが進歩ネットから独立した。気が楽になったか?

進歩ネットの立場としてはメディアのチャムセサン独立はとても気が楽になった。 チャムセサンの独立でメディア運動の新しい地形を開いたためだ。 チャムセサンは各種の民衆大会、狂牛病キャンドル集会をインターネット生中継や速報映像で提供した。 主流メディアが現場をフィルタリングして報道したとすれば、 チャムセサンは現場そのものを見せた。 メディア運動において進歩的な価値を確認させたと思う。 草創期の進歩ネットはインターネットでできるすべての主題を抱えていた。 チャムセサンのように特定の運動のテーマをインキュベーティングすることもわれわれの役割だったと考える。 現在のチャムセサンのように、IPLEFT、情報人権研究所が進歩ネットから独立して活動している。

進歩ネットは指紋押捺反対運動にも先頭に立った。だが現在の個人情報のデータ化は生体認識まで発展した。技術の発展による情報人権はどんな危険に直面しているのか?

国家機構はすべての国民の情報を持とうとする。 国家が個人情報を管理し始めたのは近代以後だ。 IT技術が本格化した後には個人情報もデジタル化され、 紅彩、DNAまでその対象が広がった。 技術を利用して労働者を統制しようとする企業の要求も共に作用した。 特にDNA採取はさらに危険だ。 指紋は私一人だけの情報でしかないが、遺伝子情報は遠い親戚まで含む情報だ。 捜査機関が実刑を受けない者にもDNA試料を採取しようとしている理由がそれだ。 進歩ネットは国家が国民を統制する手段として個人情報を使うことに反対する。 こうした理由で進歩ネットは過去に電子住民カードの施行を防いだことがある。

進歩ネットで重要だと考えていた事業なのに、成功しなかったものもあるか?

進歩ネットの初期事業だった進歩的な代案ポータル構築だ。 代案ポータルの上でKPD(Kora Progressive Directory)を設定していた。 過去にヤフーがやっていたインデックス事業からアイデアを得た。 ヤフーはニュースを政治、社会、文化などのカテゴリーで情報を伝えるインデックス事業をしたが、 われわれは労働、政治、国際といったカテゴリーで進歩陣営の情報を一か所に集めようとした。 各カテゴリーに入って、該当情報とニュースを扱うサイトにリンクする方式だ。 KPDのメインサービスとコミュニティ サービス(進歩共同体、ブログ)、 検索エンジンの3種類を進歩ポータルで具現させようとした。 しかし検索エンジンの費用をうまくまかなえずに失敗した。 検索エンジンを買ってくるためには2000年代初期は、当時何千万ウォンも必要だった。

政治側ではCCTV拡大阻止運動がある。 進歩ネットの痛い指の一つだ。 「人権」と「犯罪予防」という問題は相反していた。 例えば保育園の暴行事件がCCTVを通じて明らかになり続けたが、 監視と統制、人権の問題で「CCTV設置反対」を叫べば非難を受ける。 SNI遮断問題で性犯罪の処罰と相反しているのも同じだ。 現在の進歩ネットの最大の悩みでもある。 いつからかITが監視や統制の最前線にある環境になった。 事実、非難されても言うべきことは言わなければならなかったが、それができなかった。 片方の立場が真理でなければならないという強迫観念はないが、 非難されてもある程度、立場を貫徹することが運動の発展だと考える。

デジタル時代の中心の若い世代はどの程度大きな危険に露出しているのか?

FaceBookは個人情報の化身だ。 私の情報だけでなく、友人の友人まで続くネットワークで、 広告、マーケティング市場を作る。 そのようにして積みあげたデータがAIの出現を作り出した。 私たちが熱心にスマートフォンをして個人情報を売り、恐竜IT資本を作ったのだ。 スマートフォンを操作しながらなにげなくわれわれは「同意」欄をチェックする。 そうして収集された情報は、また私たちを監視する。 個人情報の規制装置や市民社会牽制が不足している中国の監視技術は世界最高だ。 中国ではCCTVで顔を認識して個人を識別できるほどだ。

若い層は個人情報が貨幣化される事実を知っていていも、 便宜ためにスマートフォンを手放すことができない。 ここでわれわれは情報価値の再分配を語らなければならない。 個人はスマートフォンで消費もして、同時に新しい価値も生産する。 その価値は私たちに戻ってくるのではなく企業が独占する。 われわれの個人情報と生産活動によって生み出された価値をいかに再分配するのかが、 これから討論されなければならない。

▲2019年2月22日、進歩ネットワークセンターが20周年をむかえて、ソウルの南山文学蟻家で「20周年パーティー」を開いた。この日、オ・ビョンイル活動家が進歩ネットワークセンター新代表に就任した。[出処:キム・ハンジュ記者]

誰よりも技術をうまく活用する若い層を進歩政治に誘引する点はないだろうか?

米国ではグリーンピースが実験的なプロジェクトで若い開発者を環境運動に大挙引き込んだ事例がある。 基金で予算を支援しながら、多くの人々が若い開発者として参加した。 彼らが集まって多様なアイデアで活動を続け、当事者のキャリアにも役に立った。 こうした社会運動の好循環構造と経験は大変重要だ。 2008年の金融危機以後、2010年に「Occupy Wall Street(ウォール街占領デモ)」が行われた時、 多くの開発者がボランティア活動家として参加して革新的な実験を作り出した。 しかし韓国はこうしたプロジェクトには簡単に金が入ってこない。 若い層もまた社会の構造上、自由に活動できない部分がある。

だから韓国は米国のように新しい実験やプロジェクトをするよりも、 新しく登場した技術を先行獲得するほうが役に立つ。 これができないことが現在の運動の問題でもある。 進歩ネットも私たちだけのプラットホーム、技術サービスを作り出そうとしたが、 すべて失敗した。しかしツイッターをまっ先に活用した希望バスは、 一般市民、特に若い層を組織することができた。 若い層の社会認識を変えるために、技術プラットホームが一助になったわけだ。 新しい技術をいちはやく確認して挑戦することで、若い政治を率いることができる。

技術情報通信手段の所有と統制の問題をどう解決するべきか?

まずこれを「問題」だと考える社会にならなければならない。 事実、韓国はプライバシー権が導入されてからいくらも経たない。 進歩ネットが初めて概念を持ち込むのに一助となった。 そのためか、韓国社会は個人情報に敏感に反応しない。 ここで悪化すれば個人の保健医療情報までもが侵害されかねない。 保健医療は致命的な私生活情報だ。 就職や日常生活に大きな支障が生まれる。 だから個人情報に対する統制権を個人が持っていなければならない。 今は自分の個人情報がどこに流れているのか確認する方法がない。 自分が知らないうちに売買される個人情報を確認しなければならない。 そして削除を要請しなければならない。 そうすることで無分別な収集、活用に対し、われわれは少しなりとも抵抗することができる。

今後のメディア環境で進歩ネットと社会運動が進むべき方向は?

メディアはこれから映像が独占するだろう。 今の10代、20代はGoogleよりもまずYouTubeを先に検索する。 YouTubeでキムチチゲを煮る方法を検索すれば、映像をきちんと見られる。 映像によって、はるかに早く内容を習得できる。 もちろん新しい技術が登場してプラットホームが独占化される過程では、副作用があるだろう。 インターネット草創期部の場所に「自殺サイト」や「わいせつ物」が蔓延し、 YouTubeは今「フェイク・ニュース」の工場になった。 しかしわれわれは新しいメディアが出現した時に、無条件に規制しなければならないとは言わない。 むしろこれを闘争の武器として先行獲得しなければと考える。 新しい技術の上に代案的なコンテンツを設けて、 若い層に多様な観点を提供しなければならない。 チャムセサンが過去にインターネットを活用し、 2002年の大宇自動車整理解雇反対闘争の時に警察の暴力鎮圧を暴露したのと同じだ。 新しい技術は闘争の武器になることができる。 技術を武器として社会の変化に活用するほうが価値あるのではないのか。

進歩ネットもYouTubeを通じて大衆との接点を伸ばす計画だ。 主張だけを込めたコンテンツではなく、 「世の中にはこんこともあるんだな」と思うような おもしろいコンテンツを作りたい。 またデータ統制権を力点に置いた情報人権運動を展開したい。 同時に国家が市民を統制する手段としてIT技術を使わないように監視する役割を続けていく予定だ。 進歩ネットのさらなる20年を期待してほしい。[ワーカーズ52号]

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2019-03-14 20:38:12 / Last modified on 2019-03-21 17:42:36 Copyright: Default

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