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朝鮮半島平和? 戦争支援国の武器隊長文在寅

[ワーカーズ・イシュー(3)]国際女性デー特集(1)イエメン内戦とエジプト独裁支援する文在寅政府...主な被害者は女性

チョン・ウニ記者 2019.03.06 17:13

[編集者の言葉]韓国にいる難民の数は約4万人だ。 このうち約20%女性だが、彼女らの話はなかなか注目されない。 昨年、難民対国民、または難民対女性の構図で論争になった当時もそうだった。 国際女性デーを契機として韓国の難民女性の条件を調べる。

[イシュー順序]

(1) サッドエンドで終わった難民女性の韓国結婚生活

(2) 女性難民、戦争と暴力に追われて、大韓民国にきたが

(3) 朝鮮半島の平和? 戦争支援国の武器隊長、文在寅

難民は、暇だから大陸を渡ってきたわけではないのは常識だ。 誰かは戦争と内戦で、誰かは政治活動により、もう故国で暮らす方法がなくなって追われてきたのだ。 しかしなぜ私たちが難民を支援するのかについては意見が分かれる。 オンラインでは異郷万里の外国で起きたことに出しゃばる必要はないと詰問するコメントがあふれる。 しかし果たしてわれわれは本当に責任がないのだろうか。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領には、 常に「人」や「平和」、あるいは「フェミニスト」といった修飾語がつけられる。 だから「戦争」のようなものすごい言葉とはかなり遠い人であるようだ。 ところがなんと。 文在寅大統領こそ武器輸出隊長で戦争屋というに値する。 常軌を逸してる? そうだろうか、一度確かめてみよう。

国防費が国力?

まず国内の国防費からして格別だ。 文在寅政府が初めて編成した2018年の国防予算は43兆1177億ウォンで、 9年ぶりに最大幅(6.9%)で増加した。 今年は8.2%(46兆6971億ウォン)さらに増えた。

しかも一番増加が大きい項目は、武器体系の購買・開発予算の 防衛力改善費で13.7%(15兆3733億ウォン)も増えた。 政府は今後もこれを毎年7.5%ずつ増やす予定だが、 この10年間の国防予算の年平均増加率(4.9%)より2.6%も高い。

駐韓米軍予算もぞろぞろと上がった。 2月10日、韓米両国政府は8.2%上げられた1兆389億ウォン規模の防衛費分担金協定に仮署名した。 しかも交渉期間を年間に変えたため、今後もトランプ米国政府が防衛費受益者負担をあげて頑張れば、 今回のようにもっと支払わなければならない。

文在寅政府は海外派兵でも歴代政府にひけをとらない。 共に民主党は昨年12月、政府のUAEアーク部隊派兵案をまた通過させた。 2010年、李明博政権の時にハンナラ党がかっぱらいで通過させたこの派兵案に強く反対した姿とは全く違う。 文在寅政府の海外派兵規模全体も、以前の政府と違わない。 2018年11月基準、政府は合計12か国に1095人を派兵している(UAEアーク部隊149人、 南スーダン ハンビット部隊280人)。

武器輸出と紛争国支援

だが文在寅政府がさらに欲を出すのは武器輸出支援だ。 文政府は100大国政課題のうち88番に 「防衛産業不正清算と4次産業革命時代にふさわしい防衛産業育成」を掲げたが、 例えば昨年11月、防衛事業庁に防衛産業輸出振興センターを開所させるなど、 内需中心の防衛産業を開放的・輸出主導型産業に転換すると意欲を示している。

政府は一方には紛争国家との協力も強化している。 特に政府は国際社会でも一番議論が大きい紛争国と手を握った。 2017年9月、サウジアラビアと国際防衛産業協力協定を締結する一方、 2018年11月にはエジプトと国防協力協定を締結した。

サウジアラビアは2015年3月に始まったイエメン内戦を主導する「中東のならず者」として有名だ。 死亡者だけで7〜8万人、飢餓により死亡した5歳未満の幼児は9万人、 そして300万人を難民にした今世紀最悪の内戦支援国だ。 こうしたイエメン出身の「奴隷」の数は世界3位で、その多くが女性だ。 エジプトではクーデターで執権したシシ政府の独裁が深刻だ。 国際人権団体ヒューマンライツウォッチによれば、 この5年間で当局が逮捕したり起訴した人は約6万人にのぼる(2018年2月基準)。

そのため国内外の平和活動家たちは、韓国政府がこれらの内戦支援国や独裁政府に対する武器輸出と軍事協力を止めろと主張してきた。 戦争ない世の中のツヤ活動家は 「代表的な事例として、韓国のアーク部隊はイエメン内戦に参戦するUAE特殊戦部隊教育訓練を担当してきた」とし 「これは憲法が明示する国際平和維持の原則にも反しており、 地域覇権の対立にかかわる可能性が高い」と警告する。 また「最近2〜3年間、インターネットでイエメンなど、 中東のさまざまな紛争地域と内戦地域で韓国の武器が使われた写真と動画が発見された」とし 「政府はイエメン難民を人道主義的観点からだめ見るのではなく、 『責任者』としての観点を持たなければならない」と明らかにした。

武器輸出は10倍以上増加...防衛産業業者の社内留保金は数兆ウォン

すでに韓国武器輸出は世界12位を記録しているだけでなく、売り上げも大幅に増加している。 2018年2月基準、この10年間の防衛産業の売り上げは3倍、輸出は10倍以上増加し、 輸出品目も弾薬などの在来式の兵器から航空機など先端兵器システムへと高度化している。 スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によれば、 2013〜2017年の韓国の武器輸出規模は2008〜2012年より何と65%も増加し、 増加率は世界最高水準だった。

事実、こうした防衛産業輸出は韓国全体産業の大きなパイを形成している。 産業研究院によれば、2016年を基準として防衛産業は産業全体で13.6%を占めた。 そのうち(株)ハンファのような大企業が全防衛産業輸出の93.3%を占めている。 特に文在寅政府の防衛産業支援に力づけられて、(株)ハンファの2017年の当期純利益は1603億4000万ウォンと、前年比51%上昇した。

一方、社会変革労働党によれば、 財界の社内留保金保有8位のハンファ・グループが22兆4291億ウォン(2018年3月末基準)を積み上げており、 ハンファが支配株式の32.4%を所有するハンファエアロスペースの社内留保金だけで1兆4000億ウォンにのぼる(2017年基準)。 2月14日に何か月ぶりにまた爆発事故が発生して労働者3人が死亡したのも ハンファ大田工場であった。 政府は予算と支援基盤を増やし、防衛産業業者を積極的に支援しながら、 労働者の安全監督はいい加減で、惨事が繰り返されたという批判を受けている。

▲ナンシー・カマル氏が2月20日エジプト当局の青少年活動家の死刑計画を批判するメッセージを書いて知らせている。

エジプト女性革命活動家、「韓国の女性と連帯したい」

ナンシー・カマル氏インタビュー …「一度夢を見たら止められません」

毎日午前1時、彼らはタバコを吸いながら殴打し始めた。 椅子を打ち下ろす音、悲鳴が聞こえた。 殴打は普通明け方の4時まで続いた。 政治犯たちは「メガネ」と呼ばれる穴から殴打の場面を見た。 見ないようにしても仕方なかった。 刑務官は一般の犯罪者を殴って、彼らに恐怖心を誘発させた。 時には羞恥心で屈服させようともした。

警察がエジプトの法廷で、手錠をかけられたナンシー・カマル氏に近付こうとする娘を制止しながら言った言葉もそれと似ている。 「あの女は君のお母さんではなく娼女だ。 シシに反対する女はみんな娼女だ」。 今から2年前、カマル氏が不法団体結成の容疑で裁判を受けた時だった。 その裁判で彼女は2年の刑を受けた。 彼女は結局昨年3月、韓国に亡命した。 他の政治犯のように収監中の拷問に耐えられたのか、または失踪するのか分からなかった。 しかもこの裁判の他にもエジプト政府はカマル氏に対してさらに五種類の容疑を問うていた。

カマル氏は2011年にエジプト革命が始まると、革命を記録した。 街頭デモに参加して多様なインターネットニュースに寄稿した。 独立ジャーナリストとして、これまで多くの人々が死んで拘束され、失踪した理由を報道した。 そんなカマル氏がもう頑張ることができなくなったのは、 革命から5年経った2016年だった。 エジプト政府がサウジアラビアに領土売却を試みたことに 反対デモを組織して拘束されるといったことを繰り返した。

カマル氏は大陸を渡って、韓国にきたが、 エジプト難民と共にエジプト革命活動家(ERA)というグループを組織するなど、 シシ独裁に反対する政治活動を続けている。 このグループは全世界の亡命エジプト人がエジプトの民主主義のために自主的に組織した最初グループでもある。 そのために米国や世界もこの活動を注目している。 そんなカマル氏に「ワーカーズ」が会った。

あなたは活動は韓国でも続いている

韓国に旅行にきたのなら良かったが、そうではない。 エジプトの政治状況と私の活動のために、来るしかなかった。 私の焦点はたった一つだ。韓国の人々に真実を知らせることだ。 ウィキペディアの韓国語ページを見たが、 シシが偉大な人であるかのように記されていた。 しかし彼は殺人者だ。 毎週、グループの同僚と会ってエジプトの状況について議論している。 集会やデモもして参加する。 英文の月刊ニュースレターを作り、人権団体にEメールで送っている。 最近ではエジプト革命の初期から現在までの状況をドキュメンタリーにした。

韓国政府に対してはどう思うか

私は文在寅大統領がエジプトに多くの武器と資金支援をしている事実を喚起したい。 これは殺人者を支援することだ。 われわれはこのような武器販売がどれくらい悪いことなのかを知らなければならない。 中東にはシシのような独裁者は多い。 こうした独裁者たちが難民を作る。 私もまたこうした連中のおかげで監獄に行き、難民になった。 これを解決しなければ難民事態も解決できない。 国会にも訴えたい。 国会は難民法を改悪するのではなく、 なぜ文在寅政府がシシ独裁政府を支援するのか追及しなければならない。

生計はどうしているのか

6歳と12歳の子供がいる。 二番目の子供は幸い保育園の費用の後援を受けている。 その他に、生計はエジプトの家族が送ってくれるお金で充当している。 子供たちを預ける所がなくて仕事を見つけるのが難しい。

命がけの革命に参加するのは容易ではなかったようだ

よくわからない。 夢を見始めれば途中でやめるのは不可能なようだ。 多くの同僚が死んで苦難に会う姿を見て、活動を続けるようになった。 いつかはシシが退陣して本国に帰れることを希望する。 社会的弱者として、私は韓国の女性たちと難民の人権とエジプトの独裁に対抗する活動に連帯できることを希望する。

[ワーカーズ52号]

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2019-03-11 22:07:19 / Last modified on 2019-03-11 22:16:00 Copyright: Default

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