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双子の黒字国、国民の悲哀

[ワーカーズ] 99%の経済

ホン・ソンマン(チャムセサン研究所) 2019.02.18 12:18

シン・ジェミン前企画財政部事務官が青瓦台が赤字国債の発行を圧迫したと暴露して、 新年早々騒々しかった。 2017年末に税収が15兆ウォンも超過すると予想されたが 青瓦台は朴槿恵(パク・クネ)政権と重なる2017年度の国家負債の割合をさらに少なく(!)するために、 追加で赤字国債の発行を圧迫したという。 他の見方をすれば幸せな悩みだ。 政府が余った税金を使うのか、 国債を発行して返すのかを悩む状況だからだ。 前号で政府の黒字財政問題について話した。 ところで財政黒字は文在寅(ムン・ジェイン)政府の時だけではない。 韓国の財政収支は2008年の世界大恐慌の余波の真っ最中だった2009年度を除き、 それ以後一度も赤字だったことはなかった。 OECD国家の中でも、産油国でありエネルギー産業がすべて国営であるノルウェーを除けば唯一だ。 この20余年間、2003年と2009年を除けば毎年政府予算が余った。 [1]

外国との輸出入を代表する経常収支も同じだ。 96〜97年の外国為替危機以後、1998年から現在までずっと経常収支黒字を記録している。 輸入より輸出が多く、国内に金が残ったということだ。 言わば、2010年以後、韓国はノルウェーとともに財政収支と経常収支がすべて黒字の国だ。 2016年以後、最近3年間に双子の黒字を続けている国も、 ドイツ、オランダ、スウェーデン、スイス、ノルウェー、韓国だけだ。 韓国は指折り数えられる双子の黒字国だ。

そればかりか、シン・ジェミンの議論のように国家負債を意図的に上げるために追加で国債を発行しても大きな影響がないほど (これを政務的判断の領域に置ける程に)国家負債の水準も低い。 昨年末に企画財政部が発表した国家負債の割合を見ると、 2017年末基準GDP対比一般政府負債の割合は42.5%、 公共部門負債割合は60.4%を記録した。 米国の135.7%や日本の233.2%はもちろん、スウェーデンの55.5%よりも良い。 一般政府負債の割合はOECD(経済協力開発機構) 29か国の中で8番目に低い。 一部では中国の成長動力がなくなっているのに、中国だけをながめていずに、 双子の黒字国であるドイツ、オランダ、韓国のような財政余力が十分な国家でさらに金を緩和して世界景気を生かせという注文まで出てきている。 [2]

経済状況、今が最高

財政黒字に貿易も黒字なのに体感景気は良くない。 特に雇用状況は最悪というほど良くない。 統計庁が去る1月9日に発表した「12月および年間雇用動向」によれば、 2018年の就業者は2682万2000人で、前年比9万7000人の増加に終わった。 2009年の8万7000人減少以後、9年ぶりの最低値であった。 双子の黒字国で暮らす国民は大変なことこの上ない。

政府がそれほど声を高めて所得主導成長を叫んだのに、所得は増えなかった。 昨年3分期、全国2人以上の世帯の月平均処分可能所得は368万3000ウォンで、 前年同分期の367万4000ウォンより9000ウォン(0.3%)の増加に終わった。 物価上昇率を考慮した実質処分可能所得は4万7000ウォン(-1.3%)減少した。 処分可能所得の縮小には雪だるまのように大きくなった家計負債の問題がある。 処分可能所得が縮小した主な理由は、 税金や銀行利子のように固定的に出て行く非消費支出も大きく増加したためだが、 利子費用だけで30%以上増加した。 大部分の家計と自営業者は借金に苦しんでいる。

一つ確認しなければならない事実は、韓国経済で今のような長期間の双子黒字は続かないことという点だ。 結局、雇用と体感景気は経済構造が変わらなければ今が最高水準だと語っている。 これからの世界経済はさらに鈍化して、1〜2年以内に景気後退(recession)がくるだろうという展望が支配的だ。 その中で財閥主導の輸出に依存している韓国経済の沈滞は、 さらに大きくて深いものと予想される。 では雇用は今よりも良くなるはずがない。 さまざまな業種で構造調整と産業転換が起きて、雇用状況が悪化するのは自明だ。 自営業が失業人口の一部分を吸収したが、 今はそれさえ過剰状態に入っており、自営業の構造調整を経ている。 家計所得も経済の悪化により家計負債がさらに増えるか (非消費支出が増えて、可処分所得が減り)、 構造調整と景気低迷で失業や賃金低下を味わい、 住宅価格の暴落による家計破産などで生活の苦痛と共に縮小するしかない。

時間が経ち、景気が回復しても、雇用は上手くいけば現在の水準を維持するか、 はるかに下回るだろう。 経済危機の状況で、労働力の機械代替がさらに広範囲に起き、 これにより資本が利益率を回復して、また景気循環を再開するという点を確認すれば、 現在の経済構造の下での雇用問題は事実上、答がない状態に陥った。

財閥だけ生き残る

今のような過剰負債の状況で、所得主導で一部の借金は返せるかも知れないが、 成長することはできない。 革新成長だと言われる4次産業革命、AI、電気自動車、ドローン、バイオ、ビッグデータなどで起きる広範囲な産業転換が、 今の製造業構造をどのように変えるとしても、 雇用はサービス業中心に発生することになる。 その上、新しく生まれる雇用は現在の中間層雇用を攻略し、 賃金構造を二極化してほとんどが低賃金の雇用をさらに拡大させており、 賃金水準も下がる展望だ。 [3]

また、このままでは財閥独占構造がさらに強化されることはあっても弱まることはない。 韓国銀行によれば昨年3分期の大企業の営業利益率は8.39%で、 1年前より0.51%ポイント上昇した。 特に財閥中心の100大上場企業の営業利益率は2015年に8.18%、 2016年に8.43%、2017年に8.91%、2018年には9.27%(予想)と上がり続けている。 しかし中小企業の営業利益率は4.13%で1年前よりも2.48%ポイント下がり、 史上最低値を記録した。

危機の中で生き残る企業はやはり財閥大企業や財閥になる企業だ。 4次産業革命、革新成長でスタートアップに対する希望混じりの叫びが広がっているが、 4次産業革命を主導しているのも財閥企業だ。 たとえ針の穴を通ったラクダのように1、2社のスタートアップが成功したとしても、 財閥大企業が彼らを吸収する。 そうではなく、独自に生き残っても、その企業が市場をまた独占する。 独占はもうひとつの独占で再編されるだけで、簡単に解消することはない。 収益性だけを追う財閥私企業は、これ以上雇用を拡大することもできず、 自社株消却のような大株主の金祭りに没頭している。 企財部が昨年11月に発行した財政政策報告書によれば、 輸出の雇用誘発効果は2014年基準10億ウォン当り8.1人で、 消費(内需)の雇用誘発効果15.2人と較べれば半分水準に過ぎない。 韓国の300人以上企業の雇用の割合は19%でOECD平均(42%)の半分にも達しない。

ターニングポイント、2019年

世界経済は沈滞に向かっており、景気の鈍化は明らかに見える。 その上、双子の黒字が可能なのは今年だけだ。 残る財政、経常収支黒字による余裕資金を一回だけ景気浮揚や土建事業に使うのではなく、 経済の体質と構造を変えることに使わなければならない。 国家財政法と国会で政治的議論の限界、文在寅(ムン・ジェイン)政府の政策意志など、 財政執行の基調を変えるための決定的な問題はあるが、 国民が望む経済危機の状況ではこれを変えられる。 1年以内に政策基調を完全に変えるのは難しいが、 少なくとも転換からでも始めなければならない。[ワーカーズ51号]

[脚注]
[1] https://data.oecd.org/gga/general-government-deficit.htm#indicator-chart
[2] https://www.cfr.org/blog/time-china-germany-netherlands-and-korea-step
[3] https://www.aeaweb.org/webcasts/2019/aea-ely-lecture-work-of-the-pas

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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