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殷秀美市長も腕まくりした「医療観光」とは?

[ワーカーズ・イシュー(1)]乱立する医療観光機関

キム・ハンジュ、ユン・ジヨン記者 2019.02.08 08:19

殷秀美(ウン・スミ)城南市長の就任から二か月ほどになった昨年9月。 城南市庁舎の内外でかなり節度ある行事が行なわれた。 120以上のブースが設置され、開幕式イベントや展示会、体験館、昼食などの イベントが続いた。 2日間続いたその日のイベントの名称は 「2018城南市国際医療観光コンベンション」だった。 殷秀美市長は開幕式演説で 「城南市がどこよりも医療の先端基地としての役割になる」と強調した。 城南市は今年9月にも同じイベントを開く予定だ。 3日間の今回のイベントは約6億ウォンの予算が策定された。 城南市は国際医療観光コンベンションが城南市医療観光産業の発展の場になると見通している。

▲2018城南市国際医療観光コンベンション開幕式[出処:城南市]

医療観光、『医療営利化』の迂迴路

殷市長は就任後、医療観光事業を特に手厚く扱っている。 昨年10月、就任100日記者会見で 「国際医療観光コンベンションを基礎地方自治体で初めて9月に開催した。 これから管内協力医療機関と共にロシア、カザフスタンなどを回り、 特に重症疾患者医療観光客誘致に力を入れる予定」と明らかにした。 昨年11月には城南市が台湾の宜蘭県を訪問して医療観光広報センターを開所し、 説明会を開催するなど、医療観光マーケティング活動をした。 モンゴルや中国、清道に続いて城南市が海外に設置した三つ目の医療観光広報センターだ。

「医療観光」は「医療サービス」と「観光産業」を連係させて外国人患者を国内に誘致する産業だ。 費用も高く滞留期間も長いので高付加価値産業として脚光を浴びた。 政府は「未来成長動力」あるいは「経済活性化」政策として医療観光を積極的に推進してきた。 医療観光が政府の重要な経済活性化事業として登場したのは李明博政権の時だ。 李明博政権は執権初期に営利病院許容、民営医療保険活性化など医療産業の規制緩和を試みた。 だが国民的な反対の世論に包まれて、「医療観光」を医療商業化のための次善の策として持ち出した。 これにより2009年、医療法を改正して外国人患者誘致行為を認めた。 医療法上では営利を目的として患者を医療機関や医療関係者に紹介、斡旋、誘引する行為が禁じられている。 だが当時の法改正で外国人患者に対する病院の斡旋や誘引行為が可能になった。

朴槿恵(パク・クネ)政権も医療観光活性化のために腕まくりをした。 2016年、外国人を対象にした医療広告を認める 「医療海外進出および外国人患者誘致支援に関する法律」を制定した。 事実、この法案は当時の新政治民主連合(現共に民主党)の 崔東益(チェ・ドンイク)議員が発議したものだった。 当初、朴槿恵政権は民間保険会社の海外患者誘致業許容と、 海外患者を相手とする遠隔医療を認める「国際医療事業支援法」を推進していた。 だが市民社会と野党の反発にぶつかり、内容の修正を経て 崔東益議員の発議案を与野が受け入れて終わった。

「医療観光」産業は保守政権と政党が主導してきた事業だった。 国内医療法上、営利活動に制限がある医療資本などに収益率を保障するための商業化戦略でもあった。 だから市民社会などは医療観光が大型病院、大都市中心の医療格差をさらに拡大し、 過剰競争による医療費上昇などにつながると批判した。 だが文在寅(ムン・ジェイン)政府になっても、 医療観光は高付加価値産業、経済活性化対策などと脚光を浴びて、 盛況裡に進められている。 保守政権時期、「医療民営化反対」を党論にした民主党も、 医療営利化を迂回する事業といわれる医療観光および医療輸出政策を特に批判なく続けている。 朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長も昨年、医療観光サービス事業費として 約8億ウォンを策定し、 医療観光客空港ピックアップサービスとヘルプデスク、医療観光コース・ファムツアー事業などを進めた。

乱立する医療観光誘致機関、実績は二極化

政府が積極的な医療観光活性化事業を推進しながら、 医療観光業者の乱立と二極化も深刻になっている。 韓国保健産業振興院の外国人患者誘致情報システムによれば、 今年1月基準、外国人患者誘致事業に登録された医療機関は1979か所だ。 そして外国人患者誘致業者として登録されているのは何と1590か所だ。 外国人患者誘致業者とは、医療機関と患者の診療契約を斡旋する代価として手数料を支払われる紹介業者だ。 中間紹介業体が医療機関だけに乱立しているわけだ。 誘致業者の登録は保証保険証券、資本金証明、事務室賃貸借契約書などいくつかの書類さえあれば簡単に申請できる。 そのため専門性が検証されない業者や1人会社、バイオ医薬品企業などが誘致業者に押し寄せた。

城南市の場合だけでも、幹細胞銀行や行政社事務所、医療機器業者など、 多種多様な業者が誘致業者として登録されている。 城南市が協力機関に選定した誘致業者3か所のうちA社は、 企業の人事と総務業務をアウトソーシングする会社だ。 B会社とC会社の場合はロシア語のホームページ以外にはその他の情報を確認する方法がない。 C社の場合、事務室の住所が盆唐にあるアパートになっている。 その上、昨年まで城南市の協力業者に選ばれたD社は、 2017年の外国人患者誘致実績を報告せずに誘致機関登録が取り消された。 誘致業者は医療海外進出法により、毎年保健福祉部に誘致実績を報告しなければならない。 特にD社の代表は、盆唐ソウル大病院の整形外科医師だ。 盆唐ソウル大病院は城南市の外国人患者誘致医療機関に登録されている。

▲2018城南市国際医療観光コンベンション ネットワーク パーティー[出処:城南市]

現在、城南市には約33の誘致業者と11の誘致医療機関がある。 城南市協力業者選定は、市が年1回に指定する方式でなされる。 選定後には2年間、協力機関として委嘱される。 だが協力機関の指定要件については何も知らされていない。 城南市の関係者は「韓国保健産業振興院に誘致機関と登録されることが先行条件」とだけ答えた。

韓国保健産業振興院によれば、 2017年基準、外国人患者誘致業者は1345か所。 そのうち実績をあげている業者はせいぜい481か所(35.76%)だ。 無実績の業者は513か所(38.14%)で、さらに多い。 まったく報告もしないケースも351か所(26.09%)に達する。 外国人患者誘致医療機関も状況は似ている。 1664か所のうち、無実績医療機関が392か所で、23.55%に達する。 実績を報告しない医療機関も34か所ある。 特に実績をあげた医療機関の中でも10人未満の外国人患者を診療した医療機関が364か所で23.66%に達する。 2016年には状況がさらに深刻だった。 3115か所の医療機関のうち48.21%(1、502ケ所)が実績がないか、報告していない。

これでは医療観光の診療収入が大型病院中心に傾くのも当然の結果だ。 2017年基準、外国人患者誘致事業医療機関として登録した上級総合病院は95.3%、 総合病院は38.9%、病院は15.4%、医院は2.7%だ。 そして上級総合病院と総合病院が外国人患者の52.4%を誘致する。 単純な誘致実績だけでなく、疾患別医療収入でも格差がある。 軽症疾患より重症疾患の患者の診療費が高いため、 重症患者の治療が可能な大型病院に集まる現象が現れるほかはない。

順天郷大学病院の場合、2013年の外国人患者5882人から2015年には9967人と、 2年で70%近く増えた。 特に診療費が高い重症患者の割合が増え、それだけ収益も上昇した。 2016年に開かれた韓国医療観光フォーラムに参加した順天郷大病院の関係者は 「外国人患者のうち重症患者数は30%程度だが、 収入は50〜60%を占めている」と明らかにした。 実際に2015年の順天郷大病院外国人患者診療収入88億6000万ウォンのうち、 重症患者の診療費が51億1千万ウォン(57.67%)だった。 一方2017年基準、外国人患者診療収入は6339億ウォンだ。 外国人患者1人当りの平均診療費は199万ウォンで、内国人より54万ウォン高い。 2016年には外国人患者平均診療費が内国人より100万ウォン高かった。[ワーカーズ51号]

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2019-02-20 20:27:52 / Last modified on 2019-02-20 20:32:11 Copyright: Default

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