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News Item 20171207
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済州、先に来た未来に会う

[ワーカーズ ルポ]江汀海軍基地と城山第2空港闘争

オム・ムヌィ江汀住民 2017.12.05 17:08

まだ終わっていない。まだ開まってもいない。

ハンスト42日目の11月20日午前、キム・ギョンベ氏が病院に運ばれた。 気力を回復するために入院中の彼と11月22日に会った。 やせた顔、目つきもすっかり消えていた彼。 城山の話が出ると、目つきが生き返った。 前日までは本人が望むような成果もなくハンストを中断することになり、気持ちの困難が強いという。 ちょうど22日の朝10時には米国の核推進潜水艦が済州海軍基地に入港し、ため息も深かった。 「もう仕方がありません。 第2空港を防ぐこと以外に。 第2空港を防ぐことで、海軍基地がきちんと作動しなくなるでしょうから。」

政府と済州道庁は済州の発展のために第2空港が必要だと言う。 だが第2空港の新設に反対する住民たちは、敷地の設計案にも納得できず、開発による環境問題に目を塞ぐこともできない。 江汀海軍基地に関連する空軍基地になると疑わない住民はいない。 キム・ギョンベ氏はなぜか江汀の話が出てくれば声が震えた。 彼にとって江汀は過去の出来事ではなく、あるいは奪われかねない自分の未来だと話した。

▲オ・シンボム城山邑対策委宣伝広報次長と文正鉉神父[出処:オム・ムヌィ]

まだ、江汀

2012年の春にクロムビを爆破した場所に海軍基地が出来た。 海軍が守っているが、村は静かな日がない。 竣工の直後から事態が起きた。 村に訓練の通知もなく、銃を持つ軍人たちが小学校の下校時間に村の大きな交差点を闊歩し、 抗議した住民は一年中裁判を受けて暗い道には若い男たちが群れをなして通う。

大韓民国政府は純粋な海軍基地だと言ってなだめた。 米軍基地ではないと言って、飛び上がった。 しかし米軍の戦略的拠点の疑惑はずっと続いた。 3月25日には米国海軍のイージス駆逐艦ステザム艦(USS63)が入港した。 済州4.3に責任がある米国が、4.3追慕期間に軍艦に乗って済州に入ってきたのだ。 その時から何度も外国の艦艇が入港した。 来るたびに例外なく屎尿とゴミを済州島に捨てる。 不法にゴミを処理して住民に見つけられたりもした。 村は外国の軍艦が入港するたびに日常が揺れる。 しかし済州道庁は無関心なほど静かだ。 そのうちに11月22日午前には、とうとう米国の核推進潜水艦が済州海軍基地に入港した。

住民たちは昨年創設された海軍済州基地戦隊警備の労働者たちから監視されているとも感じる。 一度は9月に軍人たちが村の中のコンビニで酒を飲み、ゴミを投げ捨てて行ったが、 この事件を知ったある住民がSNSに短い文を載ると、 海軍警備労働者が該当コンビニに来てかき回して行った。 被害女性は恐れに真っ青になって仕事を辞め、 村会と海軍基地反対対策委は記者会見を行って海軍の査察行為の疑惑などについて抗議したが、 海軍済州基地戦隊はこれを全面的に否定した。

海軍基地正門の外のハルマンムル・ロータリーにはCCTVカメラが設置されていて、 生命平和文化祭が開かれるとまるで監視カメラのように回転しながら村を記録し、 住民たちから抗議を受けた。 すると監視カメラは本来の方向に向いたがなぜ海軍がCCTVを村方向に設置して監視しているのか、村の人々の疑問は解けなかった。 海軍の警備員が住民の文化活動と集会を妨害したことも何度もある。

今日、城山

こうした江汀の住民にとって、城山の住民たちは単なる近くの他人ではない。 第2空港に反対する城山の住民は済州道議会の前にテントを開いて座り込みをしている。 そのテントはキム・ギョンベ氏が10月10日からハンストをしている所でもある。 江汀の住民が少しでも役に立ちたくて連帯訪問もして、1人デモもしてきた。 そのたびに道庁の公務員や警備員は江汀村住民を外に追い出すなど鋭く反応する。 こうした済州道庁の非常識な処分に抗議するために、 江汀と城山の住民は木で作った牛を牽いて路上文化祭を行った。

住民のキム・ギョンベ氏がハンストという極端な方法を選択するほかはなかったのは、 9月17日に西帰浦市庁が金貞江汀文化会館でひそかに開こうとしていた第2空港推進状況の説明会のためだった。 西帰浦市は城山から数十キロ離れた金貞文化会館で18日午後3時 「第2空港推進状況説明会」を試みた。 現場には国土交通部関係者をはじめ、アン・ドンウ政務副知事、イ・サンスン西帰浦市長などが参加した。 一足遅れて突然知らせを聞いた反対住民が 「第2空港予定地の城山邑ではなく他の地域で説明会を開くのは、 城山の住民を欺瞞する行為」と主張しながら場内に進入すると、 あらかじめ座席についていた多数の公務員が前を防いだ。 この過程で小競合いが行われた。 説明会の開始は午後3時で、2時30分に会場が開くとすぐに入ってきたが、 すでに前の座席は一杯になっていた。 動員疑惑を提起した。 実際に講堂の前の席を埋めていた人の相当数は公務員だった。 城山の住民は多くの疑惑が解消されない状態で、他地域の住民を対象として説明会が開催されようとしていた点に怒った。 イ市長は国土部が配った資料を読むと言って説明会を中断した。

実際、江汀海軍基地の建設過程も似ていた。 反対住民の反発を理由に済州道次元で江汀村ではなく他の地域で推進状況報告会を開き、 この報告会を法的手続きに必要な住民説明会に変えた。 この出来事と関連して、西帰浦市は 「法的手続きに必要な住民説明会ではなく、単に推進状況の情報を知らせる報告会」と解明したが、 講堂正面のイベント掲示板は説明会と表記されていた。

そのようにしてハンストは1か月を超えた。 最低の態度の変化も見られない同庁の前で、時間だけが残念に流れている間、 江汀の住民から何かをしなければならないのではないかという差し迫った発信が始まった。 自発的な市民主催のキャンドル文化祭を一週間で作った。 文化祭を準備しながら、市民は座り込みテント前に日常を引き込んだ。 ノートパソコンを持ってきて文を書いたり、絵を描いたり、編物をした。 文字通り、何でもしようという行動だった。 7年間、江汀で暮らす文正鉉(ムン・ジョンヒョン)神父も毎日午後、 江汀に駆け付けて木版彫刻の作業をした。 人が増えると話が多様化した。 第2空港反対と住民を応援するリレー漫画がオンラインで連載され始めた。 済州道内の進歩政党の演説会も、いつもこの問題を扱った。 すでに乱開発で壊れた済州江汀の海軍基地による痛みをまた味わうわけにはいかないと言う。

▲キム・ギョンベ氏[出処:オム・ムヌィ]

闘争はこれから

キム・ギョンベ氏が病院に運ばれた日、ともに第2空港に取り組んでいる済州の市民社会団体は 「第2空港全面再検討と新しい済州のための道民行動」という名前で新しく宣言をした。 本格的な第2空港反対運動を始めるのだ。 1年以上、第2空港反対城山邑反対対策委員会とともに不良用役検証や原点再検討を要求する運動をしてきた道民行動のこうした変化は、 第2空港の対応を「再検討の要求」ではなく、「完全廃棄を目標にするという点で、大きな変化だといえる。 道民行動側は「第2空港建設」に原点から反対し、済州のどこにも建設してはならないという立場を明らかにした。 道民行動はこうした闘争の基調変化の重要な理由として 「量的膨張中心の観光開発政策と乱開発による道民の生活の質の低下」を理由に上げた。 1年以上、地域の住民の同意を得られていない第2空港計画の手続的な問題点と立地の決定過程についての不良および操作疑惑、 オルム窃取、空軍基地問題など、到底推しはかれないほど多くの問題点を指摘したが、 文在寅(ムン・ジェイン)政府と元喜龍(ウォン・ヒリョン)道政は、 単に国策事業だという理由で不良用役検証要求を無視してきたと正面から批判した。 40日以上の命がけのキム・ギョンベ副委員長のハンストと済州道民の同調ハンストにもかかわらず、 国土交通部は最近、城山邑反対委と済州道が合意した事項を受け入れられないとして拒否した。 済州道と国土交通部の第2空港推進の根拠になった事前妥当性検討用役に対する公開合同検証を提案したが、 国土部が妥当性再調査を「専門機関の判断に従わなければならない」と 公開合同検証を露骨に拒否したのも、 済州の市民団体らの変化に火をつけたものと見られる。

まだ江汀が終わらないように、城山は始まっていない。 江汀では工事を防けなかったが、城山は他の未来をかかげてみる必要がある。 なぜなら江汀を通じてすでに未来に会った人たちがいるからだ。

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2017-12-18 13:01:23 / Last modified on 2017-12-18 13:01:25 Copyright: Default

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