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正義党、そして進歩政治の一人立ち

[ワーカーズ・イシュー]いま、正義党が向かう所は

パク・タソル、ユン・ジヨン記者 2017.05.22 01:44

沈(シム)サンジョン候補の能弁も、TV討論も、公約も本当の核心ではない。 十分にしこりを解けないキャンドルの熱望が核心に近い。 大統領選挙空間を徘徊したこの残り火は6.2%という支持率に燃え移った。 社会変革労働者党のペク・チョンソン政策宣伝委員長は 「終盤に民主党が死票論を持ち出したが200万票を得たのは、 民主党に閉じ込められないという積弊清算の意志が大衆にあったため」と分析した。 内部の視線も違わない。 正義党に籍を置いている労働政治連帯のイ・ソンウ代表は 「無条件に喜べないのは、(キャンドル局面という)政治的特殊性の中で正義党が躍進した側面が大きいため」と説明した。

いま正義党が向かう所は

何と30年ぶりにやってきた機会だった。 大統領と財閥総師を監獄に入れ、60年間韓国社会を率いてきた保守勢力が危機に処した。 30年間しっかり根を張っていた両党体制の亀裂も進歩陣営には機会であった。 だがどんな局面も準備できなかった。 ただ「粥を炊いて犬に食われた」という空しい言葉だけが残った。 結果として進歩陣営を代表し、正義党が6.2%の素朴な成果をあげた。 事実、正義党としても面倒なことだ。 イ・ソンウ代表は「私たちの実力では6.2%を守って行けるか、一時的なものか持続的なものなのか、見当がつかない」とし 「民主労働党の時に10人の国会議員を当選させても割れるという経験をした。 過去の半分の成功と失敗を乗り越えて行くべきだが、まだ具体的な絵を描くには中途半端なようだ」と打ち明けた。

野党圏連帯の公式から抜け出して独自完走して、それなりの大衆的な支持を得た。 表面的にはそうだ。 だが本当の風は野党圏連帯の向こう側にある。 サンジョン候補はずっと「共同政府」の構成を要求してきた。 選挙直後に民主党ではサンジョン代表の労働部長官入閣説を流した。 正義党は激怒した。 党対党の交渉なく、公党の代表が入閣リストに噂されるのは常識的ではないということだ。 事実上、民主党が正義党との共同政府構成を拒否したのではないかという見解もある。 正義党のイ・ビョンニョル副代表は 「まだ『掌管したくてしているのではないか』という人々の不信があるようだ。 だが決してそうではない」とし 「権力の独占ではなく、キャンドル勢力の共同政府構成がキャンドルの要求だった。 党対党の交渉を通して共同政府構成の議論をすべきで、 個別に席を与えるような形は正しくない」と強調した。

「共同政府構成(訳注:連立)」は沈候補の口から何度も出てきた言葉だが、正義党の公式な党論ではない。 そうだとしても、正義党としてはのがしたくない機会だ。 単に共同政府構成による権力の分け合いが目標なのではない。 本当に必要なのは選挙法改正だ。 沈候補も選挙直後に連動型比例代表制が前提になれば、政権の形態については開いて検討できると明らかにした。 正義党の関係者A氏は「魂でも売りたい心情」と話した。 彼は「キャンドル抗争以後、30年ぶりに政党体制が変わる条件が作られた。 選挙制度が変わらなければ、既得権二大政党体制を死んでも破れない」とし 「2020年の総選挙までに新しい政党体系を作れなければ、正義党にも未来がないと見る。 現在の状態なら、これから選挙に立候補する人もずっと少なくなるだろう。 金を借りて、選挙に走る活動家も頑張るのは難しい状況」と説明した。 連動型比例代表制の導入で議席数が拡大すれば、組織拡大はもちろん、 「サンジョン党」という汚名をそぞく世代交代も可能になるということだ。 しかし労働界からは憂慮の声もあがっている。 いくら離散集合して、距離をおいても、正義党は民主労総を支持基盤にしている。 だから保守改革政権との大連立政府は今後、労働運動陣営を右傾化させる致命傷を残しかねないという。

もう本当にさようなら。次にまた会おう

どうなろうと、正義党は今回の大統領選挙の過程で独自の方向性の基盤を用意した。 野党圏連合共同政府を要求しようが、独自性を確立しようが、 展望を議論する「タネ」でもある。 問題は、進歩政党運動全体の展望だ。 民主労総は20年以上、労働者政治勢力化という唯一の道を駆け抜けてきた。 民主労働党から統合進歩党まで。 統合と分裂を繰り返し、結局分裂で終わった。 正義党、労働党、変革党、民衆連合党、そして民主労総に大きな関心のない緑色党まで。 数だけなら、進歩政党全盛時代だ。 民主労総を中心として時々統合の話も出てくる。 今回の大統領選挙でも民主労総は各政治勢力を呼び集め、 「民衆競選」と「選挙連合政党」を提案したが、座礁した。 政治組織からは不機嫌な声があがっている。 組織化方案や方向性なく、上層部だけで集まって離散と集合を議論することに何の意味があるのかということだ。 結果として今回の大統領選挙の結果を通じ、進歩政治は当分は多元的な形態で存在する可能性が高まった。 多数の政治勢力も今は各政党が政策的に競争、連帯しながら、 進歩政治の底辺を広げる過程が必要だということに共感している。

労働政治連帯のイ・ソンウ代表は 「多元化した政治勢力を認めなければならない。 統合を強調するのではなく、各自の差異を認めながら、 大きな議題では一つの流れを作って一緒に進む努力をすべきだろう」と見通した。 労働党の李甲用(イ・ガビョン)代表も 「進歩政党の価値が広がり、同意する人が多くなれば、執権のために一緒になることはできるだろう。 だが何もない状態で統合を強制する時代は終わったと思う」とし 「先ずは独自に生き残り、党がどんな価値でアピールするのかを悩むことが重要だ」と明らかにした。 変革党のペク・チョンソン政策宣伝委員長は 「問題は単一政党を作ることではなく、各政党どうしの政策的な角逐と連帯」だとし 「野党圏連帯をしない政党の間の角逐と連帯は可能だろう」と説明した。

労働者国会議員が一人いるだけで良いという素朴な望みは、今では純粋な思い出になった。 10議席は到底望むことができず、十数議席でも争ってばかりだった。 それで誰かは自由主義政権との大連立政府も辞さず、 他の誰かはさらに巨大な大統合を夢見て、 さらに誰かは半地下室の生活を自任する。 「理念と政策の独自性」という方向を失ったまま、「起-承-転-進歩大統合」になってしまった労働者政治勢力化。 砕け、ばらばらになった不安定な土台の上に各自の家を作る進歩政治。 相変らず進歩政治の一人立ちは危なっかしい。[ワーカーズ31号]

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2017-05-25 15:44:11 / Last modified on 2017-05-25 15:44:13 Copyright: Default

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