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韓国:医療営利化の未来? 米国とチリを見よ | |
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医療営利化の未来? 米国とチリを見よサムスン主導の医療営利化、どこまできたか(4)
シン・ナリ記者 2016.05.18 17:19
公共医療が脅かされ始めたのはずいぶん前からだ。 一部では李明博政権にその責任を転嫁するが、実は金大中(キム・デジュン)政府の末期に出された「経済自由区域法(経済自由区域意志政および運営に関する法律)」が医療を産業化する動きの始まりだった。 盧武鉉政権の医療先進化政策もその過ちを受け継いだ。 李明博政権と朴槿恵政権に至ると、医療民営化や医療営利化という名前を得たが、実体は違わない。 公共の医療を放棄して、国民の健康を民間資本に任せること。 しかしその時から今まで、医療営利化を主導している人がいる。サムスンだ。 この企画では、サムスンが医療営利化の時代にいかに備えているのか、その対応のためにどんな作業をしてきたのか、サムスンの医療営利化ロードマップはどの程度完成したのかを調べよう。 (2) サムスンソウル病院はなぜ成均館大付属病院ではないのか(8号) (4) 医療営利化、海外の事例 米国で就職するとき、真っ先にく聞かれる質問は、どの保険を選ぶのかということだ。 求職者が会社を選択する前にしっかり聞くのも会社の医療保険だ。 このように、米国会社において医療保険は最も重要な福祉だ。 保障の程度が生活の質を決めるからだ。 米国の医療保険制度は大きく三つある。 HMO(Health Maintenance Organization、健康管理機関)は、保険会社が指定した医師の中から自分の「指定医師(Primary doctor、主治医)」を決める。 とにかくその医者に診療を受けることで保険の恩恵を最も多く受けられる。 専門医(Specialist)に会うときは、主治医の紹介でHMOネットワークの医師のところに行くことができる。 主治医の診断書によって、主治医に紹介された医師と病院に行かなければならないのだ。 もちろん費用も主治医と専門医の両方に支払わなければならない。 PPO(Preferred Provider Organization、診療契約機関)はわざわざ主治医を選択する必要がなく、主治医を通さずすぐ専門医のところに行っても保険の恩恵を受けられる。 これに加えてオバマが公約に打ち出したいわゆる「オバマ・ケア」がある。 初めてオバマ・ケアが出てきた時の医療制度の改革目標は明瞭だった。 健康保険がない人を新しく加入させ、加入者を保険会社の横暴から保護すること。 医療サービスの質を高めて医療費支出増加率を下げることだ。 企業と個人の健康保険への「義務加入」と、所得による適正水準の保険料を負担させる「補助金支払い」もある。 当時の米国人口の約14%に達する4400万人は健康保険がなかった。 オバマ・ケアは義務加入と補助金により、健康保険未加入者の一部を民営保険と既存の公共保険に加入させる。 職場に入って医療保険の支援を受けていると、米国の医療保険システムの深刻性は強く感じない。 オバマ・ケアが推進された時に反対する人々がかなり多かったのは、会社内ですでに「質が良い医療サービス」を受けていると考える人々がいたためだ。 彼らは特に悪いところがなくても1年に1回、2回は主治医と会って診察を受け、十分な相談を受ける。 地域の差はあっても世界最高水準の病院と医師がいて、そのサービスを自分が受けられると考えていて満足度が高いのだ。 米国の医療保険制度の問題は、職場を通じて「医療保険恩恵」を受けられない時にあらわれる。 個人が健康保険の費用を支払わなければならない状況だ。 米国で雇用を失うことは、自分と家族を保護する医療保険をも失うことを意味する。 米国では健康保険がないので、家で子供を生んだという記事もよく見かける。 子供を生む費用だが、ニューヨークで暮らしている人が病院で自然出産をすると、病院への支払い費用は3万ドルにのぼるという。 ウォンにすれば3千万ウォンをはるかに超える金額だ。 今ではオバマ・ケアにより企業も個人も「義務加入」が必須だが、それでもオバマ・ケアが適用される病院は多くないという問題により、適時に治療を受けられないケースは多い。 結局、米国の医療保険制度は民間保険を中心として運営され、民間保険は病院の営利化と医療費を上げるために尽くしている。 なぜ米国を見なければならないか米国の民間保険と営利病院に注目する理由は、韓国の状況と重なっているためだ。 医療営利化を進めるにあたり、政府は健康保険の非効率性と財政赤字、病院・医院の経営難を強調し、市場の合理性により医療システムを再構成しなければならないという名分を打ち出した。 同時に新しい成長動力として医療産業化を推進している。 地域ごとに医療ハブ、医療観光都市を強調し、営利病院の導入を要求するのもそのためだ。 これに対して保健医療団体連合のウ・ソッキュン政策委員長は 「韓国において医療が新しい成長動力だと主張するのは情けない考え」とし 「政府は米国が私たちの未来であるかのように、絶えず病院を『営利化』し、民営保険をさらに拡大しようとしているが、 米国の医療サービスの質は低く庶民の被害が大きい」と強調する。 米国人の医療費支出規模はこれを裏付けるのに充分だ。 2014年を基準とすると米国全体GDPに医療費が占める割合は17.5%だ。 OECD平均の8.9%をはるかに上回る数値だ。 医療営利化、つまり営利病院と民間医療保険中心の体系が、高額な医療費負担の一因だ。 医療費用は増えても深刻な医療の不平等があり、国民の健康水準は世界30位程度でしかない。 絶えず韓国政府が主張するように営利病院が導入されれば、 医療の基盤が揺らいで健康保険当然指定制(どんな病院でも国民健康保険の恩恵を受けられる制度)と全国民の医療保険義務加入制の土台が揺らぐ。 米国の事例は韓国の医療体系が味わうことになる変化の多くの部分を暗示する。 もちろん、被害は庶民に集中する。 それでも営利病院に対する政府の計画はじわじわと実行されている。 2012年、李明博政権は「経済自由区域内外国医療機関の開設許可手続きを含む施行規則」を制定・公布して迂回的に営利病院を認めた。 営利病院を導入するための制度的手続きを完成させたこの変化がもたらす結果は、 すでによく知られている米国の事例で確認できる。 代表的なケースが2014年に内部告発者などの暴露で知らされた「ヘルス マネジメント アソシエーツ(HMA)」だ。 当時、米国で四番目に大きい営利病院のHMAは、医者を評価する定規として訪問患者の入院率を適用した。 たくさん入院させるほど病院の収益が増えるので、これを医師の評価基準にしたのだ。 できるだけたくさん患者を入院させろという病院内部目標を達成した医師には緑、 目標値に近かった医師には黄色、 目標達成に失敗した医師には赤を付与して医者を圧迫した。 医療の公共性や病院が持つ最低の公共性も放棄した事例だ。 多くの事例と数値があるのに、政府は医療営利化の危険性を笑い飛ばす。 2014年、朴槿恵政権は「有望サービス業投資活性化対策」を発表した。 ここには投資開放型病院についての内容が含まれていた。 投資開放型医療機関は、大規模な資本投資を受けて病院を設立・運営する、いわゆる「営利病院」だ。 政府発表後、ある放送に出演した当時の崔��煥(チェ・ギョンファン)経済副総理は 「営利病院ができても99.9%は既存の健保体系がそのまま適用される。 医療民営化の憂慮は論理の飛躍」だと話した。 米国社会で絶えず発生する医療営利化の問題を見る政府の視点からの答だ。 医療営利化の教科書、チリ医療営利化の先進国とされるチリも注目すべきだ。 チリの医療保険は世界で一番劇的な変化を経た制度の一つだ。 これは、チリが歴史的に経験した政治変動の脈絡の中にある。 チリは近現代史を通じ、自由主義から社会主義、そして軍部独裁まで、多様な政治的実験を体験した。 新自由主義を受け入れた後、教科書的に適用した国と分類されたりもする。 保健医療団体連合のウ・ソッキュン政策委員長は「チリの医師ストライキと保健医療改革の挫折」で、 ピノチェト政権による長期間の軍事独裁と、民主主義体制に復帰した後も対立が続くチリの現実は、韓国の現実とよく似ていると説明した。 1979年、ピノチェト政権は民営保険を導入する前に既存の公営保険制度を統合し、国家医療基金(FONASA)を設立する。 そして1981年に憲法を改正して民営保険を導入し、公営保険と民営保険が互いに競争する医療保険体系を樹立した。 同時に公共医療費支出を大幅に削減したが、統計によれば1973年から1987年の間にチリの公共医療費支出は40%も減少した。 1990年代の民主化以後、チリの民主政府は医療システムに対する政府支援を強化したが、公営保険と民営保険の競争の構図はそのまま維持された。 チリは公営保険(FONASA)と私企業が運営する民営保険(ISAPRE)が共存する。 チリの国民は2011年を基準として公営保険フォナサに76.2%、民営保険イサプレに16.9%が加入している。 ほとんどのチリ国民はこの2つの医療保険のうち一つの恩恵を受けているが、二つの医療保険システムに属さない人口も存在する。 彼らは軍人医療システムのような他の公共システムに属するか、医療保険に加入しない人口だ。 被雇用者は賃金の7%を保険料として払い義務的にフォナサに加入しており、基本的には公共医療機関でサービスを受ける。 本人が望めばイサプレに加入して民間病院を利用することができる。 ただしイサプレの加入者は、年齢と性別、保険が適用される病院や範囲により、多様な保険料を払うが、賃金の7%を超える差額は加入者が負担する。 医療保険制度と同じように、チリの医療サービス提供システムも二元化している。 公共医療サービスシステムは27の州に存在する28の地域医療サービスで構成される。 これらの機関は2次、3次医療サービスを担当する。 1次医療を担当する保健所は、市政府が管理する。 公営保険に加入している人と医療保険がない人、極貧層は、主に公共医療サービスシステムを利用する。 その結果、公共医療サービスシステムに医療需要が集中する。 民営保険加入者は民間医療機関で医療サービスを受ける。 必要により、公営保険と協約を結んだ公共サービス機関を使うことができる。 派手な装いでだます不平等チリ医療改革の結果は明らかだ。 表面的には期待寿命と予防接種率、医療指数と医療サービスの水準が上がった。 だが医療費は増加し、医療の不平等は深刻になった。 2011年基準でチリの人々は家計支出の4.6%を医療費に使う。 これはOECD会員国平均の2.9%の1.5倍を越える水準であり、OECD会員国のうち最も高い数値だ。 医療の不平等も確認できる。 チリの嬰児死亡率(1000人当り)は2011年基準で7.4だ。 同じ時期のOECD会員国平均4.1よりは高いが、非会員国は平均10を超え、米国が6.1であることを考慮すれば、それほど高い数値ではない。 問題は、教育水準が低い人々の嬰児死亡率だ。 初等教育を受けた女性の嬰児が呼吸器疾患で死亡する確率は、中等教育以上を受けた女性の嬰児死亡率より14.3倍も高い。 性別間の不平等もある。 チリの医療不平等は、男性と女性の間でも目立つ。 歯がない女性が女性人口の7.2%であるのに対し、男性は3.2%に過ぎない。 高血圧患者は女性が男性より二倍も多い。 関節炎患者の場合、女性の数が男性の数の3倍に達する。 男女間の経済的不平等がそのまま反映された結果だといえる。 「医療保険民営化が女性の健康に及ぼす影響(朴ユンジュ、《イベロアメリカ》第13冊1号、2011年6月)」の報告書によれば、 チリの医療保険の民営化は、チリ女性のからだに多様な変化をもたらした。 公共医療保険の保険料は加入者の所得水準により決定されるが、民間医療保険の保険料は民間医療保険が決めたグループごとの保険料率により決定される。 彼らは加入者を性別、年齢、家族数等の基準で分類し、保険料を差別的に適用する。 各加入者個人の「危険要因」を考慮して保険料を追徴するのだ。 これに加えて民間保険会社は常に「経済状況」や患者の「危険要因」によって保険料を変更したり保険加入を拒否することができる。 問題は、誰が「危険要因」を計算し、何を「危険要因」に規定するかということだ。 民間医療保険は可妊年齢帯の女性をすべて高危険群に分類した。 そのために2004年までの民間医療保険は可妊年齢の女性から、同じ年齢の男性よりも6倍高い医療保険料を徴収した。 保険料が高いので加入を避けるほかはない。 報告書は「保険料の値上げにより女性が民間医療保険を忌避するため、 医療サービスの拡大で女性健康が増進されたと見るのは難しい」と書いた。 米国とチリは医療営利化の事例として指折り数えられる国家だ。 新自由主義をそのまま医療体系に導入したチリは、医療の不平等を立証した。 地域と階層、性別により、どのような医療の不平等が発生するのかを見せる。 韓国が模範事例とする米国は、営利病院、民間保険の危険を社会的な問題として抱える国だ。 医療の公共性に資本が入った時の結果だ。 これらの事例から政府は何を見ているのだろうか。 医療営利化によって、より良い医療サービスと医療システムを体系的に構築すると主張することができるのだろうか。 米国とチリをまた振り返ってみなければならない。(ワーカーズ10号) 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2016-05-22 18:58:15 / Last modified on 2016-05-22 18:58:16 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ | |