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法務部資料、「長官免許での民営化制限は、韓米FTA紛争の余地」

経済的需要による免許?...「『法律』でも『免許』でも国際法上の差はない」

チョン・ウニ記者 2013.12.27 16:39

政府も主務官庁の免許権による民営化防止は、韓米FTAで問題になる余地があると警告してきたことが明らかになった。

韓米FTAでは鉄道運送サービスへの外国資本の市場アクセスと内国民待遇の制限 はなく、鉄道運送サービスへの国内外の民間資本の参加は事実上開かれている。 ただし、「経済的需要審査によって国土交通部長官の免許を受けた法人だけが 2005年7月1日以後に建設された鉄道路線の鉄道運送サービスを供給」できる。

これにより、政府は免許権により、韓米FTAに抵触せず、主務官庁長官が民営化を 統制できると主張する。

しかしすでに発行されたFTA関連の政府資料によれば、経済的需要審査と免許権 では民営化から鉄道産業を守ることができない抜け殻に過ぎないということが わかった。

[出処:法務部GATS解説書]

経済的需要審査、「基準も曖昧で紛争の余地が多い」

2001年、法務部は「GATS(WTOサービス貿易に関する一般協定)解説書」を発行し、 経済的需要審査を含む六項目の市場アクセス措置について説明している。GATSは すべてのFTAでのサービス貿易基準になる内容を扱っており、韓米FTAもこれに 基づいて締結された。法務部はこの資料で経済的需要審査は内容が曖昧で、 紛争の素地があると指摘した。

経済的需要審査について法務部は、「例えば、ガソリンスタンド設置の距離制限 (2kmごとに1か所)、人口5千人当り薬局1か所などのような場合」と説明している。 しかし「経済的需要審査が規定されているが、これが何なのかについて確立された 定義がない」と提起した。

そのため、経済的需要審査を含む市場アクセスについて「どんな規制が上記の 六種類の類型に当たるかをめぐり、紛争が発生する余地が多い」と指摘する。

また、経済的需要審査は、供給されるサービスの質や供給者の資格とは無関係 に、供給業者の数、サービスの量、取り引き価額などに関するもので、民営化 自体を決めることとは何の関係もない。

法務部はこの資料で「経済的需要審査の基準は、このように計量的で客観的な 基準だけではないところに問題がある」とし「例えば、『市場秩序または受給 の状況を考慮して、主務長官が適正と判断する場合』のように、当局の曖昧な 裁量的基準が問題になりかねない」と強調した。

[出処:政府政策ブリーフィング]

長官免許権では鉄道民営化を防げない...FTA違反の議論に包まれるか

一方、経済的需要審査の他に長官の免許権も民営化の阻止には何の役にも 立たないという分析が支配的だ。

現在も自由貿易協定に対する指針として活用されている〈サービス産業開放と WTO〉でも、「わが国では、あらゆる分野別の個別法に見ればサービス供給業者 の設立要件として、資本金、施設、技術人材保有基準の他に曖昧な基準がある」 とし、「『市場秩序や受給状況を考慮して主務長官が適正と判断する場合』 という当局の裁量的基準がそれだ」とする。さらにこの文は「これが果たして ENT(経済的需要審査)に当たるかどうかは、同基準の実際運営状況によって 判断しなければならない」と提起する。

これによれば、まず当局の自由裁量によって事例別に免許を出したり出さなかったり すればENTとは言えず、その場合は自国の譲歩表に市場アクセス約束をできないと 指摘する。

この言葉は、当局の主務長官の裁量も一定の基準に従わなければならない ということで、国内外の民間投資家の投資や民間企業による運営自体は主務長官の 裁量に束縛されないことを示す。つまり、長官が免許権を利用して事業者を 統制できるという政府の主張は、希望事項であって絶対的な基準にはならない ということだ。

次に、裁量的基準が実際に適用されないこともある。つまり、「資金、施設、 技術人材などの客観的な基準さえ満たせば自動的に事業免許が出るのなら、 商業拠点形態のサービス供給において市場アクセスの制限がないといえる」 ということだ。結局、国内外の民間資本が客観的な基準に合えば、彼らへの 免許権を保留する名分は大きく制約される。

「『法律』でも『免許』でも、国際法上は何の差もない」

これについて民主弁護士会のソン・ギホ外交通産委員長(弁護士)は、「法律で 防ぐか免許で防ぐかは、国際法では何の差もない」とし「経済的需要審査とは ガソリンスタンドの距離、薬局距離制限のように、需要の供給状況を見ながら、 サービス供給者の数を調節できるということで、基本的に民営化を封鎖すると いうことではない」と指摘した。彼はまた、「基本的に免許で開放を防ぐとい うのは開放しないということで、これは鉄道産業を開放するという政府の前提 とも合わない矛盾」と付け加えた。

ソン弁護士はまた「12月26日の国土交通部の釈明資料で、政府は『FTA上2005年 6月以前にコレイルが運営していた路線を除く路線は開放されている』と明らかにした。 これは政府が鉄道開放について初めて明らかにした事項」とし「鉄道部門で 韓米FTAの意味が鉄道民営化にあるのなら、そうした内容を今まで説明した事実が ないという点で、韓米FTAがいかに拙速に密室行政により処理されたのかがわかる」 と問題を提起した。

ソン・ギホ弁護士は窮極的に「韓米FTA期間前の2004年の鉄道事業法と鉄道産業 基本法改正の趣旨に合わせ、国家が建設する鉄道は国家が運営するようにし、 民間による鉄道は民間が運営するという法改正で、民営化の議論と韓米FTA抵触の 議論の両方を解決できる立法的な努力が検討されるべき」と慎重に提案した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-12-28 00:53:53 / Last modified on 2013-12-28 00:53:54 Copyright: Default

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