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民主労総の侵奪で窮地に追い込まれた警察、全教組委員長人質劇?

警察庁長官更迭要求を恐れたか…鉄道労組指導部を検挙すれば1階級特進

ユン・ジヨン記者 2013.12.24 14:27

12月22日、民主労総を強制侵奪して問題になった警察が、全教組委員長の拘束令状を申請したことで、議論が拡大している。労働界は警察庁長官の更迭を要求する声を揉み消すために全教組委員長を担保にしているとし、即刻釈放を要求した。

ソウル中央地検公安2部は12月24日午前、キム・ジョンフン全教組委員長に対し 特殊公務妨害容疑などで拘束令状を請求した。22日午前、警察が玄関ガラス扉 を破って民主労総建物に入る過程で、キム委員長が割れた強化ガラスの破片を 警察官に投げて傷つけたという容疑だ。

警察はこの事件で警察官の1人がまぶたに1.5cmの傷を負ったと主張し、当時の 採証資料と診断書などを根拠としてキム委員長に拘束令状を申請したという。

▲22日警察の民主労総侵奪を防ぐために建物を死守していた全教組キム・ジョンフン委員長が連行されている[出処:金属労組キム・ヒョンソク]

民主労総の侵奪で窮地追い込まれた警察、全教組委員長人質劇で議論

労働界はキム委員長に対する検察と警察の拘束令状請求は明白な「報復捜査」 だと反発している。民主労総侵奪の過程でさまざまな違法行為があらわれて、 鉄道労組指導部の検挙失敗などによる責任論が広がったため、これを揉み消す ために全教組委員長を担保にした世論戦を始めたという主張だ。

民主労総と全教組、公務員労組、公共輸送労組連盟などは24日午前、民主労総 の前で記者会見を行い「警察は公安弾圧をやめてキム・ジョンフン委員長を 釈放しろ」と要求した。

民主労総のキム・ギョンジャ副委員長は「全教組委員長への拘束令状請求は、 5千5百人の警察を投入したのに一人の指導部も検挙できなかった警察の八つ当たりで、 警察庁長官の更迭要求を揉み消そうとする小細工」とし「また、民主労総の 侵奪による人々の怒りをしずめるために、委員長を人質にした」と反発した。 続いて「政府による全教組不法化の野心と弾圧が続いていることを確認した事件」 と声を高めた。

当時、現場にいた公共輸送労組連盟のイ・サンム委員長も「警官は自分たちが 怪我をしない程度の安全距離を確保して玄関のガラスを割った。ガラスの破片は 当時、座り込んでいた人々の頭と手首に当たって傷つけた」とし「不法に 作られた朴槿恵政権は、絶えず不法で社会を統治しようとしている」と批判した。

全教組のキム・ジョンフン委員長は、12月22日に連行された後に立件された。 検察は今日の午前9時30分、キム委員長に拘束令状を請求し、25日午前10時30分、 ソウル中央地法で令状実質審査が開かれる。裁判所は25日中にキム委員長の 拘束の可否を決める。

全教組のハ・ビョンス報道担当者は「むしろ当時、警察が割った玄関のガラス 片で多くの人が怪我をして、これに抵抗した」とし「もし警察の主張のように 流血事態があったのなら、すでに現場で措置されていたはずだ。だが警察は 時間が経った後に全教組委員長に容疑をかぶせ、報復捜査をしている」と主張した。 また彼は「今回の事件は、全教組法外労組化と押収捜索に続く、全教組に加えられる 三番目の弾圧」と規定した。

なお記者会見団は「暴力的な不法侵奪に抵抗したキム・ジョンフン委員長と 民主労総組合員たちの行為は正当防衛であり公務執行妨害罪が成立しない」とし 「むしろ不法と違法を行った安全行政部長官と国土部長官を今すぐ処罰して、 民主労総に不法に乱入した責任者である警察庁長官を解任し、ソウル警察庁長官を 拘束しろ」と要求した。

警察庁長官更迭の要求を恐れているのか…鉄道労組指導部検挙に1階級特進まで

警察は全教組委員長に拘束令状を請求するなどの後続世論化作業を始めたが、 民主労総強制侵奪による責任論は、さらに広がっている。韓国労総まで超強気 の対応に出ており、市民社会、法曹界、宗教界なども政権糾弾に立ち上がった 状況で、警察でも世論を反騰させるのは容易ではなさそうだ。

表蒼園(ピョ・チャンウォン)元警察大教授も警察の民主労総侵奪作戦が違法性 のある「失敗作」だと規定した。表蒼園教授は24日、SBSラジオのハン・スジン のSBS展望台とのインタビューで、「今回の懸案(鉄道労組ストライキ)は一般的な 犯罪や他人に危害を加える人質、破壊などの行動とは全く違う」とし「それなのに 5千人もの警察人員を投入し、扉を壊し、ガラスも割り、138人を現場で連行したのは 過度な対応」と説明した。

警察が逮捕令状だけで他人の建物に強制侵入したのは不法の余地があるという 点も明確にした。表蒼園教授は「刑事訴訟法では、拘束令状は該当潜伏場所に 対する捜索も認めているが、逮捕令状は第三者の居所の閉じられた扉を壊して 入るほどの捜査権は付与していない」と主張した。

特に表教授は上層部の指示で警察が無理な執行をした可能性も提示した。彼は 「(警察がさらに上層部の指示によってした)そのように見える」とし「警察が 道具としてよく利用されているが、二度とこんな事があってはいけない」と釘をさした。

なお警察は、鉄道労組指導部を検挙すれば1階級特進させることにし、また 問題になっている。表蒼園教授は「過去に思想犯に対して1階級特進をかけ、 警察官を現場で競わせることがあった」とし「市民の法執行で、警察官を 競争させるのは決して良くない」と批判した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-12-25 00:17:10 / Last modified on 2013-12-25 00:18:07 Copyright: Default

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