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「鉄道スト参加者全員職位解除、恐ろしくない」

鉄道労組ストライキ3日目、全北地域の風景

ムン・ジュヒョン記者 2013.12.12 10:58

水西発KTX民営化を阻止するための鉄道労働者のストライキが三日目に入った。鉄道労働組合 湖南地方本部の全北地域鉄道労働者たちは、12月9日朝、リュックサックを担いで家を出て、現在まで民主労総全北本部など宿舎になりそうなところで宿泊しながら、ストライキ闘争日程を死守している。

▲9日に全州駅で開かれた鉄道労組湖南地方本部ストライキ出征式には湖南圏1000余人の鉄道労働者が参加した。[出処:チャムソリ]

朴槿恵政権の鉄道ストライキ対策、「前例のない労働弾圧」

これまでの政府の動きも忙しかった。12月10日午前9時、警察の鉄桶警備の中で 開かれた韓国鉄道公社臨時理事会は、労組が憂慮した水西発KTX子会社の設立を 議決した。11日には対国民談話文で、鉄道競争体制の導入は国民に安く良質な サービスを提供するためで、水西発KTX会社の設立は民営化ではないと国民に訴 えた。民営化でないのなら、水西発KTX路線が正常に営業できるまで十分な時間 があるので、社会的な議論を通じて解決しようという労組の要求に対しては 「不法ストライキは厳しく処断する」という立場を出した。

政府は国民に対し「不法ストライキ」を強調し、労組には前例のない弾圧も試 みた。12月11日現在、6748人が職位解除された。鉄道労組湖南地方本部のある 関係者は「鉄道民営化闘争を10年続けた」とし「政府がストライキの初日から 組合員全員に職位解除をしたのは初めての出来事」と朴槿恵政権の序盤の攻勢 を評価した。

労働界の関係者は、こうした朴槿恵政権の序盤の攻勢を2つの観点から評価した。 公共輸送労組全北本部のコン・ヨンオク組織局長は、「朴槿恵政権の公共部門 民営化は鉄道で終わらない。現在、ガスと年金なども同時に進んでおり、鉄道 で負けてはならないという判断で、猛攻勢を浴びせていると見る」と評価した。 民主労総全北本部のユン・ジョングァン本部長当選者は「政府は、鉄道労組が 10年近い闘争と李明博政権当時の弾圧で勢力が萎縮したと見て、序盤から職位 解除などの多様な方法で労組を圧迫している」とし「しかし3日経った今日も、 鉄道労働者たちのストライキの熱気は消えていない」と話した。

鉄道労組のある関係者は「全北地域では、現在までに復帰した人員は5%程度と 見ており、ストライキには実質的な影響を与えない職種が復帰した」とし、 「2009年のストライキの時に約10%の復帰率を見せたが、それだけ組合員たちの ストライキの熱気が熱いことを示すものだ」と話した。

▲全北地域の鉄道労働者はストライキ3日目の11日まで、全州、益山、井邑など主要駅の前で午前から午後まで対国民宣伝戦を行った。この宣伝戦に対する列車利用客の関心は高かった。[出処:チャムソリ]

「押されれば死ぬという切迫感が鉄道労働者たちにある」

鉄道労組湖南地方本部のキム・ジョンベ組織局長は「政府が組合員たちを混乱 させる目的で大量職位解除などの措置を取ったが、そのおかげで組合員がさら に怒っている」とし「政府の意図とは違う方向に流れており、11日の政府談話 の内容も、水西発KTX民営化に対する国民的な怒りと鉄道労働者のストライキの 熱気がかなり高いという判断から出てきた偽りの釈明と感じられる」と話した。

鉄道労組湖南地方本部益山地区整備支部所属の16年目の整備士A氏は「職位解除 を携帯メッセージで送られて腹が立った」とし「鉄道公社は職員を愛すると 話しながら、職員の生存権を剥奪する民営化は止めようとしないのを見て、 虚脱感を感じた」と職位解除の感想を伝えた。

続いて「私たちに国民の足を担保にしてストライキするなと言いながら、国民 の足を破綻させる政府の民営化を見て背信を感じざるをえない」と怒りを表した。

鉄道労組と労働界がこのように評価する序盤のストライキの雰囲気は良い方だ。 これに対してキム・ジョンベ組織局長は「民営化は目前に来ている。これ以上 押されてはいけないという切迫感も組合員にはある」と評価した。

▲9日午後に全州駅で開かれた鉄道労組湖南地方本部ストライキ出征式の後、鉄道労働者たちがデモ行進をした。[出処:チャムソリ]

全北地域鉄道労働者、「国民が支持していることを体で感じる」

鉄道労組湖南地方本部所属全北地域の鉄道労働者たちもこうした雰囲気の中で 隙間ないスケジュールを消化している。ストライキ初日の9日午前、全北地域で 6地区別のストライキ出征式を始め、午後には全州駅で湖南地方本部ストライキ 闘争出征式も開いた。雨の中、3時間近い出征式は、デモ行進までする強行軍だった。

各地区に分散して一夜を過ごしたストライキ二日目も相当寒かったが、対国民 宣伝戦と集会を行った。午前9時から午後4時まで、益山駅、全州駅、南原駅、 井邑駅と全州市、益山市、群山市など主要都市の中心部を回り、対国民宣伝戦 を行った。続いて午後6時30分からは全州市総合競技場交差点で、全北地域KTX 民営化阻止市民対策委が主管するキャンドル文化祭を開いた。

この日のキャンドル文化祭にはおよそ360人の組合員が参加して、消えないスト ライキの熱気を見せた。ここで会った鉄道労働者たちは強い決意を明らかにし た。特にこの日午前の理事会で、水西発KTX子会社設立が認可されたという知ら せに怒りを伝えた。

▲10日夜、全州総合競技場交差点で開かれたキャンドル文化祭で鉄道労働者たちが鉄道民営化反対を叫んでキャンドルを持った。[出処:チャムソリ]

今年で20年目になる益山地区所属電気支部組合員のB氏は「国民の立場としても とても空しい」とし「庶民が膚で感じる公共料金がますます上がり、相対的に 窮乏を感じている状況で、鉄道が民営化されれば料金が上がるのは火を見るほど 明らかだ。収益に偏重するほかはない民間鉄道会社は庶民をさらに窮乏させる だろう」と話した。

益山地区列車支部所属乗務員のC氏は今年15年目のベテラン労働者だ。彼女は 「政府が思っていたとおりに理事会を強行したとしても、国民的な抵抗にぶつ かる」とし「今回の闘争に対する市民の応援と参加に感謝し、こうした支持し てくれたら良い結果になるだろう」と政府の勝手な民営化はできないだろうと 評価した。こうした雰囲気を現場の闘争で直接感じるという組合員もいた。

益山地区列車支部所属駅員のD氏は「各駅で対国民宣伝戦をすると、学生が写真 を撮って応援する」とし「以前とは違う風景だ」と話した。

▲10日に全州市総合競技場交差点で開かれたKTX民営化阻止キャンドル文化祭で、ある鉄道労働者がキャンドルを見ている。[出処:チャムソリ]

別の駅員は「こうした闘争の雰囲気の中で、普段はなかなか会えない組合員と 一緒にすると、一生を共にする仲間だという気持ちになる」とし「政府は3日で 私たちが崩れると思っていたが、無条件勝つ」と決意を明らかにした。

「鉄道労組のストライキを評価すれば99点、残りの1点を国民が埋めてくれ」

ストライキ3日目の11日にも、鉄道労組に所属する全北地域の組合員たちは午前 に拠点対国民宣伝戦を行い、午後2時には民主労総全北本部主管する鉄道ストラ イキ勝利決意大会に参加した。この日も雪が激しく降りしきる悪条件だったが、 ストライキ参加者と民主労総組合員はセヌリ党全北道党の前までのデモ行進を 行い、共に水西発KTX民営化を止めようと全州市民に訴えた。

▲11日午後に民主労総全北本部が主管した鉄道ストライキ勝利決意大会には400余人の全北地域鉄道労組組合員と全北地域労働者が参加した。[出処:チャムソリ]

益山地区乗務支部所属19年目の乗務員E氏は「われわれは交通を担当する労働者 なので、デモ行進は負担が大きい」とし「小さな警笛の音にも本当に汗が出る が、10日と11日のデモ行進に対して全州市民はかんしゃくではなく応援してく れて本当に有難かった」と話した。

特にデモ行進とキャンドル文化祭では、民主労総所属の全州市内バス労働者の 呼応が熱かった。この3年間、生存権をかけて闘争を続けたバス労働者は、鉄道 労働者のデモ行進隊伍がどこかで信号待ちになると、車のドアをあけて応援を 惜しまなかった。

KTX民営化を阻止する鉄道労組のストライキについて政府は「不法ストライキ」 と烙印を押したが、「闘争」の叫びはさらに大きくなっている。湖南地方本部 益山地区所属の一部の組合員たちが宿舎にしている民主労総全北本部への連帯 訪問も11日まで続いた。11日には全北地域大学生8人が現場を訪れ、鉄道労働者 を応援した。

応援に来た郡山大1年のイ・ウネ氏は「鉄道民営化の問題は、今、朴槿恵政権が ひっくり返している福祉公約と全教組などの弾圧と同じだと思い、鉄道労働者 の権利が大学生と庶民など多様な人々の権利と同じだと感じたので、こうして 応援にきた」とし「周辺を見ると、学生もこの問題の深刻性を知っているが、 試験期間などのために連帯できないのが残念だ。しかし一部の学生は、小さな プラカードを学校に置くなど、それなりに応援をしている」と話した。

▲11日夜、全北地域の一部の鉄道労働者が泊まっている民主労総全北本部大会議室を大学生が訪問して、鉄道ストライキ応援の言葉を伝えた。[出処:チャムソリ]

なお、11日午後の集会で出会ったある鉄道労働者は、今回のストライキ闘争を 点数にすれば何点をつけたいかという問いに「99点」と評価した。彼は「後の 1点は国民が埋めてほしい」とし「われわれは覚悟して戦うつもりだ。歴代の ストライキが、孤独で、逃げまわる闘争だとしたら、今回は違う。水西発KTX 民営化は闘争で必ず阻止しなければならない。国民すべてが私たちの気持ちを 認めてくれればうれしい」と話した。(記事提携=チャムソリ)

付記
ムン・ジュヒョン記者はチャムソリの記者です。 この記事はチャムソリにも掲載されます。 チャムセサンは筆者が自分で書いた文章の同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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