本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:「大漢門、ここに人がいます」
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1337234724899St...
Status: published
View


「大漢門、ここに人がいます」

貧民、障害者、撤去民、解雇労働者... 『人がいる』

カン・ヘミン ビーマイナー記者 2012.05.16 13:48

▲貧困社会連帯活動家が双竜車解雇労働者を支持する声を込めたパッチワーク作業『針目連帯』を進めている

「双竜車はどうか。死を作る工場で日々速度を高めているではないか。工場の 内外から死の恐怖が襲う『自動車絶望工場』の代名詞になったではないか。 人面獣心の怪物に変わる会社に従って、工場の中の労働者もいつのまにかその 隊列にいるではないか。人として生きていくことを忘れた人たちの出退勤の行列は 死の行列ほどに恐ろしい。彼らには二つの部類がある。この死の行列を 知らない人と、知りつつも、やむを得ず隊列についていく人だ。破壊された 人間性は見えないものという。彼らも次第に人間性を失い、人のぬくみを失った 冷血なものなったのではないか。

大漢門に人が集まる理由は、死を防ぎ、解雇労働者を復職させるだけではない。 工場内外で破壊される双竜自動車労働者に人のぬくみと人間の血の流れを作る 切迫した仕事があるからだ。われわれがこれを放置すれば、さらに多くの無感 覚の怪物を生産することに同意することだ。大漢門には人がいなければならな い」 -双竜自動車解雇労働者イ・チャングン、『大漢門、ここに人がいます』

『大漢門には人がいなければならない』

▲5月18日に四十九日を迎える
双竜車22番目の犠牲者
故イ・ユニョン氏の焼香所

大漢門、そこに双竜車犠牲者のための焼香所がある。5月18日は双竜車22番目の 犠牲者故イ・ユニョン氏の四十九日だ。しかし状況はまだ良くなりそうもない。 ただ23番目の犠牲者が出ないことを望むだけで、鋭い緊張と見えない希望が ホコリのようにまいあがり、その空間に流れている。

無関心に通り過ぎ、じろりと視線を送る人。すべるように逃げる人。汚れた銀 マットにどっかり座って話をする人。そして古ぼけた身なりで酒に酔い、アス ファルトの道端に寝ているあの老いた男まで。このすべての姿がソウル市庁前 の大漢門の風景だ。朝の涼しい空気、真昼の熱い日差しが空間を流れる。

5月10日、『そこにいる』人の声を集めた。どんな人がくるのか。通りかかりに 足を止めて署名する人は何を考え、どんな気持ちで自身の名前を書くのか。 気がかりだった。

この日の朝11時から大漢門焼香所の前に集まった貧困社会連帯活動家は自分の カバンからさまざまな色の半袖ティーシャツを取り出した。もう着なくなった 各種団体のティーシャツだった。彼らは服を一つ一つ広げ、サイズを測り、切 り始めた。その中の気に入った服はそれぞれ一つずつ持っていくこともした。

貧困社会連帯のチャン・ホギョン活動家は「貧困社会連帯は、貧民大衆団体が 作った連帯体で、双竜車解雇労働者を支持する意味で毎週木曜に一日座り込み をすることにした」とし「着なくなった服を切って縫いあわせ、連帯しに来る 人のメッセージを書いて3mX3mの大型懸垂幕作業を作る」と言う。双竜車解雇労 働者を支持する声を書いたパッチワーク作業『針目連帯』は10日と17日の2週に わたり進められる。

▲貧困社会連帯活動家が大漢門に連帯に来る人100人の声を込める連帯の動画「針目行動映像パッチワーク」作業をしている。ソン・ギョンドン詩人が連帯のメッセージを伝えている。

これと共に針目行動映像パッチワークも行われる。貧困社会連帯は「大漢門に 連帯に来る人100人の声を集め支持と連帯の動画を作り、ユーチューブ (youtube)等のインターネットに載せる」と話した。映像パッチワークは17日夜 キャンドル文化祭で公開される予定だ。

この日、大漢門の焼香所には毎週木曜に連帯する全国障害者差別撤廃連帯(以下 全障連)活動家も来た。

全障連のチョン・ウンジュ活動家は「今まで22人が死んだのになにも変わらな いことに罪悪感を感じ、楽な気持ちで来ることができない」とし「双竜車に関 する記事もちゃんと読めない」と吐露した。

チョン活動家は「活動して亡くなる人が多い。そんな所が一番つらい」とし、 「政府与党が変われば、この社会の資本主義構造がまるごと変わるとは思わないが、 現場で私ができることが見つかるのではないか」と明らかにした。

▲全国障害者差別撤廃連帯チョン・ウンジュ(右)、ムン・エリン活動家が「針目連帯」に参加している。

城北障害者自立生活センターのムン・エリン活動家は「障害者にとって針仕事 はほとんど不可能で難しいことだが、一緒にできるところまでするのも連帯だ と思う」とし「集会の時、一緒に戦うのも連帯だが、同じ場所で心を一つにす ることも連帯」と強調した。

ムン活動家は「双竜車、才能、ハイニックスなど全国あちこちで何年も戦って いる事業場があるが、特にその中の障害者労働者は、さらに劣悪な環境で最低 賃金も保証されない」とし「今この瞬間、私たちがなぜそのようにやられてば かりいるのかを知り、まず自分が変わり、周辺の仲間と連帯して戦わなければ ならない」と話した。

この日の午後、市民常駐団から参加したソウル都市鉄道労働組合パク・ホチョル 副委員長(41)は「労働者の死が無視されているようで、政府もこの問題をきちんと 解決しようとしていない」とし「守門将交代式を一日でも中断すればいいのに、 焼香所と共に行なわれているのは残念だ」と伝えた。

この日、大漢門焼香所の前には特別な人たちも眼についた。短くカットした頭 に明るいオレンジ色のティーシャツを着た彼女は、焼香の後に双竜車解雇労働者 たちとなつかしそうに挨拶をしていた。

▲焼香後、大邱嶺南大病院
解雇労働者パク・ムンジン氏も
『針目連帯』に共にした。
大邱嶺南大病院解雇労働者パク・ムンジン氏(50)。パク氏は「2006年闘争で解雇 され、昨年7月から上京闘争中」とし「朴槿恵(パク・クネ)が理事長をしている 嶺南大、嶺南理工大学、嶺南病院に対抗して闘っている。現在は三成洞の朴槿恵 の自宅前、国会セヌリ党舎前、ソウル駅で闘争を続けている」と明らかにした。

パク氏は「06年に10人が解雇され、7人が大法院判決により11年2月に復職した が、三人はまだ解雇状態で、使用者側の労組弾圧で当時は千人もいた組合員は 07年後半には百人も残っていなかった」とし「双竜車の仲間たちとは昨年(京畿 道平沢双竜車工場で釜山韓進重工業造船所がある所まで9日間行進した)、塩の花 千里の道も一緒にした」と伝えた。現在パク氏は他の女性組合員1人と小さな部屋 をみつけて暮らしながら上京闘争をしている。

一か所に長く座り黙々と『針目連帯』をしている人が目に映った。2009年竜山 惨事のイ・サンニム烈士嫁で、竜山撤去民対策委員長イ・チュンヨン氏の妻、 チョン・ヨンシン氏だった。彼女は自分を『竜山の嫁』と紹介した。

竜山惨事真相究明委員会の活動家であるチョン氏は、「暇があれば毎日大漢門 にくるが、今日は貧困社会連帯の人の針仕事を一緒にしている」とし「舅(イ・ サンニム烈士)が亡くなり、夫(イ・チュンヨン氏)は拘束され、私も撤去民だが、 ひと針、ひと針の針仕事で、結局大きな懸垂幕になるように、私たちも団結して これらの問題を解決する力になれればうれしい」と伝えた。

チョン氏は「竜山と双竜車は2009年の同じような時期に、同じ方式で鎮圧され たので、他人事には思えない。共に3年が過ぎ、竜山と双竜車問題は共に解決さ れるべき」とし「遺族は葬儀をしてばらばらに暮らしているが、当時警察1人が 死んだという理由で亡くなった人まで殺人者扱いされて暮らしている」と明ら かにした。

続いてチョン氏は「この懸垂幕が完成するまでに、一度でも大統領が会ってく れたら良い」とし「大韓民国の国民としてきちんと税金も払って暮らしていた のに、なぜ私たちを人と見ないのか、当時なぜそんなことをしたのか、話でも 聞きたい」と、はがゆい心を吐露した。

道端には『竜山、双竜車殺人鎮圧キム・ソッキ、チョ・ヒョノを処罰しろ』と いう横断幕がかけられた署名テーブルがあった。ここは「竜山、双竜車拘束者 釈放と殺人鎮圧キム・ソッキ、チョ・ヒョノ処罰」を要求する署名を集めていた。

この日署名を集めていた民主露天商全国連合のパク・スンファン組織次長は 「この二つの事件は、正当な要求をする市民を公権力が無慈悲に弾圧したが、 そんな要求が犯罪視され処罰につながったという共通点がある」として「整理 解雇が労働権を剥奪し、生計を立てる人々を死に追いやることが社会的な問題 になっているのに、これ以上『解雇は殺人だ』が資本主義社会で当然視されて はいけない」と説明した。

▲通りかかる学生が署名後「解雇は殺人だ! 双竜車問題解決しろ!」という内容が書かれたプラカードを持って立っている。

同じ年頃の友だちと署名をしたキム・チェヨンさん(高3)は「竜山惨事事件は TVで見て知っていたが、双竜車事件はたった今(記者から聞いて)初めて知った」 とし「それでもこうして署名ぐらいでもできてよかった」と述べた。

同僚の会社員と共に署名したハ某氏は「双竜車事件は、生計が難しくて自殺し たとは聞いたが、正確な内容はよく知らない」とし「そんなニュースを聞くと 悲しい、解雇されても制度的保護装置があれば良い」と明らかにした。(記事提携= ビーマイナー)

▲「解雇は殺人だ」横断幕の前に全国障害者差別撤廃連帯活動家が座った。

▲「解雇は殺人だ! 双竜車問題解決しろ!」1人デモ

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-05-17 15:05:25 / Last modified on 2012-05-17 15:05:39 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について