弘益大などの清掃労働者、集団交渉決裂...闘争局面に

『生活賃金』と『窓口単一化』問題、清掃事業場から始まるか

2月7日、弘益大をはじめ5つの大学の清掃労働者の2012年集団交渉が最終的に 決裂した。

これにより5つの集団交渉事業場を含む公共労組ソウル京畿支部所属清掃、警備 労働者は、賃金、団体交渉勝利のための2012年闘争の火ぶたを切ることになった。

弘益大と延世大、梨花女子大、慶煕大、高麗大の清掃警備労働者は、昨年11月 19日、14の業者と1次集団交渉を始め、7日の9次交渉を最後に交渉最終決裂を 宣言した。

［出処:チャムセサン資料写真］

使用者側が時給100ウォンの値上げを要求し集団交渉決裂...闘争局面で

今回の集団交渉の主な決裂原因に作用したのは賃金交渉だった。労組側は交渉 突入当時から時給5410ウォンを要求として提示したが、使用者側は1月3日の5次 交渉で賃金凍結を提示した。その後会社は7日の9次交渉で4700ウォンを公式に 提案したが、労組との立場の違いを狭められず結局交渉が紛糾した。

公共運輸労組ソウル京畿支部のクォン・テフン組織部長は「9次交渉で使用者側 は時給4700ウォンを公式に提案し、労組と合意できず最終決裂した」として 「昨年も最低賃金以上の賃上げが行われたので、現場清掃美化労働者の生活賃金 を考えて、5000ウォン以上を要求したが受け入れられなかった」と説明した。

延世大、高麗大、梨花女子大は2011年の集団交渉で時給4600ウォンで合意した。 2011年の最低賃金は4320ウォンで、彼らの集団交渉と闘争はそれまで法定最低 賃金程度だった清掃、警備労働者の賃金水準を最低賃金以上に押し上げたとい う評価を受けた。

だが2012年の集団交渉で賃金交渉が最終決裂したことで、労組は争議対策委員 会を構成して闘争局面に転換、集団交渉闘争勝利に動く方針だ。クォン・テフ ン部長は「集団交渉は社会で一番弱い労働現場の清掃、用役労働者の労働条件 を改善し、生活賃金を勝ち取るという趣旨だが、まだ大学や用役業者は最低賃 金に固執している」とし「今回の闘争で、必ずまともな生活賃金を勝ち取る」 と明らかにした。

これにより労組は今後、ソウル地方労働委員会に争議調整申請をして組合員の 争議行為賛否投票により、ストライキなどの全面闘争に突入する展望だ。

2012年複数労組『窓口単一化』問題、清掃事業場から始まるか

一方、公共労組ソウル京畿支部を中心にした清掃・警備事業場の今回の闘争は 複数労組制度の下での窓口単一化問題を解決する闘争に広がる兆しだ。

［出処:チャムセサン資料写真］

昨年7月1日から複数労組窓口単一化制度が施行され、ソウル京畿支部に所属す る事業場の弘益大、延世大、梨花女子大、慶煕大などでも使用者側による御用 労組が設立され、現場の混乱が強まっていた。現在、延世大にはソウル京畿支 部所属の延世大分会を含み、3つの労組が共存しており、複数労組が設立されて から、延世大分会所属364人の組合員の39%に当たる145人が労組を脱退した。

梨花女子大のD業者は、労組組合員の45.8%(83人)、御用労組組合員は38.6%(70 人)と集計されている。慶煕大では、1月の慶煕大分会美化組合員は50人と集計 され、御用労組組合員は70人で過半数以上を占めている。

延世大は、9月に用役業者が御用労組設立を主導する文書が発見されて問題になっ た。該当文書には複数労組設立時の数についての検討、創立総会案、規約案、 行政官庁設立申告などの具体的な事案が含まれている。また労組によれば、該当 業者の管理者が組合脱退書を配るなど、組合員脱退工作をしたという。

特に窓口単一化制度が施行され、清掃労働者の集団交渉にも赤信号が灯った。 現在、集団交渉に参加している14業者のうち窓口単一化をしたところは3か所で、 その他には窓口単一化手続きが行われていない。労組側がソウル地労委に争議 調整申請を提起しても、労働部と地労委は窓口単一化手続きの履行を要求して、 申請を棄却、または却下する可能性が高い。

そのため労組は産別交渉による集団交渉の認定と、間接雇用の現実に合わない 窓口単一化手続きの廃棄の闘争に動かざるを得ない状況だ。民主労総が2012年 8月、労組法全面再改正などを掲げて全面ストライキを準備しており、今年の上 半期の清掃、警備労働者の闘争が、労組法再改正闘争の信号弾になる可能性が 高くなったわけだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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