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大法院も正規職だというのに自殺したいとは

[現代車非正規職ストライキ1年](1)不法人身売買、証拠隠滅...政府は共犯

パク・ジョンギュ(金属労組前非正規局長) 2011.11.18 10:18

[編集者注] 2010年7月22日、大法院は2年以上働いた現代車社内下請労働者は 不法派遣であり正規職と見なすと判決した後、現代車非正規職労働者たちは、 11月15日から12月9日までの25日間、蔚山工場占拠ストライキを行った。大法院 の判決後、高等法院と労働委員会でも不法派遣が認められたが、現代車は正規職化 の交渉に出てこず、ストライキに参加したことを理由に104人を解雇し、千人以上 の組合員を懲戒した。非正規職労働者の象徴になった現代車社内下請労働者の ストライキ1年をむかえ、当時、金属労組幹部として25日間のストライキに参加 した前金属労組非正規局長が文章を送ってきた。

▲昨年現代自動車非正規職労働者の工場占拠ストライキのようす

「アパートのベランダに立っている時間がますます増えています。一日に何度 も死にたいと思います。大法院の判決を履行しろとストライキをしたのに、 解雇の苦痛がこれほど苦しいとは思いませんでした」。

今年の初め、現代自動車蔚山工場を解雇された非正規職のユン某組合員は、 双竜車労働者の死が他人事とは思えないと言う。彼は長い間つきあっていた ガールフレンドとも別れた。復職と正規職化に対する夢は放棄しなかったが 解雇と生計の苦痛が彼を重く押さえ付けている。

ちょうど1年前の2010年11月15日。現代車非正規職労働者は『大法院判決により すべての社内下請労働者を正規職に転換しろ』と要求して、25日間の工場占拠 ストライキを繰り広げた。

のりまき一本で一日頑張らなければならず、ビニールのふとん一枚で寒さを防 いでも、正規職化への熱望で幸せだった25日、蔚山を越え、全国を揺るがした 非正規職労働者のストライキは、いつしか1年になった。幸せだった記憶は薄れ、 残忍な現実は鮮明だ。

幸せな記憶は薄れ、残忍な現実は鮮明

現代車資本は血も涙もない。ストライキに参加したことを理由に蔚山、牙山、 全州の工場で104人を解雇し、千人以上の労働者を懲戒し、数百人の組合員に 損害賠償を請求して、月給通帳を差し押さえた。

先月、金属労組非正規闘争本部が現代車非正規職解雇者を対象に実施した アンケート調査は衝撃的だった。解雇後に精神の健康が解雇前より悪化したとい う応答が92.7%にのぼった。解雇により家庭が破綻し、離婚寸前の組合員も 少なくなかった。

長期間の解雇は家庭を根元から揺さぶり、生計の苦痛による憂鬱症はいつ 爆発するかわからない時限爆弾になった。

会社の弾圧よりも、正規職労組の無視よりも、さらに苦しいことは、非正規職 労組の分裂だった。続けて起きた組合費流用事件は非正規職の道徳性に大きな 傷を残し、組合員の不信は深まった。倒れた組合員は残った力を振り絞って 正規職に連帯を訴え、会社と戦うのではなく、互いの非難に没頭した。

希望の旗は遠ざかり、絶望と挫折の濃厚な影が工場に暗く垂れこめた。

現代車純利益は毎年史上最大を更新

非正規職労働者たちの闘争を鎮圧した現代車は常勝疾走した。今年の現代自動 車の純利益は7兆9千ウォンに至る展望だ。これは昨年の純利益5兆4413億ウォン より45%以上高く、世界経済危機が吹き荒れた2008年の純利益8578億と較べれば、 何と920%の増加だ。

また、現代車グループは今年上半期の上場系列会社の純利益は9兆1679億ウォン で、不動の1位だった三星グループ(8兆1036億ウォン)を追い抜いた。

現代車グループの莫大な純益は、正規職労働者だけでなく、社内下請労働者と 部品メーカーの労働者の血の汗によるものだ。李明博政権は法人減税、ウォン 安政策、廃車支援金に国民の税金を注ぎ込み、財閥の腹をさらにふくらませた。

今年予想される現代車純利益のたった1.6%あれば、社内下請労働者1万人をすべて 正規職に転換でき、失業で苦しむ青年を新規採用して安定した雇用を作れる。

しかし現代車資本は『キジ食べて卵食べる』で、『黄金の卵を産むガチョウ』 の社内下請非正規職使用を放棄しようとしない。逆に現代モービス、現代ウィア など主な系列会社では、正規職は管理者、生産現場はすべて社内下請非正規職 労働者という『正規職0人工場』を広げている。

労働部は不法人身売買の共犯

「自動車産業が史上最大の利益をあげても、雇用人員はほとんど増加しない。 長時間勤労を減らす代わりに足りない人員は、社内下請けの優秀な人材を雇用 したり青年に働く機会を与えれば、労・使・政が肯定的に変わる」。

11月10日、雇用労働部のイ・チェピル長官が記者懇談会で言った話だ。彼は 9月29日に蔚山を訪問し、現代車社内下請労働者は正規職だという大法院と忠南 地労委の判決について「守った方が良く、法的に争う余地があっても判決は できるだけ尊重されることが望ましい」と話した。

大法院の判決まで紙切れにし、非正規職労働者を残忍に弾圧して、自分の腹を さらに膨らませている財閥に対する社会的な怒りが広がって、李明博政権への 審判の世論が高まったため、労働部が一足遅く現代車資本を牽制し始めた。

だが李明博政権は、『現代車不法派遣』の最大の責任者だ。昨年の7月22日の 大法院判決以後、不法派遣事業場閉鎖、特別勤労監督実施、労働組合共同調査 の要求をすべて拒否し、不法派遣を縮小、隠蔽に汲々としている。

9月18日、金属労組は現代車牙山工場社内下請業者労務管理者の手帳を入手し、 現代車が社内下請労働者の実質的な使用者であるという事実と、不法派遣の証拠 が現代車により、組織的に隠蔽されている事実を暴露した。

労働者たちは不法派遣の証拠隠蔽に対し、現代車の特別勤労監督を要求したが、 労働部は聞く振りもしなかった。10年以上不法な人身売買が行われ、大法院が 不法と判決し、不法を隠しているのに、労働部と検察はこれを放置する共犯だ。

体制を威嚇する非正規職

最近、国会立法調査処は、非正規職労働者の規模、賃金などの推移を分析した 報告書を発行し、この10余年間に非正規職乱用現象が改善されず、社内下請の 規制などの非正規職対策が急がれると勧告した。

政府と政界は、財閥の貪欲に対する国民の怒りに驚き、競争で非正規職問題の 対策を出している。今、韓国社会の非正規職問題は社会的問題であり、政権と 体制を威嚇する決定的な問題になった。

しかし李明博政権は、派遣対象を拡大し、人商売を大企業にも認めようとして おり、ハンナラ党は正規職として派遣業者に雇用された労働者は正規職に転換 しなくても良いという派遣法改悪案を提出し、『一度非正規職になれば、一生 非正規職』にしようとしている。

財閥の貪欲で絶叫する850万非正規職労働者は、今、政府と政界を怒りの目で 見ている。

大法院でも正規職と判決があったのに、アパートのベランダに立って一日にも 何度も死を考える現代車社内下請労働者に、李明博政権と政界はどう答えるの だろうか?

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-11-18 19:52:03 / Last modified on 2011-11-18 19:52:15 Copyright: Default


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