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タグボート労働者がストライキに入った理由

[蔚山労働ニュース]メアム埠頭スト タグボートで会った曳船労働者

イ・ジョンホ記者 www.nodongnews.or.kr / 2009年08月09日1時32分

「遠洋船に何年も乗って、家族と一緒に暮したくて入ってきた人々です。なん とか陸に定着しようとしている人たちなのに、遠洋船で貯めた金でタグボート で使い果たしています。生活になりません。タグボートの人はほとんどみんな 共稼ぎです。しなければ生きられません。また金を稼ぐため、妻子を置いて遠 洋船に乗らなければならないか悩んでいます。会社は毎年40〜50億ウォンのタ グボートが一隻ずつ増えても、われわれは遠洋船で稼いだ金を使い果たしてい るのだから... 航海士も甲板士も、みんな国際資格証明です。ところがここか ら出ていけはドカタ(土方)しかできる仕事はありません。会社はそんな弱点を 巧妙に利用して、今まで私たちを奴隷のように働かせてきたのです」。

ストライキ二日目の8月8日、メアム埠頭に停泊するストライキ タグボート26 隻のうちの1つで労働者と会った。

ストライキ労働者たちは、タグボート労働者の実状をマスコミはほとんど知る ろうともしないとし、これまでの鬱憤をぶちまけた。

▲狭い休憩室でタグボート労働者は無線に神経を尖らせて待機し、作業指示があればすぐ曳船作業に入らなければならない。食事の時間はなく、食事の時間も5分もかからない。[出処:蔚山労働ニュース]

「VHF無線で寝ても寝ていません」

VHF(超短波無線機)がある狭い休憩室で、VHFから作業の指示があるまで労働者 は神経を尖らせて待機しなければならない。

36時間連続徹夜労働をする当直の日にはVHFに気を遣って夜はほとんど寝られな い。休憩室のテーブルによりかかり、少し居眠りするのが全部。

「VHFのおかげで寝ても寝られません。夜中の作業も多いです。夜が明ける頃に はぼうっとしています。身も疲れて精神も疲れてへとへとです」。

タグボート二隻が互いに平行を合わせなければならず、小さなミスも容認され ない曳船作業自体もとても敏感な作業で、精神的・肉体的疲労は加重される。

波が高い日には、4〜5メートルも上下する船首でロープを捉んでいなければな らない。だが別に危険手当があるわけでもない。

船長、1等航海士、機関長、1等機関士、甲板長の5人の労働者は、午前5時30分 に船に乗り一日の仕事を始める。平日勤務は午後5時30分までだ。

一か月に7回の当直のときは、午前5時30分に出勤し、翌日午後5時30分まで36時 間ぶっ通しで働かなければならない。ところが翌日の夜までかかれば40時間以 上連続して仕事をする。

曳船作業だけではない。時々船のあちこちを修理し、整備しなければならない。 ロープ(TUG LINE)も補強しなければならない。

曳船労働者たちには名節や夏期休暇がない。一か月に5日の休みが全て。これ では退勤して安心して同僚と酒一杯飲むのも難しい。

「何か月か前に、夜酒を飲んで船で寝ようと埠頭にきたところ、海に落ちて死 んだことがありました。翌日明け方に出勤するのが負担になって、家に帰らず 船に来て被害に遭うのです」。

「30年経歴の船長の年俸が5000万ウォンになりません」

このように働いて曳船労働者の賃金はどれくらいになるのだろうか?

遠洋船の経歴がある勤続4年の1等航海士の基本給は95万ウォン、ここに時間外 手当(時間外勤務時間と無関係に定額固定)75万ウォンと乗務手当などを合わせ れば205万ウォンだ。各種税金と保険料を引くと189万ウォンが手取り。

賞与金は基本給に乗務手当を足した通常賃金の600%だ。この賞与金も1998年の IMFの時に300%に削減され、最近回復した。ところがチョクァン船舶はまだ 500%だ。

「経歴30年の船長の年俸が5000万ウォンを越えません。一日おきに夜間当直し て、時間外手当で受け取るのは75万ウォンが全て、食費に出るのが1人当り一日 1万500ウォンです」。

午前5時30分に船に乗る労働者たちは別に食事時間はない。飯と汁は休憩室の向 かい側にある厨房でタンクの水でする。おかずは近所食堂で注文する。

「おかず代を節約しようと、朝ごはんは粥を煮て醤油で食べることも多いです。 家から食べ物を持ってきたりもします。船員は労働強度が高く、一日4000カロ リー以上食べなければならないのにどうしようもありません」。

「獣よりひどい生活です」

年数で34年になる2000馬力級のタグボートの中は古くなっていた。

▲この狭い空間で顔を洗わなければならない。[出処:蔚山労働ニュース]

▲船の下にある寝室。かびの臭いが立ち込める。[出処:蔚山労働ニュース]

▲トイレにある水桶。サビの水で真っ黒だ。波の高い日は用便も難しい。[出処:蔚山労働ニュース]

「陸で水を補給し、保管する水タンクは、清掃せず3〜4年になります。この水 で食事の仕度をして汁を作っり、シャワーと洗濯をしています。5日もたてばサ ビの水が出てきます。トイレもひどいもんです。波があれば用を足すこともで きません。会社に修理してくれと1年以上言っていますが聞き入れません。船さ え動けば良いというのでしょう。本当に獣よりひどい生活です」。

休憩室から出て、階段で船の下に降りると寝室がある。かびの臭いが立ち込め るここで労働者は疲れたからだを横たえて、つかの間の睡眠を求める。

軽油価格を節約して燃料に使うバンカー-A石油が上げるものすごい媒煙を吸い ながら青春をタグボートに捧げた労働者たちは、我慢できずに労働組合を作り、 ストライキに入った。

チョクァン船舶、先進総合、ヘガン船舶の3社は、職場閉鎖と不法争議行為中断 仮処分申請まで考慮しているという。

「自分を信じ、仲間を信じ、労働組合を信じ、ぜひこの戦いに勝とう!」初めて 鉢巻きをまき、罷業歌を歌うタグボート労働者が突き上げる拳に力が入る。

▲生まれて初めてのストライキ。罷業歌を歌う拳に力が入る。[出処:蔚山労働ニュース]

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2009-08-10 20:33:27 / Last modified on 2009-08-10 20:33:28 Copyright: Default

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