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「われわれは負け方を知らなかった」

[インタビュー]キム・ホジン、キム・ソグォン ニューコア労組前、現職指導部

チョン・ムンギョ記者 moon1917@jinbo.net / 2008年12月19日12時57分

8月29日、ニューコア労働組合が434日のストライキを終えて合意した。非正規 職問題を社会に全面的に浮上させたニューコア-イーランドの闘争であっただけ に、多くの言葉が行き来した。一部には「幹部の損害賠償訴訟を取り下げただ けの悪い合意」という極端な評価がある。しかしニューコア労組は「結果がみ ずぼらしくて申し訳ないが、結果だけで非正規職と共に痛みを分かちあったこ とまで埋もらせてはいけない」という手紙をインターネットに載せただけだ。 長い沈黙に入った。

▲チャムセサン資料写真

ニューコア労組は434日のストライキの『みずぼらしい結果』を抱いて現場に復 帰した。ストライキ指導部は、自分が署名した合意書のために現場ではなく、 家に帰った。彼らは沈黙の中でも労組を守るため新任指導部を選んだが、1200 人を越えた組合員は500人余りに減った。

ストライキが終わってから4か月、沈黙したままのニューコア労組の前・現職指 導部と会った。解雇者のキム・ホジン前ニューコア労組副委員長とストライキ の時にソウル支部職務代行で、今はニューコア労組首長を引き受けたキム・ソ グォン委員長が同席した。

「勝った負けたの境界はあい昧だ」

キム・ソグォン委員長は、「ホームプラスがホームエバーを買収し、心理的な 圧迫が大きかった。占拠もして売り上げゼロ闘争などを行って会社を圧迫し、 妥結水準を高めようとした。しかしイーランドグループはホームエバーの売却 で詰まっていた喉が開いた」と8月末に合意した理由を説明した。

キム・ホジン前副委員長が用心深く補った。「最後に拘束されたが、出てくれ ば雰囲気が変わっていた。幹部が急激に動揺した。長期ストライキの疲労も問 題だったが、ホームプラス売却が直接の原因だったようだ。それで追われるよ うに合意したようだ。」

ニューコア労組内部の状況は難しかったが、先に合意したことでイーランド一 般労組はもちろん、共に戦った人々の心理的な打撃も大きかった。戦いは、 ニューコア-イーランド一般労組の共同闘争だった。そして当時、進歩言論は ニューコア労組の合意に対する批判記事を吐き出した。

▲キム・ホジン前ニューコア労組副委員長

「不足の多い合意だったが、イーランド一般労組の合意と大きな差があるかわ からない。われわれは最後まで非正規職と連帯し、全員を復職させた。ただし 追われるように合意し、連帯していた組織と結果を共有できなかった。合意案 の判断だけでなく、連帯した組織と相談しなかったという批判なら、批判を受 けて話しただろう。敗北も準備するべきだったが、負け方を知らなかった。勝 つと思った。とても意志が強かった」キム・ホジン前副委員長が長いため息と 何度かの沈黙の後に言った言葉だ。

434日のストライキ闘争は、ニューコア労組初の敗北だ。ニューコア労組は97年 の不渡りの後も、勝つ闘いをした。「勝った負けたという境界はあい昧だ。し かし、組合員の痛みを考えれば負けた闘争だ。ただし、正規職が苦しい闘争を した部分が壊されなかったならいい」キム・ソグォン委員長が話を繋いだ。

「民主労総が貴族労組の集合所と批判されるが、われわれは非正規職と共に戦 う正規職労組の限界を試験した。正規職利己主義、大衆収穫主義の流れで先頭 に立って戦ったことは意味があるが、情勢と条件がストライキを元気良く進め るには限界があった。冒険主義だと言えるが、安定だけを望むのは御用労組だ」

「非正規職と連帯した構造調整闘争」

多くの人がニューコア-イーランド共同闘争を非正規職闘争と話すが、彼らは自 分たちの戦いを正規職労組の闘争だといった。闘争初期、1200人を越える組合 員全員が正規職だったためだ。ニューコア労組の闘争が世の中に知らされたの は2007年6月だったが、06年12月から闘争は始まっていた。

ニューコアが地方の店舗でレジ係を減らすためにPDAを導入しようとし、労組は 構造調整の試みと判断して全面的に対応した。そしてレジ業務外注化の話が出 て、2003年に着手して足踏み状態だった非正規職を全力で組織した。会社がレ ジ業務を外注化したことで闘争に火がついた。ストライキと共に店舗を占拠し た。ニューコア労組は「非正規職が手を離さない限り、最後まで連帯する」と 約束した。正規職は構造調整に、非正規職は解雇に、全面的に抵抗した。

「闘争では非正規職問題だけが注目された。構造調整に対する正規職の闘争が 注目されないのは残念だったが、選ばなければならなかった。だが非正規職の 組織化が遅れ、非正規職の主体化の面で限界は明らかだった。戦いながら限界 を克服しようとしたが、結局成功しなかった。今思えばもっと早くこれを判断 していれば闘争は長びかなかっただろう」。キム・ホジン前委員長は、非正規 職の主体化の失敗が敗北の一因だと判断した。実際非正規職を代議員まで組織 しながら戦術を判断する闘争対策委員会成員に組織することには失敗した。

▲ニューコア労組キム・ソグォン委員長

労組が勝っても長期ストライキの後遺症は大きい。ところがニューコア労組の 434日のストライキ闘争は敗けた闘争になってしまった。

「心苦しい」とキム・ソグォン委員長が話した。「ストライキ前に一部の非正 規職を正規職化したが、会社が彼らの一部を管理職に昇進させ、実利は会社が 持っていった。内部をまとめるために当分、勤労条件の改善に埋没するしかな い。労組の最大のカードはストライキだが、無罷業宣言をしなくても使えない。 闘争したくないからではなく、苦い味を味わったからだ」

労組は選択ではなく必須なので、組合員の組織化からやり直していた。だが、 組合費が差押さえられ、労組の日常活動もできない。組合員も大幅に減った。 何よりも困難なのは『敗北感』だ。キム・ソグォン委員長がインタビューが終 わるころに一言した。

「ニューコア労組は非正規職闘争として社会を揺るがした。一般的な正規職労 働者の姿を見ると、先進的だった。しかし悪く言えば尖った石が本当に合った 格好になった。」

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-12-27 17:33:02 / Last modified on 2008-12-27 17:33:03 Copyright: Default

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