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労働運動の聖骨、真骨、賎骨

[寄稿]KTX乗務員テント撤去論争について

イ・チョリィ(鉄道ソウル地本)/ 2008年07月07日14時10分

7月4日に鉄道労組は、ソウル駅にあるKTX乗務員テントを撤去しろと要請した。 7月5日に予定している『公共部門民営化阻止共同闘争本部』発隊式のため少し の間、撤去しようという。理由はつまり集会場所が狭いということだ。あきれ て情けない。KTX・セマウル号乗務員のテントがソウル市庁前の保守団体集会場 のように広い場所を一人占めしているのでもない。テント二棟を張って、せい ぜい二十坪程度、この程度の面積で集会に邪魔になるから撤去をしろと?

ソウル駅の治安を管理する南大門警察署も、KTX・セマウル号乗務員の実質的な 使用者である鉄道公社も、こんな形の要求はした事がない。ところがKTX・セマ ウル号乗務員が所属する労組の鉄道労組が、乗務員の闘争の象徴であるテント を撤去しろと言うのだ。こんなことが労働運動であるのだろうか? 乗務員にし ても、この真夏の猛暑の中で蒸し風呂のようなテント生活が好きな人がいるだ ろうか? 仕事時間でもない夜11時にテントを撤去しろという要求を聞き、話す 言葉がない。労働運動がこんなにも堕落できるのか、労働運動の中であらゆる 風霜を経たが、ため息とともに怒りが込み上げる。

KTX乗務員は外注委託労働者だ。本来、鉄道公社に正規職で採用されて当然だっ た。2004年KTX開通を控え、2003年4月20日に鉄道労組と当時鉄道庁が正規職 3500人を採用することに合意した。当時、不足する人員とKTX開通に必要な人員、 水原-天安間の電車開通に必要な人員に合意した。しかし政府と鉄道庁は、合意 事項に違反して、約1000人しか採用せず、これに伴いKTX乗務員は全員外注委託 非正規職労働者になった。採用の過程で鉄道公社と採用子会社の韓国鉄道流通 が「公務員身分の待遇をする」と豪語した事実はマスコミでもよく知られてい る事実だ。そればかりか教育訓練の過程や実際の乗務業務で鉄道公社が事実上 の使用者の役割をしていたことは最近の法院判決で相次いで確認された。それ でもKTX・セマウル号乗務員は、3年から2年近く、職場で整理解雇、そして解約 され、路上をさまよってきた。

KTX・セマウル号乗務員がこれまでに体験した苦難は言葉や文では表現できない。 KTX乗務員たちは、誰もが最低五回の公権力投入と連行を体験した。告訴告発、 損害賠償請求、整理解雇および解約、立入禁止仮処分申請など非正規職労働者 の闘争で受けるありとあらゆる弾圧を立て続けに体験しなければならなかった。 彼女らの生活はどうだったか? 20代の女性労働者が風餐露宿の歳月を送らなけ ればならなかった。3年近く家にも帰れず、労働組合の会議室や事務室で事実上、 野宿のような生活をしてきた。コンクリートの地面で丸まって寝たり、露天テ ントで騒音とホコリ、そして乗務員闘争に納得できない市民に毎日のように苦 しめられた。そのうち、怪我をしたり病気で離れた乗務員は数十人に達する。 肉体的苦痛よりも「正当なのに先頭に立った人だけが傷つく」という被害意識 と、警察、検察、法院に言いなりに裁判を受けるのだが、誰がも精神的苦痛を 受けた。

こうした乗務員たちを抱いてくれる人々は同僚の労働者しかいない。民主労組 を自任する鉄道労働組合が、彼らをかばって最後まで責任を負わなければなら ない。それでこそ労働組合が生きられる。労働運動の組織の論理が「連帯と団 結」ではないのか? それなのに、なぜ彼女らを保護し、かばうべき労働組合が、 やっと張ったテントを撤去しろと強要するのか? それも日課時間でない夜11時 を過ぎて、乗務員が疲れたからだを横たえる時に電話をかけて、撤去しろと、 「少しだけ撤去すれば良いのに、それができないというのはとうてい理解でき ない」と威嚇するのか? 乗務員が最後の闘争をすると決心した時、「情勢に合 わない」という納得できない理由で、1人もテント設置に出てこなかった。誰も テント座込み場に激励訪問をした事実もない。韓国社会の民主労組運動がこん なに堕落するのか、民主労組運動に疑問を持つ。ため息と鬱憤で寝られない。

私はこのすべての現実が、労働運動をする幹部と活動家の問題だと考える。実 際のところ、鉄道労働者はKTX・セマウル号乗務員闘争を支持し、援護してきた。 労働組合のアンケート調査で過半数以上の組合員が「KTX・セマウル号乗務員闘 争は正当で、鉄道公社が直接雇用すべきだ」と答えた。KTX・セマウル号乗務員 闘争で鉄道労働者約8000人が自動振替や募金で生計費を支援してきた。こうし た組合員がいるのになぜ労働組合はKTX・セマウル号乗務員のテントを撤去しろ と要求するのか? これはキャンドル集会でソウル市長が「ソウル広場に芝を新 しく植えて、根を張るまで一切の集会を許さない」と要求するのと違わない。

KTX・セマウル号乗務員の問題は、鉄道労組だけの問題ではない。民主労組を自 任する多くの労働組合が、非正規職闘争に連帯することを事実上忌避する。言 葉では「非正規職撤廃」を主張するが、ほとんどの労働組合は非正規職と正規 職労働者の差別を現実だと判断する。民主労組運動の中で、それでも鉄道労組 は少しましだと評価される。しかし私は違うと叫びたい。鉄道労組には3種類の 労働者集団があるようだ。聖骨の正規職労働者たち、真骨の直接雇用非正規職、 賎骨の外注委託労働者たち.....

私は鉄道労組が私を除名することを望む。「鉄道労組はそんな労組ではない。 君はとんでもない嘘をついた。鉄道労組は正規職と非正規職の団結のために先 頭に立った。鉄道労組はKTX・セマウル号乗務員のテントを撤去しろと強要した 事実はない」。そう主張して、私を除名するのなら私は嬉しい気持ちで反省す る。労働組合と鉄道労働者を侮辱した罪を噛み締めて一生反省して暮すだろう。 だから鉄道労組から、私を除名しろ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-07-08 21:14:49 / Last modified on 2008-07-08 21:14:50 Copyright: Default

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