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[論評]公権力で非正規法「定着」の希望を実現できるのか

盧武鉉政府は公権力投入の試みを即刻中断しろ

チャムセサン/ 2007年07月19日20時28分

イーランド資本はどれくらい頑張れるだろうか。占拠から20日目、ニューコア- イーランド労働者の絶え間ない戦いがイーランド資本だけでなく資本と政府の 巨大な構想を根から揺るがせている。見るべきものもなく、誰も注目しなかっ た、私たちの社会の最も低いところで生計を維持するために苛酷な労働に耐え て生きてきた、組織されず、何の社会的影響力も無いように見える「女性労働 者」たちの力だ。この少数の女性労働者たちが、起業するのに良い国、先進労 使関係構築、所得3万ドル時代を主張して、盧武鉉政府がこの4年間精魂を込め て築き上げた塔をあっという間に倒している。予期しなかった女性労働者の抵 抗の前で、一貫して非正規法改悪を押し切ってきた資本内部ですら法改悪過程 の評価と適用をめぐり分裂の兆しが見られている。

結局盧武鉉政府は公権力を投入するようだ。もちろん盧武鉉政府にとって公権 力投入は少しも見慣れない用語ではない。盧武鉉大統領は執権半年で鉄道労働 者のストライキ現場に公権力を投入し、公権力投入直後のその年9月、先進労 使関係ロードマップを発表した。口を開けば正規職のポケットをはたいて非正 規職問題を解決しろと、労働者と労働者の間の分断をたくらんだ。社会的合議 体体を構築するために民主労組運動の上下に露骨に介入し、その結果民主労組 運動の自主性と階級性を深く傷つけるに至った。やがて韓米自由貿易協定推進 と共に、労働柔軟化の法制度的構想は完成段階に到達した。おそらくこれ以上 の障害物はないと思っていたのだろうが、その背景には常に公権力というバック グラウンドが作動していた。

ニューコア-イーランド労働者の占拠座り込みと労使交渉過程は、韓国社会の 階級闘争の本質を写実的に見せる巨大なドラマだ。ニューコア-イーランド労 働者の抵抗は、参与政府が構築してきた労働柔軟化4年の功過を根底から揺る がし、「保護」に隠されてきた非正規法の階級的属性を一つ一つ暴いている。 タチの悪い個別資本家の固執と、行き場のない非正規職女性労働者の戦いでは ないのだ。今や資本と政府の希望はただ一つ、どうすれば事態を収拾して非正 規法を「定着」できるかだ。非正規法施行と定着が資本の労働柔軟化要求を貫 徹する結節点であり、同時に韓米FTAを共謀した新自由主義支配連合の安定し た政治的再編を保障するものであることを本能的に知っているためだ。

イーランド資本が事態解決のため案を出さないのは、案を出さないという問題 ではなく、案を出せないと見るのが妥当だ。会社側の案が「前向きに検討」 「苦痛分担」「正規職転換は面談後」「告訴告発善処」など、抽象的で包括的 である反面、労組側の要求は「3か月以上労働者雇用保障」「24か月以上労働 者正規職化」「解雇者復職」「座り込みによる告訴告発撤回」のように具体的 で明らかだ。イーランド資本は法の通りするために、非正規法定着要求を貫徹 するために、交渉戦術に臨んだところ、事態の解決には何の役にも立たない立 場を繰り返すばかりで、労組側は施行令による解雇の威嚇の前に生存を維持す るための最低限の防御的な要求をしているだけだ。まさにここでは新自由主義 労働柔軟化がもたらす、非正規法施行令に内包された階級敵対が明らかに確認 されているだけだ。

イーランド資本が名分を積むための交渉戦術を展開したのもそうだ。会社側が 譲歩をしたのに労組はしなかったという世論を引き出すために、何十時間も同 じ言葉を繰り返し、交渉と世論戦を繰り広げた。また組合員内部の団結をかく 乱するためにあらゆる手段を動員してきた。しかし意図通りにはならなかった。 世論は女性労働者の声に従っており、組合員内部の団結はなかなか揺らがない。

資本と政府においては、ニューコア-イーランド労働者の抵抗をいかに管理し て突破するかの問題は、非正規法定着のリトマス試験紙だ。今や「定着」のた めに「格別な措置」は避けられないものと見られる。盧武鉉政府が熱心に表情 管理して隠してきた新自由主義の暴力性を再び表わす「危機」状況に置かれて しまった。

しかし、盧武鉉政府は寸刻を争う公権力投入を即刻中断しなければならない。 公権力投入はさらに大きな不幸を招くだろう。あるいは労働者の占拠座り込み を公権力で屈服させられるかもしれない。だが、これは一時的な鎮圧成功でし かなく、非正規法「定着」の希望には決してつながらないだろう。すでに反故 であることが判明したような非正規法を廃棄することだけが、これ以上の不幸 を防ぐことができる。非正規法を廃棄して執権以後、先進労使関係構築と労働 柔軟化強化政策のために始まった非正規職労働者問題に対する前向きな方案を 探すことだけが、唯一の事態解決の道であることを肝に銘じることを望む。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-07-21 03:22:03 / Last modified on 2007-07-21 03:22:03 Copyright: Default

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