本文の先頭へ
韓国:キリュン労働者「8月には工場に帰る」
Home 検索

キリュン労働者「8月には工場に帰る」

[長期闘争!けりをつけよう!!](7) - 崩れたテントを新しく建て、勝利の決意を新たに

オドヨプ記者 odol@jinbo.net / 2006年07月26日14時07分

地下鉄1号線の「カサンデジタル団地」駅でおりた。まだ「デジタル団地」よ り「工業団地」の記憶が強い。「カサン」というより「加里峰」のほうが馴染 む。駅を出て工業団地を探しに出た。だが工場より先に目に映るのは「アウル レット」という名の高い商店街建物だ。

キリュン電子を訪ねて行く。商店街の建物から流れてくる音楽を聞きながら歩 く。工場は見つかるだろうか。二十年前、あちこちから聞こえてきたミシンの 音と「キム・ギドクの2時のデート」が重なる。ストライキ場でお盆を迎えた 記憶もよみがえる。

デジタル団地...加里峰

禿山駅の方向に5分ほど歩くと、2台の警察バスが三叉路に止っている。ここで 右に行かなければならない。カーセンターと食堂がある路地に入るとテントが 見える。濃いサングラスに黒い服装の用役警備も見える。キリュン電子だ。

正門の前にくると、ここが工業団地だとわかる。加里峰駅の変身をあざ笑うか のように、二十年という時間をそっくりそのままキリュン電子がある。

固く閉じられた鉄の門に書かれた労働者の怒り

工場へ行く道はふさがっている

工場の塀の上の鉄条網には労働者の心がからまっている

去年作った宣伝物にはキリュン分会の歩みが短く記されている。300日を過ぎた後、キリュンが歩いてきた道はどれほど長く書かなければならないだろうか

「デジタル」とは似合わないどっしりした鉄の門は青くさびている。正門のス キ間には鉄板が重ねて当てられ、がんじょうに溶接されている。サングラスの 用役警備と分厚い鉄の門は工場ではなく収容所の印象を漂わせる。

初めから収容所だったのかもしれない。「不法派遣勤労者」を工場で働かせ、 3ケ月ごとに大々的な仕分けをした。契約解除。労働者には死の宣告であった。

2005年7月5日、キリュン電子労働者は収容所の労役者ではないと宣言して労働 組合を作った。10分で200人の労働者が組合に加入した。工場の外に追い出さ れて300日。まだその日の記憶を忘れることができず、テントを張って戦って いる。

収容所の労役者ではない

金属労組キリュン電子分会は、7月24日から3日間工場前の野宿闘争に入った。 8月には交渉を妥結させ、工場に帰る意思を確かめ合う闘争だ。

キリュン電子を訪ねた日は、野宿闘争2日目の日だ。金属労組4時間ストライキ の日でもある。ハンウムル浄水器、天地産業など、ソウル南部支会の労働者た ちがキリュン電子の前に集まり、ストライキ決意大会を進行した。

集会を終え、司会者が実践闘争を展開しようと言う。今日の実践闘争は、正門 突破も用役警備との小競合いもない。風雨に倒れたテントを撤去して、新しい くつろぎの場所を作る仕事だ。

テントを取り払うとミミズが出てくる。湿っぽい土地に人生を横たえて三百日が過ぎた

支援の労働者たちが新しいくつろぎの場を作る

パジョンをひっくり返しながら、引っ越し祝いを準備する

テントから見た工場。野宿は続く

昨年、工場で座り込みを始めてから三回目だ。テントを取り払ってオンドルの 床をはがすと、湿気でかびがはえている。いろんな虫がむずむずと這い出す。 キリュン電子の労働者はここで三百という昼と夜を明かし、組合を守って 工場に帰ろうと戦った。

勝利の8月に向かって

大きなミミズを見て、みんな驚く。「ミミズではなく蛇だ。」

片方ではパジョンを焼いている。また柱をたて、テントを張り、ビニールで覆 う。オンドルの床は以前のものをそのまま使う。支援の労働者たちが自分の事 のように出る。「きちんと縛れ、倒れないように」。

どっしりした鉄の門が開き、テントが消える日を待つ。加里峰駅はカサンデジ タル団地駅に変わり、工団にはきらびやかな照明が光る常設ディスカウント売 り場のビルが突っ立っているが、変わらない。いや、さらに苦しい人生を強要 される労働者を見て、ストライキをしながらお盆を迎えなければならなかった 二十年前の労働者の顔を思い出させる。

何度もたたいた茶碗の底辺は傷だらけだ

正当だから笑える

「あせっているのは私たちではなく会社です。私たちの要求が正当だからです。 8月には必ず勝利して工場に帰ります。組合員の顔を見て下さい。余裕があふ れています。苦しい1年を戦ってきましたが、正当な要求でしたから笑えるの です」。キムソヨン分会長の顔は勝利の自信であふれている。

キリュン電子労働者のオレンジ色のチョッキは、オレンジ色の半袖Tシャツに 変わった。一層明るく見える。不法派遣が明らかになったキリュン電子、組合 員の「直接雇用、正規職化」の要求は正当なので、近づく8月は希望があふれ る。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-07-30 00:12:45 / Last modified on 2006-07-30 00:12:46 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について