本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:労組を守るために戦う大宇建設ビルの労働者
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1165233831098St...
Status: published
View


闘争1か月、そして初雪

労組を守るために戦う大宇建設ビルの労働者

イ・コンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2006年12月04日15時33分

コンクリートのかたまりに人のにおいを吹き込んだ労働者たちの闘争30日

闘争30日、大宇建設ビルをまた訪ねた。清掃した罪しかない労働者、ただコン クリートのかたまりでしかないビルを生かし、清潔にした罪しかない労働者た ちがそこで30日間、働くために戦っている。

生存権死守のための闘争、1ヶ月

毎日せわしなく携帯メールがくる。

「組合員分裂策動・労組破壊工作の先頭に立つウリ資産抗議座り込みに突入」
「新規保安業者今日深夜12時までに個別勤労契約要求後すぐ現場侵奪予想」

dw projectという名で労組を破壊しようとしている大宇建設の策動に、労働者 たちは一日一日をかろうじて粘っている。対話をするために労働者たちは一日 何回も14階にある大宇建設の子会社であるウリ資産管理と、24階にある大宇建 設の社長室を訪ねて行く。だが彼らは答えない。ただどうすれば労組をなくせ るかだけに血眼だ。

ウリ資産管理では、別々に組合員ひとりひとりを呼び、労組を脱退すれば契約 を締結すると言って組合員を懐柔している。これもdw projectで明らかになっ ていたことだ。dw projectでは「保安、美化を含む新規業者は、大前提として 現在の人員を全員現場人員に吸収し、雇用を保障する」という案内により短期 間で雇用を継承し、一定期間後、採用条件に外れる場合(高齢者、資格未達者 など)、他の事業場に転勤させ、雇用不安をなくし不法行為の名分を払拭させ る」と言っていた。

いくら対話をしようと要求しても黙々無返答の大宇建設

クォン・オクプン組合員

このようなウリ資産管理の行動のため、組合員は不安だ。ある組合員は使用側 の懐柔に勝てず、座込み場に何日も顔を出さない。

「正直、心配は山ほどある。こうすればいいのか、ああすればいいのか。とて も気が重くて心配だ。30日になるのに、働くより疲れるよ」

クォン・オクプン組合員は率直な心を伝えた。使用側の懐柔で、あるいはとい う気にならない人はいない。見苦しいことをせず、心配もせず、ただ彼らが言 う通りに静かに働けば追い出されることもないのならどんなに良いかと思うの は当然だ。会社はこうした組合員の気持に食い込んでいる。

「闘争を続ければ少しは進展があってもいいのに、あいつらはびくともしない。 私たちの指導部が対話をしようと文書も送って、占拠もして、座り込みもして いるのに会わないんだよ」

ある人々は騒ぐ。労働者が対話を拒否して一方的に自分の立場だけで強硬に動 いていると... だが、本当に強硬に対話を拒否しているのはいつも会社側だ。 労働者を対話の相手だと思わないのだ。

「私たちは直接お前たちを雇ったわけでもないのに、なぜ私たちが会わなけれ ばならないのか。外注業者社長とよく話して解決しろ」。大宇建設は労組と会 う理由がないと言った。問題はいつも元請だった。下請けに出したのだから自 分たちには責任がないと言うが、問題は常に元請だ。元請が対話しなければ、 下請け業者と対話しても何も変わらないからだ。浦項の建設労働者がそうだっ た。清州のハイニックスマグナチップ社内下請労働者がそうだった。大宇建設 ビルの美化、保安労働者たちがそうだ。

「私はここで30年近く働いてきた。三十五でここに来た。玄関の掃除だよ。ど うして私たちがこんな扱いを受けなるのかってことさ。とてもくやしいよ。定 年を決めて、その時には勝手に出て行くようにすれば良いのに。ここにいない 人にこう言ってもいいか? 気に障るし空しい... 怒りが収まらないよ」。

クォン・オクプン組合員は今60歳だ。だが、これまで最低賃金にも達しない低 賃金と長時間労働に苦しめられてきた。だが彼女が得たものは、定年までしっ かり働き、働いただけ受けられる権利ではなく、非正規職、契約職、契約解除 という名前だけだった。

「もし負けることがあっても最後まで一緒に」

「おばさんたちはみんなそうさ。もし私たちが負けても一緒だという覚悟だ。 どこに行っても、たとえ他の外注業者に行っても、労組はなければならない。 絶対に私たちがばらばらになったらダメ。粘り強く最後までやるよ」。

大宇建設ビルで数十年働いてきた老いた労働者たちは、労組を作って初めて最 低賃金が支払われた。そして人間らしい扱いを受けるということが何なのかを しった。労働者として頑張って働くことが何を意味するのか知った。

組合員たちはストライキ手帳を手にしっかり握って歌詞を読んで歌う。

組合員たちの頭にも初雪が降った。

闘争30日目、集中闘争をしていたソウル駅前に突然雪が降り始めた。クォン・ オクプン組合員は「変な気分だ。雪に降られ、雨に降られながら闘争する私の 姿がかわいそうだ」と話しながら、頭上に降る雪をぱっとはたいて立ち上がっ た。

「大宇センタービル下請け闘争関連保安代替人材が座込み場を侵奪!ソウル駅前 大宇建設ビル」

また一本の携帯メールが緊急に電話を鳴した。4日、ウリ資産管理は10数人の 用役班員を雇い、14階で座り込んでいる組合員を威嚇した。非常扉も締め、エ レベーターも止めた。そうして時間が過ぎ、労働者たちはまた一日を1階ロビー に用意されている座込み場で過ごした。労組は1階の座込み場を拠点に問題が 解決するまで戦いを続けていくだろう。

*大宇建設ビル美化、保安労働者たちの闘争30日。
大宇建設ビルの前は美化労働者のストライキで落葉がぎっしり積もっている。労働者は生存権が保障されるまで、労組が認められるまでこの落葉を片づけないだろう。*

また携帯メールがきた。

「警備用役30人常駐中ロビーテント侵奪に備えて待機中」

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-12-04 21:03:51 / Last modified on 2006-12-04 21:03:53 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について