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諜報作戦…ストライキ出征式の再構成

共同闘争本部が置かれる カルフ中渓店の状況中継

オドヨプ記者 odol@jinbo.net / 2006年09月06日8時44分

朝風が違う。9月5日、イーランド労働組合がストライキの出征式を行う日だ。 イーランド新村本社で開かれるストライキ出征式に行くためにカメラと取材手 帳を揃えているところに電話がきた。

ストライキ、ストライキだ

カルフ労組のキムギョンウク委員長(左側)とイーランド労組のホンユンギョン委員長。出征式の笑いが一括妥結の笑いにつながる日まで

日差しが違う。強くはあるが真夏の日差しではない。カルフ中渓店に到着する と、すでに雰囲気が普通ではない。午後1時にストライキ出征式が予定されて いる新村本社に参加する組合員たちが蘆原区中渓洞に来ている。イーランド系 列のカルフ中渓店近くにある2001アウトレットで売り場宣伝戦の後にくる。

「諜報作戦のようでした」。売り場宣伝作業を終えて出てきた労働者の話だ。 会社は、2001アウトレット中渓店で宣伝戦をするとは全く考えていなかったと いう。売り場にピケと印刷物が踊っても、手出しもできなかった。

虚を突く

イーランドのストライキ出征式は、会社の虚を突くことで始まった。イーラン ド新村本社は、カルフとニューコア労働者も集まるだろうと入念に(?)準備し ていたのに、本社の職員と警備業者を困惑させた。

赤いチョッキのカルフ労働者と青いチョッキのイーランド、ニューコア労働者 たちが、カルフ中渓店の玄関前に集まる。今日の移動作戦(?)がバレることを 恐れ、労組のチョッキを着ていない組合員もいた。

「服を自慢したいからじゃないの?」とからかうと、「いや、チョッキ着ずに 動けと言われたからだ」として顔を赤らめる。釜山をはじめとする地方の労働 者も三三五五ストライキ出征式に参加するために上京してきた。言葉は違って も、笑いながら、同じ労働者だと確認する。

突然、建物の上を見上げる。本能的にカメラを持って走って行った。6階駐車 場で組合員が待機していて、集会が始まると垂れ幕をおろす予定だったが、警 備員に見つかって垂れ幕を取られたのだ。垂れ幕を取り戻そうとして、組合員 と用役警備の間で小競合が起きた。私服刑事の仲裁でビルから垂れ幕を下ろさ ないという条件で組合員が取り戻して降りてくる。

高まる緊張

また玄関の前。ビルに垂れ幕をかけられず、組合員たちはまた建物の入口に垂 れ幕をかける準備をする。カルフ安全チーム長が無線機を持って、スーツと白 いワイシャツのがっしりした肩を持った人々が乱暴に駆寄り、垂れ幕を奪う。

垂れ幕をかけようとすると駆寄ってくる白いワイシャツ

カルフに行くと見慣れない案内員が顧客を迎える

また押し合いの攻防。激しい罵声もとびかう。建物の代わりに街路樹に垂れ幕 をかけて妥協を見る。これを見たカルフ中渓店の労働者は鬱憤に耐えられない。 「われわれの職場に組合が垂れ幕をかけて何かいけないのか。お前はカルフ職 員だろ」。ワイシャツのがっしりした肩には首の身分証がない。

午後3時、新村本社ではないカルフ中渓店で、カルフ、ニューコア、イーラン ド労組の共同闘争本部主体で3社労働者が参加し、ストライキ出征式が始まっ た。

笑いがあふれる出征式

最近の集会の中でも一番よく笑い、活気があふれていた集会だ。自分の職場を 越える共同闘争でストライキを開く集会だからだろうか? むしろ団結闘争歌を 歌うのに紙に書かれた歌詞を見ながら、腕を振っている集会だからのようだ。 初めて労働歌謡を歌う喜び。労働者として生またのだ。

一番前の席に座っていたカルフ労組のキムギョンウク委員長は、陸軍士官学校 の出身だという噂がある。事実確認はあえて重要でながらなかった。だが、歌 に合わせて拍手する姿は、軍人が拍手する姿に似ていた。

カルフ労組は一時は十余人の少数労組で命脈を維持してきた。だが非正規職 400余人を含む1000人の組合員を持つ労組で生まれ変わった。笑いを失わない キムギョンウク委員長の楽天性と節度のある拍手をする姿が作ったようだ。

イーランド労組のユサンホン組織局長の司会で進められた集会は、ホンユンギョ ン委員長とキムギョンウク委員長が共に出てきて決意を述べる挨拶で始まった。 二人は共同闘争本部共同本部長だ。共に前に出ると、組合員は「似てる」「兄 弟みたいだ」という。ホンユンギョン委員長が「光栄です」と話を受ける。こ の3ケ月間の共同闘争を続け、顔まで似てきたようだ。

顔が似ている

集会を終えるとキムギョンウク委員長がビルの前に組合員を集める。その瞬間、 カルフのビルの前にテントが登場する。また、いかつい連中がテントに向かっ て情熱を傾ける。倒れればまたたて、駆寄る連中のズボンのすそをつかんでテ ントを張るまで、体で連中を阻止する。

カルフ中渓店の前のテント。共同闘争本部事務室でストライキ闘争本部となる。

カルフ中渓店前にテントが建った。組合員が歓声をあげて拍手する。ストライ キ闘争の本部になるテントで、共同闘争本部の事務室になるテントだ。

化繊連盟ウジン支会の労働者たちは、うらやましさに開いた口が塞がらない。 江南のASEMタワー前で座り込みをしているウジン支会は、テントを張ろうとし たが区庁の撤去班に阻止され、まだ野宿している境遇だ。「それでも一時間は テントでがんばった」。慰さめの一言を投げる。

イーランド組合員にとって、恨みが極に達したテントだ。8月の新村本社座り 込みでは、テントを張ろうとしたが用役警備に阻止され、野宿をしながら座り 込みをした。その恨みをこの中渓洞ではらしたのだ。

「テントを張るより守るほうがずっと難しい」と誰かが言った。今晩、外部の 警備員に撤去されるかも知れない。

テントの運命

だが、このテントがここで長い間頑張ることを望まない。一日も早くあのテン トを組合員の手で取り払って職場で働けるといい。雇用不安がない職場で今日 の集会のように笑いながら働ければいい。

歌詞を見ながら、労働歌謡を歌う組合員

このストライキが終る時にも、労働歌謡を紙の歌詞を見ながら歌えればいい。 労働歌謡を覚える前にストライキに勝利して、共同闘争の成果を持って売り場 でお客さんを迎えられれば良い。

朝風が違う。強いけれど秋の日差しだ。中秋も遠くない。3社共同闘争も、浦 項建設労働者の闘争も、コオロン、キリュン電子をはじめとする長期闘争事業 場の野宿も、中秋の前に終わればいい。

ストライキ出征式で、ストライキではなくない中秋のことを考えた。

共同闘争の新しい神話を開く顔

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-09-09 19:53:31 / Last modified on 2006-09-09 19:53:31 Copyright: Default

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