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アルジャジーラの記者は江汀村で何を見たのか

[インタビュー]アナとハナの済州海軍基地3週間取材...一晩のデート

済州=チョン・ジェウン、ユン・ジヨン記者 2011.09.22 00:02

アラブ圏を代表する言論、アルジャジーラ(Al Jazeera)の記者が済州の江汀村 に来て、3週間取材をした。アナ(Ana、29歳)とハナ(Hannah、35歳)は取材期間 に休む暇もなく江汀村住民と宗教家、平和運動家の済州海軍基地反対運動を カメラに収め、英国に帰る前日の19日夜、彼女たちと会った。

アルジャジーラは米国中心の国際的な主流マスコミに対抗し、アラブ民衆の声を 代弁していることで、世界でも注目されているマスコミだ。韓国でも韓進重工業 の整理解雇闘争、済州海軍基地反対の戦いがアルジャジーラを通じて報道され、 ツイッタリアンの支持を得たこともある。

一晩の対話は、警察兵力の投入で最後にフェンスが張られた中徳三叉路で行われた。

▲アルジャジーラ記者ハナ(右)とアナ(左)は3週間済州海軍基地取材をした。

韓国で面白い話がある。ツイッタリアンが公営放送のKBSに受信料を払うぐらなら、いっそ韓進重工業や済州江汀村のニュースを積極的に報道するアルジャジーラ放送に受信料を払おうという声が上がった。聞いたことがあるか

アナ: ハハハ。聞いていない。

主にドキュメンタリー作業をしていると聞いた。関心を持って取材している部分は。

アナ: 韓国の江汀村にくる前に、ブラジルで現代版奴隷制度の取材活動をしていた。 江汀村の取材の後、また米国に行って現代版奴隷制度のドキュメンタリー活動を するつもりだ。

ハナ: 不正と戦う個人や団体の声に特別な関心を持っている。特に彼らの声を 伝えなければならないが、他のほとんどの報道機関は彼らの声を正当に伝えて いないので、現場に行って彼らの生々しい声を取材している。

不正と戦う個人と団体の声に関心を持ったきっかけは。

ハナ: 英国のロンドンで、子どもの頃、学校に通っている時に感じた経験が、 私が政治的な意識を持つ大きな契機になった。そこでは文化的な多様性が尊重 される所のはずなのに、まだ差別的な要素が多い。そんな抑圧を子どもの頃か ら経験し、自分の権利、また迫害される人や団体の権利について早くから目を 開くことになった。報道機関記者として彼らの声を伝えることに自負心を感じる。

他の報道機関でなくアルジャジーラを選択した理由は。

アナ: アルジャジーラで1年半働いたが、ここは面白くて、オープン・マインド だ。他の報道機関では難しい取材活動がよくできる。そして、文化の多様性が 認められていて、米国言論が主流、非主流の文化に分れているのと比べ多様性 が認められる。働く欲求が沸くし、作業環境もとても良い。

ハナ: アルジャジーラで4年働いている。4年間ずっと働いていたのではなく、 途中でフリーランサーとして活動したこともある。アルジャジーラを選択した 理由は、英国にある報道機関のうち、今、世界で起きているさまざまな事件に 関心を持って報道ができるメディアは、アルジャジーラがほとんど唯一だろう。 重要なのに他の放送局が無関心だったり、関心が低い事件を、アルジャジーラ は関心を持って報道を続けるのが気に入って、選択した。

「到着した初日から海軍に何度もインタビュー要請をしたが...」

済州軍事基地化、世界的な問題...戦争勃発の可能性

済州海軍基地に関する取材をしに韓国に来た動機は何か。今回の取材の焦点と内容は

アナ: アルジャジーラ放送が持つ一つの目標は、今まで声を出せなかった人々 の声を伝えることだ。特に今回の取材などでは、世界で起きている多様な社会 運動、そして社会運動をする活動家を目標に取材していて、その一環として、 済州の江汀村海軍基地反対運動を取材しにきた。

ハナ: 私は済州海軍基地問題を取材する前から、不正に対抗して非暴力で抵抗 する個人や団体の話を記事で扱う取材活動を続けてきた。そして済州海軍基地 の問題は、東アジア地域の問題、さらに全世界の問題だと思う。なぜならば、 済州島が軍事基地化すると、この地域にさまざまな影響を及ぼし、中国と米国、 日本の覇権国の利害関係がからむからだ。単にこの地域、東アジアだけでなく、 この世界で暮らす人々にとって重要な問題になると思った。それで、この話が もっと広く知られれば意味を持つ。

基地建設に関して、海軍、あるいは韓国政府や警察側の反応はどうだったか。

アナ: 海軍とは到着した初日から何度もインタビュー要請をしたが、海軍側は 受け入れなかった。そして昨日、工事現場に行ってインタビューを要請して、 今日回答が来てインタビューをしようと言われたが、明日の朝早く立つので 工事現場側のインタビューはできそうもない。

▲記者は基地建設のために中徳海岸のクロムビ岩が壊されるのを見て何を考えたのだろうか。ここは取材が自由ではない。

江汀村住民と平和運動家の基地反対運動の特徴的な姿を見たと思う

ハナ: 英国と韓国、あるいは東洋と西洋の文化的な違いのため、目につくのかも しれないが、対峙状況で住民や平和運動家など、抵抗する人々と公権力の対立状況 は、単なる戦いだけでなく、ある時には人間と人間として会う姿を感じた。その 間に住民として、またはこの地域に生きる人として、互いに持つ人間的な感情の ようなもの。そんな部分が私には印象深かった。

アナ: 人々がさまざまな方式で力をあわせていること、連帯と言えるでしょう。 例えば一緒に食事を食べたり、一緒に料理をしたり、少しずつ分けあって力を 集めるのを見た。またこの闘いをしている人も多様だ。宗教家、村住民、チョ・ ヤッコル(通訳者)のような平和運動家もいる。こうした人々が混ざって、共に 基地反対運動をしていることが特徴だろう。

取材で感じた済州海軍基地建設の問題は何だと考えるか。

ハナ: 済州島が軍事基地化すると、地域の軍事緊張感が高まるだろう。それは また他の国を刺激して、軍備競争を強化するだろう。そうして軍備競争が強化 されれば、戦争勃発の可能性が高くなり、実際に戦争が起きかねないというの が最大の問題だと思う。だからどこか一つの国が軍事基地化の中断を宣言して、 『われわれはそのようには行かない』と言わなければ緊張が緩和されず、国際 社会で軍事基地を建設し続け、軍備競争を強化すれば、それは戦争勃発の可能性 につながる。各国の政府間の戦争は、国民と住民の利害とは無関係に行われるが、 その危険はその国の国民、住民が担う。

私が記者になる前、2003年に米国と英国がイラクを侵攻した時に、やはり私の 意志に反する戦争が勃発した。済州島に軍事基地ができて軍事化が進めば、 同じように起きる問題だと思う。

もうひとつの事実を指摘したいが、これは明らかな事実だ。住民の10%に満たない人が最初、海軍基地建設に賛成して、土地を所有する一部の意見に従ってその地域で暮らす多くの住民の意見が無視にされることがよくある。これは大きな問題ではないだろうか。

アナ: まず私にとって印象深かったのは、土地と海に対して人々が感じる深い 同質感と連帯感だ。この前、クロムビに入れないようにしたフェンスの前に立っ ていたが、オルレ観光客がクロムビに行こうとしたところ、塞がれているのを 見てとても驚き、突然泣き始めた。人々がこの土地や自然に対して深い同質感 を持っていることが私には印象深かった。

記者として、海軍基地建設が果たして正しいかどうかを言うことはできないが、 それでも私の心を動かしたのは韓国の活動家、一般人も自然に深い愛情を持っ ているという点だ。

「記者が一方に行ったら君は反対側に行け」

アルジャジーラはイラクとアフガニスタンなどの紛争地域で従軍記者が現場の状況をそのまま伝え、世界の人の高い信頼を得ている。現場取材の原則があるのか。

アナ: 私がアルジャジーラ放送を代表して話すわけにはいかないが、私が思う には、どこの放送がそれを報道したかどうかではなく、私たちが重要だと判断 すれば現場に行って取材することが原則で、当然だと考える。

アルジャジーラが指向する、もうひとつの声を出すというのは

ハナ: アルジャジーラのロンドン事務室壁にかかっているモットーが『声なき 者の声を代弁する』だ。先輩のジャーナリストが私に言った話が記憶に残って いるが、ほとんどの主流言論は結局、トレンドを追うしかない。それが一つの 流行のようになってしまう。ほとんどの人がこれが注目記事だと言ってそれを 追いかけて行く時、先輩が私に言った話は『反対に行け。大部分の記者が一方 に行けば、君は反対に行け』と助言した。報道機関が流行に敏感になると、 結局重要な声は無視されたり、それに関心をあまり持てなくなるからだ。

だからアルジャジーラは、さまざまなプロジェクトを進めていて、例えばアフ リカの人の声を聞くためにガーナに行って取材をするが、単に状況を伝えるの を越え、その地域の若い記者と経験豊かな人が共に仕事をし、経験も伝えられ る。それで彼らが直接自身の声を出せるようにするプロジェクトをしている。

済州の江汀村にきても、私たちが代弁するのではなく、できるだけ多くの人々 のインタビューを取り、人々が自ら話すことを代わりに伝える役割を果たして いる。それが言論がするべきことだと思う。私がプロデューサーとしてしたい こと、そして中心に置いてしてきたことは、みんながもっと気楽に、共に力を あわせ、協同して、自身の声をあげる構造を作り出すことだ。

▲取材するハナ(右)氏。

2011年の情勢キーワード、アラブ革命、『怒りの年』

2011年情勢の核心は当然『アラブ革命』で、その話は欠かせない。詳しく知らないがアルジャジーラの役割は重要だっただろうと思う。特に長期独裁に対して闘う民衆の声を代弁する役割に忠実だったと思うか

ハナ: アルジャジーラは、中東地域に基盤をおく放送だから、他の報道機関が できない取材もよくできた。その地域に深く掘り下げて、人々もその地域に幅 広く分布していて、そのため早くニュースを伝えることができた。

アルジャジーラ放送が送られるチュニジアをはじめ、エジプトなどでの革命の 波が、中東だけでなく世界に影響を与えた年なので、ブログやFaceBookなどで 2011年を『怒りの年』と表現するのをよく見かけた。アルジャジーラは、人々 が独裁政権、抑圧的な国家権力に対抗し、自分たちの声をあげ、そのために戦 う姿を、その場にいたからよく表現できたと思う。

チュニジアとエジプトとは違い、リビアの市民軍はNATO軍の支援を受けてカダフィ政権を崩壊させたが、アラブ民衆の見方はどうか

ハナ: 私は直接取材していないが、いろいろ読んでみると、リビア民衆の立場 は2つに分かれていたようだ。一つはNATO軍の支援に賛成する側と反対する側。 それで民衆が立ち上がって直接戦わなければならないという側と、その支援を 受け入れた側だ。カダフィはあまりにも莫大な蓄財をして、その金を利用して 私的な軍隊維持、例えば傭兵も使い、多くの武器を購入し、自分たちに賛同す る人々に配って政権を維持した。そんなことを見ると、はっきりは言えないが、 影響を及ぼしたと思う。

軍隊の介入、特に外国軍の介入に関する問題は、私たちが常に用心深く調べな ければならない。『なぜ、今、外国軍の介入が必要なのか』という質問を投げ なければならない。例えば、ボスニアの場合、あれほど多くの人々が死んだ時、 国連はただ腕組だけして見ていたが、リビアではNATO軍が介入した。だから、 常にわれわれはなぜ今、外国軍の介入が必要なのかという質問をしなければな らない。多くの場合、今まで外国軍の介入があった所は結局、外国軍の利害が からんでいたために介入をしたのだと思う。

アラブ革命で、民主主義革命の成功のために必要な要素は何だったと思うか

ハナ: アラブ世界で重要なことは国家と宗教を分離することだと思う。基本的 に、国家と宗教が合致していると、日常的な支配の過程でそれが混在し、民主 主義革命を実現するのに多くの問題が生じるので、国家権力と宗教権力を完全 に分離することが必要だ。

そして国家は常に、どんな場合でも、表現の自由を最大限保障すべきだと思う。 なぜなら国家がある政策を行う時、民衆に大きな抑圧になりかねず、また権力 者の貪欲を満たす手段になりかねないので、人々は常にこれを自由に批判し、 国家はこれを認めなければならない。(メディア忠清、チャムセサン合同取材チーム)

通訳:チョ・ヤッコル氏(平和運動家/歌手)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-09-22 21:48:21 / Last modified on 2011-09-22 21:48:29 Copyright: Default

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