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海軍基地? まず納得させろ…苦しくて最悪の境遇

[インタビュー]あえて国家に反旗を翻した住民キム・ボンギュ氏

メディア忠清、チャムセサン合同取材チーム 2011.09.08 19:16

2007年、海軍が済州島南側の静かな江汀村に海軍基地を建設すると発表した後、 今まで4年という時間が流れた。

だがキム・ボンギュ(47)氏はまだ全てを納得していないと話した。江汀で生まれ、 今まで一生暮らしてきた彼は、村の海半分が、そして土地の4分の1が消えるのに 何一つ明快に分かっていることがないという。

▲キム・ボンギュ氏は海軍基地事態の中で、村の住民が政府と済州島当局、そして海軍が嘘ばかりついて住民に詐欺を働いていることを知るようになったという。

江汀村に海軍基地? ニュースを見て知った

済州島に海軍基地を作る計画は、和順里とユミ里で住民の強い反発で失敗し、 海軍は江汀村での立地問題を公論化せず、村会長と海女など、一部の村住民に 接近したという。そして住民のほとんどが海軍基地誘致を知らなかった2007年 4月、成人1千人ほどの実居住民が暮らす江汀村で、わずか80人ほどの賛成側 住民が集まって海軍基地の誘致を決めた。

「立地選定には問題が多かったのです。これほど大きな問題を江汀村の一部で 決めるなど、とんでもありません。少数の意見を聞いて、多数の意見を無視す る済州島と海軍の態度は理解できません。事実、私もニュースを見て、私たち の村に海軍基地ができることを初めて知りました。このようにきちんと住民に 説明もせず、一度も公聴会を開かずに事を押し通すのですから、住民は立ち上 がらざるをえません」。

突然のできごとに、住民は臨時の村総会を開き、当時の村会長を解任し、今の カン・ドンギュン村会長を選出した。その後、住民は海軍基地の賛否を問うた めの投票を行い、投票率70%、反対94%の圧倒多数で反対を決定、本格的な活動 を始めた。

「一番重要なことは、農漁民の生活の基盤がなくなることです。農漁村の人々 は、自然に頼って暮らす人々です。海で魚をつかまえ、土地で農産物を育てて、 外地に売り、父母の世話をして子供たちを教え、家族の生計をたてるのが基本 です。それなのに海軍基地ができれば海の半分、土地の4分の1がなくなること になります。これは生存の問題です。そして海軍基地ができれば村のあちこち を開発すると言い始めるでしょうが、その土地はどこから出てくるのですか。 また栽培する土地がなくなるんです。結局、私たちに江汀を離れろということ です。ですから住民が命を賭けて海と土地を守ろうとしているのです」。

国家がやる通りにすればいいのに、なぜ町内住民が反対を?

公権力の権威と地位を強調してきたチョ・ヒョノ警察庁長官は、ソン・ヤンファ 西帰浦警察署長を「中途半端に対処した」、「公権力の権威を失墜させた」等の 理由で25日に問責更迭し、検察は「国家安保に直結する国策事業である済州海軍 基地建設をめぐる事態が工事妨害の水準を越え、国家権力に正面から挑戦する 重大事件」と規定した。

そして数日たった9月2日午前5時過ぎに、騒がしいサイレントの音が静かに眠っ ていた江汀村を起こした。警察兵力が江汀村を奇襲し、住民と平和活動家が守っ ていたクロムビを蹂躙していった。

「海軍基地事態を味わい、住民は政府と済州道当局、そして海軍と警察を見直 すことになりました。嘘ばかりならべて住民に詐欺を働いているということを 皆が知りました。彼らはすべて、住民側ではないということが確実になったの です。もう政府も海軍も警察も、誰も信じられません」。

▲すべての生命の土地と海だった所が今は国防部の所有になったという。

「海軍基地予定地の50%が強制収用されました。土地の主で、生活の基盤だった 住民との協議は一度もなく、法院に供託して私たちから土地を奪っていきました」。

彼は「苦しくて、最悪の境遇」だという。4年という長い時間、住民がいくら嫌 だと反対しても、江汀村とクロムビを、そして私たちを頼むからちょっとそっと してほしいと訴えても、本土の警察までを動員し、頑に押し通すのだから、その 気持はさぞかし苦しいだろう。

令夫人が美しいと紹介したオルレギル…

今は海軍基地のために埋められた

済州島の南側の海を目の前にする江汀村、クロムビの丘にはオルレギル7番コース が通っている。そのコースの一部がまさに令夫人キム・ユノク女史が2009年に 韓・アセアン首脳会談で訪問して歩いたコースだ。『2010〜2012韓国訪問の年』 開幕式に参加した令夫人キム・ユノク女史は、「韓国に留学に来た学生と歩いた 済州島のオルレギルが一番記憶に残っている」と答えた。キム・ボンギュ氏は それを覚えていた。

「何年か前に済州島で、韓国とアジアンの首脳の会談がありました。その時に 李明博大統領の夫人が韓国に留学している学生にこのコースはとても美しいと 紹介しながら、今になってそれを全部埋めて海軍基地を作るというのですが、 これが道理に合う行動ですか?」

「クロムビから中文観光団地にある平和博物館と平和公園までの距離はたった 4kmです。海軍基地が建設されれば中文から海の反対側に海軍基地が見えるよう になります。平和の象徴と海軍基地がそうして向い合うことになるのは矛盾で しょう。海軍が、ありもしない威嚇も作り、とんでもない理由もならべながら、 名分もない海軍基地事業を押し通しているんです」。

このように、つじつまが合わない言葉と行動の他にも、キム・ボンギュ氏をい らだたせることは多かった。江汀村クロムビ岩一帯はユネスコ生物圏保全地域、 天然保護地域、生態系保存地域、海洋保護区域などのタイトルを持つ絶対保全 地域だった。だが海軍基地を建設しようとする政府と海軍の力はそれらすべて をひっくり返す程に大きかった。法が指定したものを法で否定してしまった。

「絶対保存地域を守れと法院に訴訟を出しましたが、この国の法では江汀村の 住民には原告資格がないというのです。いや、私たち住民に原告の資格がなけ れば、いったい誰に資格があるのですか? 絶滅危機動植物が打撃を受けるしか ないのに、ここで暮らすと決めて生きてきた私達でなければ誰が守るのですか」。

▲江汀村の住民は絶対保存地域を守れと法院に訴訟を出したが、法院は彼らには原告の資格がないといった。

自分の良心をえぐり取らなければならない状況、

4.3のいえない傷をまたかきむしる

  1. 3の傷をそのまま抱いて生きてきた済州土地に、また陸地警察が投入され、 キム・ボンギュ氏もいえない傷が再び痛むような気がした。住民を暴徒、アカ、 従北左派勢力と言い、陸地警察兵力を動員して住民を彼らの土地から暴力的に 追い出したのだから、4.3と江汀村は似ているという。

だがいえない傷をさらに深くかきむしるものがあった。4.3は体験していないが、 その後を見ていたキム・ボンギュ氏にとって、4.3は「住民が生きようとすれば、 代わりに他の誰かを指定させる最も非人間的な蛮行だった」という。

「互いに指定させあう一番非人間的な暴力で、何の理由も知らないまま多くの 善良な住民が、暴徒やアカという名で死んでいきました。両親や兄弟、友人を 失った苦しみもなんとも言えないほど大きいのですが、胸の中に残って消えな いその非人間的な記憶は治癒できないのです」。

▲集会でデモをしたお父さんと、それを阻止する警察の息子が向かい合い、賛成住民と反対住民が衝突する江汀村。

済州で生まれ、済州で幼い時期を送った小説家のヒョン・ギヨン氏も彼の小説 で「竹槍を持って討伐隊の後を付いて回らなければならなかった彼らは同族を 敵とみなさなければならない自分のとんでもない運命に歯ぎしりした」と4.3を 記憶していた。

自分自身の良心をえぐり取らなければならない状況は、今の江汀村でも現在 進行形だ。集会でデモをしたお父さんと、それを阻止する警察の息子が向かいあい、 賛成住民と反対住民が衝突している。

「その悪夢から抜け出せない状態で、政府と海軍はまた同じ悪夢を味わわせて いるのです。賛成住民の間に入り込み、村の住民を仲違いさせ…その時も今も 変わりません。この傷がいつどうして癒えるでしょうか?」

「何一つさっぱりと納得できません。本当に苦しくて、最悪の境遇です」

農作業は一生の職場、

強制的に追い出された労働者と違わない

「労働者が一日で会社から強制的に追い出されれば、それを受け入れますか? 私たちも同じです。農民にとって農作業は、そしてその土地は、一生の職場です。 ところがこのように強引に奪い、追い出すのですから、この鬱憤をどこにぶち まければいいのかわかりません」。

キム・ボンギュ氏は農作業は、一年中、刈り取るまで休むことなく着実に働か なければならない職業だという。だがすでに4年間、それが容易ではない。土地 と海を守るために戦わなければならず、その鬱憤に耐えて、決してやさしくない 彼らの生業も続けていかなければならないためだ。

「戦場に長い間いれば、優しい人も攻撃的に変わります。私たちが4年以上こう して苦しい戦いをしていると、村の住民もますます感情が高ぶっているようです。 その上、農作業に精を出さなければならない人たちがこの海軍基地のおかげで きちんと仕事もできないのですから…農作業も前と同じではありません」。

明らかに気持ちの良いことではないインタビューの最後に、先日の公権力投入 後、もうクロムビ丘と岩、海を見ることができなくなるのではないかという 質問に、彼の返事は意外に淡々としていた。勝てるという自信があるからだ。

「私はもうクロムビを見られないとは思いません。そこには海軍基地を作れま せん。当分はフェンスで障壁が立てられても、クロムビはまだ開かれていると 思います」。

▲つらい一日の仕事を終えた住民は、毎晩キャンドル文化祭に参加する。

「警察がクロムビから暴力的に住民を引き出してフェンスを設置する時もそう で、いつも外地の活動家は後、われわれ住民が一番前で戦いました。それは、 村会長さんと住民皆の考えでした。だからこの戦いが4年以上続けられ、また、 最後には勝つでしょう」。

キム・ボンギュ氏は、民主的な手続きと住民の意見を無視して事業を押し通す から事故が起きるのだという。国策事業は十分な議論と説明、そして過程を 民主的かつ透明にすることで円満に行えるという。

それほど難しい命題ではなさそうだが、これも理解できない、あるいは聞こう としない人々がいる。彼らの固執が江汀村を、クロムビを、そして海とこれを 頼みにして暮らす生命を死地に追いやっている。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-09-09 09:10:44 / Last modified on 2011-09-09 09:10:47 Copyright: Default

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