本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:医療民営化の扉を開いた政府…医療も金儲けに
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1387003523529St...
Status: published
View


「医療民営化」の扉を開いた政府…「医療」も金儲けに転落

事実上の営利病院許容、「医療費の上昇は必然的」

ユン・ジヨン記者 2013.12.13 17:35

政府主導の「医療民営化」事業が本格的に稼動する展望だ。政府が事実上の営利病院許容、法人薬局導入、大型病院外国人患者病床規制緩和などの医療営利化規制装置を全面的に解除し、医療営利化の議論がまた出てきている。

保健福祉部は12月13日に、朴槿恵(パク・クネ)大統領が主宰した第4次貿易投資 振興会議で「保健医療サービス投資活性化対策」を発表した。今回の活性化対策 は、医療機関の子法人設立許容をはじめ、付帯事業範囲大幅拡大、医療法人間 合併許容、医療広告許容、大型病院外国人患者病床規制緩和、法人薬局許容を 骨子にしている。保健医療分野の規制を解除し、医療機関の収益と効率を保障 するという趣旨だ。

[出処:チャムセサン資料写真]

医療機関の子法人設立許容、事実上の営利病院許容

政府政策により、医療機関が子法人を作ると医療機関は株式や債権発生により 外部資本を調達できるようになり、医療関連企業との合弁投資も可能になる。 保健医療労組は「これは子会社というも迂回して外部資本投入-営利事業-利益 配分などの株式会社営利病院運営体制を整えるということ」と説明した。

実際に、保健医療団体は、医療機関が子会社で医療装備や不動産、薬品、診療 収益などを配分することができ、この子会社が営利企業の場合投資家にも配当 できると見ている。「子会社設立」が事実上、営利病院を許容する小細工だ という指摘だ。

政府は乱用防止策を用意して、事業の範囲を付帯事業に制限するなどの規制を おく方針だが、実効性は未知数だ。政府は子法人の付帯事業範囲を研究開発、 医療観光、医療関連事業にも拡大する予定で、金儲け営利行為拡散が憂慮され ているためだ。

現在、医療法が認めている病院の付帯事業は葬儀場や構内食堂など8種類程度だ。 だが付帯事業の拡張により、子会社は皮膚管理や美容、健康増進、入浴、温泉、 医療機器販売などの各種の事業を医療関連事業に入れることができる。労働界 と保健医療団体は、こうして病院の収益追求が加速すれば、必然的に医療費の 上昇が付いてくると展望している。

健康権実現のための保健医療団体連合は声明書で「病院が今よりも収益を追求 するようになれば、これは国民医療費の上昇となって現れる」とし「営利企業 が子会社の収益を上げるため病院賃貸料、医療機器リース料、薬購入料などの 上昇はすぐ病院医療費の上昇を意味する」と説明した。

続いて「これは明確に病院とこの病院に対する企業投資家に対する特典だが、 国民にとっては医療負担を増加させる反民生的措置で、医療民営化、医療営利化 政策でしかない」と批判した。

大型病院、医療市場を独占するか…医療費上昇の憂慮

医療法人間の合併が認められると、大型病院の医療市場独占といった副作用 も従うものと予想される。

保健医療労組は「医療機関の間にも企業ハンティング、食い逃げといった買収 合併戦争が起き、医療機関の垂直系列化、規模競争、二極化現象はさらに深刻 になる」とし「特に財閥が資本力を使って買収合併を行い、全国の主要都市に 拠点病院を系列化し、医療市場を独占しようとするだろう」と憂慮した。 病院の人員構造調整の深化と雇用不安も予想される。

法人薬局許容措置も、医薬品費用の上昇などに帰結する可能性が高い。法人 薬局許容は、薬剤師ではない人にも薬局の開設を認めるもので、企業の法人薬局 設立も認められる。保健医療労組は「資本の規模により、大型薬局、2つ以上の 薬局開設なども可能になり、結局わが国の薬局は営利法人薬局体制に転換する」 と説明した。

保健医療団体連合も「現在まで米国や一部ヨーロッパ国家で導入された企業型 チェーン薬局は、医薬品費用の上昇などさまざまな副作用を招いたことがよく 知られている」とし「したがってこれも関連財閥や製薬企業などには利益だが、 国民には医療費値上げになって戻ってくる措置でしかない」と指摘した。

また保健医療労組は「医療広告を認めることで過剰医療をあおり、特定の医療 機関に患者が集中する現象をさらに深め、国民の医療費負担を増やすことになる」 とし「このように、朴槿恵政権が発表した保健医療サービス産業育成政策は、 わが国の医療を営利化、商業化に追いやる重大な分岐点になる可能性がある」と 強調した。

また保健医療労組は、「朴槿恵政権が一方的に医療営利化、医療商業化政策を 強行すれば、医療営利化、商業化を阻止するための総力闘争体制に転換して、 汎国民的闘争に立ち上がる」と明らかにした。

「医療民営化阻止と無償医療実現のための運動本部」も「政府は今鉄道、ガス、 水道、教育などすべての部門の民営化を進めており、医療民営化は今回の措置 一発で終わらせようとしている」とし「だが一国の保健福祉政策がただ収益の ための投資計画になるとすれば、韓国の保健医療未来はない」と警告した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-12-14 15:45:23 / Last modified on 2013-12-14 15:45:23 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について