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韓国:鉄道労組、国土部の討論会を中止させる
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鉄道労組、国土部の討論会を中止させる...「民営化の要式行為」

国土部「株式売却を制限する」 vs 労組「鉄道公社が運営しろ」

キム・ヨンウク記者 2013.06.14 19:52

鉄道労組の組合員と市民社会団体の会員が鉄道産業発展方案の公開討論会を中止に追い込んだ。

当初、国土交通部は6月14日午後2時に中小企業中央会汝矣島会館グランドホールで 公開討論会を開き、民営化論議がおきた水西発KTX路線を鉄道公社が30%の株式を 持つ出資会社として運営する案を提示する予定だった。

▲国土部の関係者

だが労組と市民社会団体は、午後1時30分に討論会場の前で「鉄道民営化の要式行為、 世論糊塗-国土部の一方的討論会反対」記者会見を開き、80人ほどの組合員が 討論会の舞台を占拠した。

国土部は2時間余り壇上占拠が終わるのを待ったが、祝辞のために討論会場に 来た徐昇煥(ソ・ソンファン)長官が帰ったため、事実上、討論会の進行は 困難になり、午後4時に討論会を中止すると宣言した。

労組と市民社会団体は、この日の討論会が民営化反対側の意見収斂を通じて、 出資会社の設立方向や内容修正をするつもりもなく、世論を糊塗する手順だと 見た。

彼らは声明書で、「国土部は、鉄道産業改編方案への賛成論者だけで組まれた 民間検討委を通じ、専門家検討方案という包装をかぶせて鉄道分割民営化方案 を出す詐欺を演出した」とし「鉄道民営化の推進日程と鉄道改編方案をすでに 決めた状態で、意見も反映させない公開討論会は要式行為でなければ何か」と 非難した。

また「きちんとした研究機関に鉄道発展代案を用意する研究用役を出さなけれ ばならない」とし「賛成論者一色の民間検討委ではなく政府、国会、鉄道公社、 公団、鉄道労組、鉄道専門家、鉄道に関する市民社会団体で構成された労使民政 の議論機構を通じ、深く、幅広く鉄道発展代案を検討するべきであり、これに 基づいて公開討論会を開き、国民の意見をまとめろ」と強調した。

▲金景旭国土部鉄道局長が発言の機会を要請している。

国土部、出資会社を通じた水西発路線の運営を既定事実化

しかし国土部は、今回の討論会で発表する案は民営化ではないと主張している。 金景旭(キム・ギョンウク)国土部鉄道局長は記者と会って「出資会社には民間 資金ではなく、公共基金や年金基金資本の投資を誘致したい」とし「その部分 は、財務的投資家で経営権自体が付与されない。財務的投資家が株式を処分し ても、民間に渡る部分は基本的に制限する」と強調した。

金局長は「民間持分売却の第一方式は、出資会社の定款に株式の処分に関する 制限事項を明示し、投資家を募集する時から『民間売却はない』という前提を 付ける計画」と付け加えた。

金局長は「そうした形の出資会社でKTX路線を運営するよりは、鉄道公社が運営 する方案の方が良くないか」という質問には「KTX水西発路線は黒字が予想され る路線で、黒字を鉄道公社に与えれば既存の工事の赤字を補充するために使う 交差補助になる」とし「公社の赤字部門は経営効率化をすべき部分で、黒字は 建設負債の償還に使うべきだ」と反論した。

だが労組側はあえて交差補助が問題にするのなら、事業別区分会計制度を導入 するなどで十分に公社が運営できるのに、出資会社を設立するのは民営化のた めの欺瞞だと指摘した。

チョ・サンス公共輸送連盟政策委員長は「労組としては鉄道の運営で交差補助 が行われるべきだということが基本立場」として「朴槿恵(パク・クネ)政府が 公共機関の負債管理のために事業別区分会計制度を導入すると言うが、本当に 交差補助が問題なら水西発路線を現鉄道公社体制で運営しても問題ない。あえ て収益が出る路線を切り離し、出資会社を作る理由はない」と反論した。

チョ・サンス委員長は出資会社の定款に株式の売却制限をおくという政府側の 説明にも「出資会社は理事会でいつでも定款を変えられる。それではいつでも 民営化ができる」とし「収益があがる路線を株式会社にして、株式を売却さえ すれば民営化できるようにして、労働者の構造調整だけで赤字を解消するとい う発想」と説明した。

政府は、労組と社会団体が今回の討論会を妨害したことについて、いつでも意見を 反映する通路が開かれていると主張したが、鉄道労組側が主張する鉄道公社の 運営の提案などを受け入れるかは未知数だ。すでに国土部が出資会社案を既定 事実化しているためだ。

金景旭局長は「今月中に鉄道産業発展方案を発表する計画で、各種の意見収斂 の手順を踏んできたが、討論会が失敗したのは残念」とし「当初、公開討論会 で合理的な意見が提示されれば受け入れるつもりだったのに、対話自体が源泉 封鎖され、これからどうするか、よく検討する」と明らかにした。

国土部のある関係者は「竜山の開発問題で鉄道公社の負債は莫大だ。その問題 解決に5年以上かかる」とし「工事経営状態が改善されれば(出資会社に)公社の 持分をさらに増やす」と述べた。すでに基本方向は変更できないという意味だ。

別の国土部の関係者は「今回の討論会は意見をまとめ、反映するべきことは 反映させ、理解させるべきことは理解させる過程」とし、逆に労組や市民社会 団体を理解させることを強調した。

実際、金景旭局長も、舞台を占拠した人々に対し発言権を求め、何回も要請 するほど反対側の説得に精魂を込めた。

一方、キム・ミョンファン鉄道労組委員長は「政府が独自の日程で民営化を押 し通せば、鉄道労組は忠実な気持ちで列車を止めても民営化を防ぐと決定した」 とし「鉄道産業発展全般の発展方向に対する交渉を受け入れなければ全面 ストライキの賛否投票を圧倒的に可決して、鉄道を止め、民営化を止める」と 明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-06-16 08:45:46 / Last modified on 2013-06-16 08:45:46 Copyright: Default

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