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メディア忠清記事に対する金属労組のカプチル

[立場]去る6月のサムスンサービス支会の報道に関連して

イム・ドゥヒョク(メディア忠清) 2014.12.24 18:05

メディア忠清は去る6月、サムスンサービス支会の非公開交渉に関する記事を送った。 記事により、一連の事件が起きて7月14日に「事実関係確認および真相調査」を金属労組に公式に要求した。 その後、金属労組との懇談会を経て、文書で確認したことは「メディア忠清の記事がサムスンサービス支会の交渉に影響を与えなかった」、 「取材拒否などはどの単位でも決めていない」という金属労組の立場だった。

だがこれに関してメディア忠清が要求した金属労組の謝罪は拒否された。 もちろん、事件当事者個人の謝罪も、金属労組次元の措置も何もなかった。

辞典には載っていないが、よく使う言葉に「カプチル」という言葉がある。 「甲(カプ)」に代表される相対的に力が強い人、集団の行動、要求、価値などを否定的に表現する時に使う。

メディア忠清の記事に対する金属労組の行為はカプチルだった。 金属労組の最高位中央役員とサムスンサービス支会の交渉担当者は 「交渉案を公開することにより労組が困っている」、 「某言論で交渉案の全文を公開したため交渉が揺らいだ」という発言を公開の場で行った。

サムスンサービス支会の組合員をはじめとする大衆に金属労組担当中央役員と交渉担当者が行った発言の中で、少なくともメディア忠清の交渉案公開に関する発言は偽りだ。 ところが金属労組は謝罪はできないという。 メディア忠清だけでなく、嘘について組合員にも謝罪していない。 例え直選で選出された役員と交渉を責任を取った幹部が、組合員大衆に負うべき責任、大衆を欺瞞しないという道徳的な責任が見られない態度だ。

腹いせのように口から出るまま発言して 「そんな趣旨ではなかった」、「覚えていない」というような態度は、 どこかでよく見たのではないか?

結果的に金属労組カプチルが隠したもの

サムスンサービス支会の非公開交渉に関し、労組運動陣営での論争は激しくなかったことが分かった。 金属労組の内部文書では、サムスンサービスセンターの不法派遣についての要求があったが、交渉の過程で争点化されず、 この部分の論争や評価点は金属労組内他の社内下請と違っていたという。 もちろん、すべての論争が良いというわけではなく、事業場の事情は違っていて多様な変数があるので、ものさしで裁つようにすべての論争点が一致することはない。 だが非正規職、社内下請労働者に対し、金属労組が10年闘ってきた 「不法派遣、偽装請負」についての議論は「名ばかり社長は出て行け」という程度のスローガンに留まった。

メディア忠清が初めて「サムスンサービス取材後記」を掲載したのは、常識的に理解できない取材妨害や嘲弄と責任転嫁行為を外部に出して円満に問題を解くためであった。 だがその後、金属労組と関係者の態度は「知らんふり」と「無視」で一貫した。 事実関係を確認することはできるが、謝罪はできないとか、「金属労働者」を通じてメディア忠清の記事を歪曲したことへの公式の抗議に返答しないことを例にあげられる。 こうした態度がなぜ可能だったのだろうか?

カプチルはどこに理由があるのか

ときとしてカプチルはとんでもないうっぷん晴らしとして現れる。 サムスンサービスの非公開交渉に対するメディア忠清の記事が「怒りたい時のうっぷん晴らしの対象」になったようなものだといわなければならない。 事実、記事そのものの問題意識だけを見れば初歩的な水準だった。 金属労組や活動家の間で十分に共感できる水準だった。

ところがこれを政派の枠組みに閉じた社会進歩連帯のハン・ジウォン氏のFaceBook文と内部チャットルームの公示文が登場し、 その後、メディア忠清とチョン・ジェウン記者に対する一連の事件があった。 ハン・ジウォン氏の文から類推すると、記事が報道された頃に非公開交渉がうまく進んでいなかったことがわかる。

労使関係というものは、薄氷の上を歩くようにこわごわ交渉が形成される事もでき、それだけ緊張して鋭敏になることもある。 だが組合員に無いことをいったり責任を転嫁する行為が「緊張と鋭敏のためだった」と隠せるものではない。 さらに組合員を欺瞞して知らんふりで一貫する態度は、さらに労働組合と幹部の態度として正しくない。 あるいは問題が何だったのか、まだわかっていないのなら、これはカプチル中のカプチル、スーパーカプチルだといえる。

どんな理由で集会という公開の場で組合員と大衆に対し、そんな嘘をついたのかは金属労組内部の問題といえる。 意図した発言なのか、単純な失言だったのかを調査し処理するのは金属労組内部の手続きと規定に従えば良いだろう。 だが組合員と大衆に対しての発言であれば、何らかの形で真相調査と公式釈明謝罪のような責任ある措置がなければならなかった。 15万組合員という民主労総最大組織なのだから。 だが金属労組はそうではなかった。 「交渉に影響を及ぼさなかった」という事実関係は確認できるが、それ以上は何もしないという無責任な態度を示した。

あるいは「だからどうするのか」という官僚的態度、甲の価値が金属労組にいつの間にかひらめいたのではないのか疑わしくもある。 メディア忠清の提起は明確だ。 15万金属労組指導部はそれにふさわしい発言と責任がある。 労働組合内部、組合員大衆だけでなく、労働組合運動が説得し、共感を得るべき非組合員一般大衆に対しても一定の責任があるということだ。 故意であれミスであれ、組合員と大衆に嘘をついたとすれば、これを正す努力をすること、これが責任であり、労働組合運動が正当性を獲得する土台だ。

頼むから「それぐらいのことで金属労組が謝罪まで、役員が......」という態度でこの問題を見てほしくない。 役員と幹部が発言したから問題になったのだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-12-25 01:33:08 / Last modified on 2014-12-25 01:33:09 Copyright: Default

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