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議論の中で韓米FTAが発効、対策はあるのか

ISD、開城工業団地など山積する問題にも強行された発効宣言

ソン・ジフン修習記者 2012.02.24 17:20

3月15日、韓米自由貿易協定(韓米FTA)が発効する。2007年4月2日の交渉妥結から 5年だ。

しかし長い間を続いてきたが、政府の準備は相変らず不十分だ。問題になっていた 投資家国家提訴制(ISD)をはじめ、韓米FTAと衝突する流通産業発展法、健康保険の 民営化など、国民が納得できない多くの部分を残して韓米FTAは発効する。

投資家-国家提訴制(ISD)

政府は2月22日午後、外交通商部のブリーフィング室で開かれた記者会見で、 再協議の論議があった投資家国家提訴制(ISD)について「FTA発効後、サービス 投資委員会を作って(再協議)することにした」と明らかにした。

しかしこれに対して民主社会のための弁護士の会(民弁)所属のソン・ギホ通商 専門弁護士は、「再協議自体が矛盾」と明言した。ソン弁護士は2月24日午前、 仏教放送の『チョン・ギョンユンの朝ジャーナル』に出演して「発効の意味は この制度を韓国が受け入れて従うということだ。それと共にまた再協議の話を するのはそれ自体が矛盾」と批判した。彼は続いて「米国が韓国が望むような 内容で改正を受け入れなければどうするのか、こうした問題がすぐ予想できる のに、発効を強行するのは大統領が言う再協議とも矛盾する」とし、一方的な 発効の発表を非難した。

その一方でソン弁護士は、ISDはすぐに廃棄されるという比較的楽観的な展望も 出した。彼は「(米国は)司法制度がきちんと作動しない国にはこれを強要する が、オーストラリアのようにかなり米国と似ている場合にはこれを強要しない」 とし「韓国の司法制度も相当水準になってきているので、韓国の公共政策も、 韓国の金を稼ぐ米国の投資家が韓国法院の判断に従わないというのは誤り」だ から、ISDはすぐ廃棄されると見通した。

流通産業発展法の衝突への対策は全くない

FTA発効直後、条約の内容と国内法が衝突するという憂慮も絶えず提起されている。 代表的なものが流通産業発展法(流通法)と大・中小企業共生協力促進に関する 法律(共生法)だ。

7月の韓-EU FTA発効を前にして処理された二本の法案は、在来市場の商圏内に 企業型スーパーマーケット(SSM)の入店を制限し、中小商人の商圏を保障するこ とが骨子だ。しかし韓米FTAは地域による市場接近の規制は禁じている。

キム・ジョンフン前通商交渉本部長も流通法と共生法は韓米FTAに抵触すると 強調している。

ソン弁護士は「法的には韓国が不安定になる。中小都市に大型スーパーが入れ ないようにする法があったり、同時にまたそのような規制をしてはならないと いうFTAも同時に発効するので、法的に一貫せず矛盾した体制になる」と憂慮を 示した。

「開城工業団地への具体的な議論はない」

外交通商部のチェ・ソギョンFTA交渉代表は22日、外交通商部ブリーフィング室 で両国のFTA履行点検対面協議の結果を発表して「実質的に原産地規定の問題に ついての具体的な議論はなかった」とし「協定発効から1年になる年に両国間の 域外加工委員会を構成し、委員会で北朝鮮の非核化と南北間関係進展を検討す ると共に、開城工業団地の地域の環境要件と労働条件を検討した後、製品の 原産地を韓国産にするかどうかを検討する」と話した。

これに対してソン弁護士は「開城工業団地製品の韓国産認定の条件が非現実的 で、たとえその条件がみたされても、米国議会が自由貿易協定を改正しなけれ ば開城工業団地の韓国産が認められず、事実上今回の発効により開城工業団地 が韓国産と認定される可能性はない」と批判した。続いて彼は、「この状態で 発効させず、少なくとも開城工業団地の韓国産認定をいかに実効性を持たせる か、確実な保障を受けて発効するべきだった」と話し、また政府の強引な発効 を批判した。

一方、2008年にキャンドル集会まで起きた牛肉問題は尖鋭な問題だ。米国内で も牛肉部門の再協議があるという展望があったが、チェ代表は「牛肉の再協議 問題は、韓米FTA協定文履行協議の対象ではなかった」とし「協議の過程で牛肉 に関する議論はなかった」と一蹴した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-02-28 00:32:30 / Last modified on 2012-02-28 00:32:45 Copyright: Default

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