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なぜ「野合」なのか反省を

[記者の目] 労働者たちはなぜ韓国労総を占拠したのか

イコンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2006年09月20日13時42分

911合意に怒った労働者たちの占拠に返ってきたのは強制連行

「韓国労総で闘い、解雇された労働者と民主労組の死守に努力する労働者」が 19日、韓国労総建物で奇襲デモを行った。

「労使政野合粉砕抗議座り込み団」と名乗る彼らは、「9月11日の労使政野合 は労働者の自主的な団結権と生存権を根こそぎ売り飛ばした」とし「韓国労総 のイヨンドク委員長は、卑劣にもハンスト突入を口にしながら裏で労働者の生 存権と闘争を資本家に売り飛ばした」ことを韓国労総に抗議座り込みを行った 理由として説明した。彼らの怒りは、韓国労総が「労働者」の名で政府と財界 に「労働者」の基本的な権利を売り払ったことにあった。

韓国労総7階の窓枠にしがみついて約5時間労使政野合を糾弾した労働者たちは、 韓国労総が「とにかくロビーに降りてペクホンギ事務総長と面談し、イヨンド ク委員長と会う日を決めよう」という言葉でロビーに降りてきた。だがこれは 嘘だった。1階のロビーに降りた労働者を待ちかまえていたのは面談ではなく 警察の消火器だった。そして彼らは全員連行された。

韓国労総、何を懲しめるのか

韓国労総は20日の声明で「自分たちの主張が貫徹できなかったからと言って、 労使政代表者会議の公開交渉で5者が合意したことを『野合』と卑下し、暴力 と不法占拠を続ける民主労総と傘下の組織こそ、非民主の典型であり、チンピ ラ集団そのもの」とし、「民主労総が主張するような世の中を変える闘争は、 自分たちの偏狭な主張を暴力で貫徹させるということと何が違うのかを訊ねた い」と、民主労総に公式謝罪を要請した。これが受け入れられなければ、「報 復する」という言葉も忘れなかった。

もちろん「他人」の建物に許可なく入ったことは間違いだ。しかし韓国労総は、 なぜこれらの労働者が怒っているのか、何にこうして怒っているのかは忘れて いるようだ。

イヨンドク委員長の言葉通り不当解雇が減るのか

韓国労総は9月11日、これまで使用側が作ったペーパー労組により労組も作れ ない多くの労働者の希望をまた踏みにじった。複数労組禁止条項の3年延長だ。 また韓国労総は、職権仲裁の廃止を成果だと言うが、それと比べものにならな い必須共益事業場の拡大と代替労働の許容に合意した。公共連盟はこれに対し て「ILOの勧告は、職権仲裁の廃止で労働三権を保証しろということで、名前 だけを変えて労働三権侵害条項を延長するものではない」と批判している。

これだけではない。イヨンドク韓国労総委員長は9月11日、労使政が同席した 記者会見で「私が最も強調したいことは勤労基準法改正」とし「解雇理由と時 期の書面による通知を義務化し、採用時の勤労条件の範囲を拡大した。これは、 雇用関係と解雇の部分の大きな変化、変革だと思う」と述べた。イヨンドク委 員長はこれで不当解雇が減ると思ったようだ。だがイヨンドク委員長だけの夢 だろう。

イヨンドク委員長の言葉を受けてイサンス労働部長官は、「これまで不当解雇 が刑事処罰される条項により、企業はむやみに解雇できなかった」とし「罰則 条項が消え、刑事上の問題がなくなった。さらに解雇の柔軟性を拡大する画期 的な進展だ」と語った。そうだ。イサンス労働部長官の言葉の通り、イヨンド ク委員長は不当解雇をしにくくしたのではなく、もっと解雇を簡単にしてくれ という財界の立場にぎゅっと判子を捺してやったのだ。

こんな状況で、どうして怒らない労働者がいるだろうか。解雇は自由に、スト ライキはさらに難しくなり、予告された労使関係の「先進化」方案に怒らない 労働者がいるのかというのだ。

何が不法で暴力なのか

韓国労総は「不法と暴力を続ける民主労総」と言う。そうだ。民主労総を守ろ うとする労働者、労働者の基本権を守ろうとする労働者は、この国で労働者と してまともに暮すための苦しい闘いを不法と罵倒する政府と資本の前では、不 法と暴力を続けるしかない。

休息の空間を用意してくれ、労組を作らせてくれと要求すると、一瞬で警察が 振り回す消火器のために同僚が死んでいく現実を見ながら、この国の多くの労 働者は我慢しなければならない。ストライキのたびに不法だと言われ、同僚を 監獄に送らなければならない、数十、数百、数億の損賠仮差押さえのために首 吊り自殺する同僚を見守る労働者は、もうこれ以上耐えられない。

「労働者」という名で労働者の希望を、人生を根こそぎ潰す「野合」をしてお きながら、「最善を尽くした」と言う偽善の前に、労働者はもうこれ以上耐え ることができないのだ。

何を隠したくて取材も妨害するのか

一方、こうした労働者の絶叫を取材していたチャムセサン記者を待ちかまえて いたのは韓国労総の「暴力」だった。写真を撮ろうとしていたチャムセサン写 真記者は突き指してカメラが壊れた。記者室で記事を整理していた記者は、韓 国労総幹部の集団的な悪口を浴びて建物から追い出されるほかはなかった。

この日追い出されたのはチャムセサンだけではなかった。自分たちと親しいマ スコミを除けば、すべて外に追い出された。韓国労総は何を隠そうとしている のか。ためらうことなく取材妨害行為までして言えなかったことは何か。

韓国労総はまた謙虚に自分自身を反省すべきだ。今回の9月11日の合意が本当 に「野合」ではなかったのか。本当に1500万労働者のためのものであったのか。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


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