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市庁に必要な仕事、市はなぜ用役を使うのか?

[連続寄稿]忠北間接雇用非正規労働者たちが話す『労働尊重』時代(5)CCTV駐停車および統合管制センター労働者(公共運輸労組忠北本部清州市非正規職支会)

インタビュー整理|チニョン(社会変革労働者党忠北道党) 2018.10.26 17:39

[企画者の言葉]非正規職ない忠北作り運動本部(以下忠北非正規運動本部)は 『非正規職撤廃』を叫んで散ったイ・ヨンソク烈士の遺志を受け継ぎ 毎年10月に非正規職撤廃闘争週間を宣言して非正規職問題を知らせています。

今年の非正規職撤廃闘争週間に忠北非正規運動本部が注目しているのは間接雇用問題です。 雇用形態が作り出す差別は深刻です。 同じ仕事をしても差別は当然と見なされます。 常時的な業務を遂行しても、ぜひ必要な仕事なのに価値が低い仕事と扱われます。 使用者が不法を行っても、処罰は羽毛のように軽い場合がほとんどです。 その上、同じ労働者の間でも、間接雇用労働者の仕事は低賃金・非正規職が当然であるかのように認識されているのが現実です。 これを変えるための非正規労働者たちの闘争が続いていますが、 なかなか変わりません。

キャンドル抗争で誕生した文在寅(ムン・ジェイン)政府は 「労働尊重、非正規職ゼロ時代」を宣言し、 不平等を解消して正しい社会を作ると約束しました。 民主労総をはじめとする各産別労働組合も低賃金・非正規労働者の労組する権利と差別解消を要求しています。 しかしまさに推進過程を見ると、間接雇用労働者の正規職転換をめぐる議論が多いのです。 正規職転換をすると言いつつ間接雇用が維持される子会社が議論され、 差別をなくすと言いつつ間接雇用労働者の業務のほとんどを低賃金に縛りつけようとしています。 間接雇用・非正規労働者にこうした現実はどう現れているのでしょうか? 忠北非正規運動本部は病院、民願コール センター、ゴミ回収運搬、CCTV管制センターと駐停車状況室など 公共部門の間接雇用労働者と自動車下請労働者に会い、 彼らの声を伝えようと思います。 彼・彼女たちが語る「労働尊重と非正規職ゼロ時代」はどんなものでしょうか?

記事一覧

[連続寄稿順序] (1)私たちも公共医療実現のために働く病院労働者だ! |キム・スンジャ(民主労総忠北本部非正規局長)(リンク) (2)ゴミ回収運搬、社会に必ず必要な公共サービス|ソン・ジヨン(公共運輸労組忠北地域平等支部)(リンク) (3)佗びしい下請人生、私たちの力で変えること|イム・ソンウ(金属労組大田忠北支部)(リンク) (4)私の親切に自負心を持ちたいです|造営は(生活教育共同体恐竜)(リンク)

[出処:非正規職ない忠北作り運動本部]

清州市で業務を遂行しているが、清州市所属の労働者ではない労働者たち。 彼らはすべて女性で間接雇用労働者だ。 清州市CCTV管制センターと駐停車摘発の仕事をする彼女たちは、 日常的に差別と雇用不安を経験する。

賃金カットの小細工に反対して労働組合を作る

駐停車摘発の仕事をしている彼女たちは、狭い事務室でカメラ266台、 40台のモニターを14人が監視する。 電磁波が心配だが仕事だから仕方がない。 昼休みを除けば休み時間なく、休む空間もなく働く。 彼女たちは今年、賃金削減を試みる業者に反対して労働組合を作った。

「7月に再契約をしましたが、業者が変わって賃金を下げるため、 分割勤務を議論したようです。 私たちは8時間働くのに、駐停車摘発の特性上、 12時から14時までは摘発の猶予をしています。 ですから昼休みの後、13時から14時までが猶予の時間ですが、 その時間を休憩時間に入れて賃金カットをしようとするんです。」

上げられた最低賃金を上げないために小細工を使おうとしたが、 労働組合を作って闘争を始めると用役業者が分割勤務計画を撤回した。 企業はいつもこうして小細工を使おうとする。

「だめだ、待て、我慢しろ」

彼女たちの労働環境はとても劣悪だった。 休憩時間も、空間も、その上、トイレ清掃の問題まで、 ちゃんと解決されたことは何もなかった。 そのたびに非正規職だからこんな差別に耐えなければならないのかとも思う。 働かせるのなら働ける環境を作るのが基本だが、 その基本さえ清州市は「だめだ、待て、我慢しろ」と言うだけだ。

「私たちが賃金を下げて休み時間をやるというのなら、 休憩の空間を作るべきで、 働いている所で休めと言うのならそれが休憩時間かと尋ねましたよ。 すると適当に判断して休めといいます。 本当に常識以下です。とても腹が立ちました。」

「本来は市庁の所属です。 しかし市庁に場所がなく、清原区庁の6階に入りました。 初めはトイレも清掃をしません。 それで私たちが物品を買ってトイレ清掃をしました。 今考えても腹が立つことが多いです。 窓がなく、窓を開けてくれと言っても予算がないからだめだ、待てと言われました。 2〜3年の間、ずっと戦って、窓を開けさせました。 私たちは本当に必要な部分だけを話しています。 夏にはエアコンが故障して、私たちが扇風機を買いました。」

彼女たちは不法駐停車の摘発をして区庁に資料を送る。 すると各区庁が告知書を送る。 しかし市庁や区庁は苦情の電話を彼女たちに回す。 彼女たちは何の権限もないのに、その苦情の電話を受けなければならない。 「おばさん、用役だろう? おばさん」と言われる時は、 本当に人間以下の扱いを受けている感じだ。 「用役とは、非正規職とはこういうものなんだ」と思う時はとても気に障る。 清州市が保護してくれれば良いが、何の措置もしない。

CCTV管制センター、世宗市より労働強度は5〜6倍

CCTV管制センターの労働者も事情は似ている。 ここで働く労働者もすべて女性だ。 彼女たちは清州市のCCTVを管制センターでモニターして、 事件や事故があれば常駐警察官に通報する仕事をしている。 1人が見るカメラは何と600台を越える。 仕事がとてもつらく、もっと人員が必要だが増員されない。 世宗市で働く人に聞いてみると、そこはモニターが100台もないという。 ひとりが担当するカメラの数が少ないほど事件事故を予防し、見つけ出すことがさらに容易になるが、 清州市では不可能だ。 労働強度は世宗市より5〜6倍は強い。

「仕事が大変です。 以前は12時間勤務をして眠たいのは当然でしたが、 これを改善せず一方的に勤務時間を変えてしまいました。 うとうとしたということで問責されれば受け入れますが、 事前の議論もなく休憩室に公告文を付けました。 勤務時間の変更もとてもひどい。 昼間組と夜間組を完全に分離してしまいました。 夜間組は疲れます。昼間組は賃金が30万ウォンも削られました。 昼間は昼間で、夜間は夜間で不満が激しいです。 その上、昼間組と夜間組とでは業者も違います。 これがいったいどういうことかと言いたいです。 こんな形なら正規職になっても、最後まで働ける人がいるだろうかと思います。」

「清原区庁に駐車場ができましたが、私たちはここに車を入れられません。 契約職ですから。 ここで働く契約職も多いでしょうが、入れません。 入れないわけではありません。 退勤するたびに6千ウォンを払わなければなりません。 月給もたくさん削られたのに、毎日6千ウォン払って入れることはできませんよ。 それで外に車を止めるのですが、住宅街なので、時には何回も回ります。 そんなときは本当に憂うつになります。」

彼女たちは「これがカプチル(パワハラ)なんだな。 私たちが契約職だからだな」という気がする。 差別はさまざまなところで起きる。 駐車するにも正規職と非正規職を区分する現実、 勤務時間も清州市が好きなようにしてもいいという認識、 いったいどこから変えるべきなのか?

市庁にぜひ必要な仕事、市はなぜ用役を使うのか?

間接雇用労働者たちはいつも雇用不安に苦しんでいる。 解雇という表現もない。 ただ契約期間が終れば、来ないでくれと言えばそれまでだ。 まるで労働者を使い捨てのように扱う。

駐停車摘発の仕事をする彼女たちは、再契約をするたびに不安になる。 その上、最低賃金も受け取れない時もある。 そのたびに市はは業者のせいにする。 「再契約は3か月のときもあり、9か月のときもありました。 昨年6月から1年単位に変わりました。 契約が終わる頃になるといつも不安です。 自動化になって、二人ずつ解雇されています。 事前に話はありません。 契約期間が終る時、突然通知する場合がほとんどなんです。」

「われわれは最低賃金を受け取れなかったこともあります。 月給を粉々に分けて払われたこともありました。 市は予算が編成がそれだけしかできなかったとずいぶん話しました。 用役入札を見ると、最低賃金に合わせると言っておいて、 実際にはその賃金は払えないという業者が多いんですって。 用役業者入札をなぜそれほど甘やかすのか、私たちもいぶかしいです。 別に用役会社に金を払わず、いっそ市が直接雇用すればもっと良いのではないか、 最低賃金も当然守られると思うのですが、 市はまだそうする気はないようです。」

CCTV管制センターで働く労働者たちは、 市庁では、なければならないぜひ必要な仕事をなぜ委託して 1年ごとに再契約をするのか不思議だと言う。

「税金で運営するのです。 市庁では必ず必要な仕事です。 ところでなぜ非正規職を使うのでしょうか。 全く同じで仕事をしているのに、とてもたくさん差別されます。 われわれは最近、不当なことをたくさん受けました。 私生活を保護するために統制する所なのに、 まさに働いている人々はCCTVで監視されています。 われわれは私生活の保護を受けられずにいます。 反発して、違う方向にカメラを回したのに、また私たちを撮影しているようです。 会社と労働者の関係は互いに話合う関係でなければならないと考えます。 互いに合意点を見出していく関係だと思うのですが、 あの人たちには労働者の意見は必要ないのです。 私たちはそれこそ将棋の「歩」なのです。 ただ置かれる所に行くだけです。 それで終わりなんです。」

労働尊重、「雇用不安に震えずに差別されないこと」

CCTV管制センターと駐停車摘発業務は正規職転換の対象だ。 政府の指令によれば、すでに終わっているはずだが、 まだ労使間協議体も組まれていない。 はやく決定されればいいのだが、時間が経つほどに心配になる。

「正規職転換を進めるのなら、もっと早く決めてほしい。 われわれは本当に仕事をきちんとできるんです。 しかし時間が経っても答がないので 清州市に正規職転換の意志があるのか疑わしくなります。 労働尊重は、そうですね… 雇用不安に震えず、差別される感じを受けないことではないでしょうか。」

彼女たちは話す。 「労働者が人間らしい生活ができる社会」 それが労働尊重社会だと。 労働に対する正当な賃金を受け、 労働者たちが自ら生活の質を向上させられる社会が労働尊重社会だと。

彼女たちはまともな正規職転換のための戦いを準備している。 地域でも大きな関心と連帯が必要だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-11-04 18:05:52 / Last modified on 2018-11-05 14:54:34 Copyright: Default

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