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佗びしい下請人生、私たちの力で変える

[連続寄稿]忠北間接雇用非正規労働者たちが語る「労働尊重」時代(3)モービス下請労働者(金属労組大田忠北支部現代モービス忠州支会)

インタビュー整理|イム・ソンウ(金属労組大田忠北支部) 2018.10.24 15:05

[企画者の言葉]非正規職ない忠北作り運動本部(以下忠北非正規運動本部)は 『非正規職撤廃』を叫んで散ったイ・ヨンソク烈士の遺志を受け継ぎ 毎年10月に非正規職撤廃闘争週間を宣言して非正規職問題を知らせています。

今年の非正規職撤廃闘争週間に忠北非正規運動本部が注目しているのは間接雇用問題です。 雇用形態が作り出す差別は深刻です。 同じ仕事をしても差別は当然と見なされます。 常時的な業務を遂行しても、ぜひ必要な仕事なのに価値が低い仕事と扱われます。 使用者が不法を行っても、処罰は羽毛のように軽い場合がほとんどです。 その上、同じ労働者の間でも、間接雇用労働者の仕事は低賃金・非正規職が当然であるかのように認識されているのが現実です。 これを変えるための非正規労働者たちの闘争が続いていますが、 なかなか変わりません。

キャンドル抗争で誕生した文在寅(ムン・ジェイン)政府は 「労働尊重、非正規職ゼロ時代」を宣言し、 不平等を解消して正しい社会を作ると約束しました。 民主労総をはじめとする各産別労働組合も低賃金・非正規労働者の労組する権利と差別解消を要求しています。 しかしまさに推進過程を見ると、間接雇用労働者の正規職転換をめぐる議論が多いのです。 正規職転換をすると言いつつ間接雇用が維持される子会社が議論され、 差別をなくすと言いつつ間接雇用労働者の業務のほとんどを低賃金に縛りつけようとしています。 間接雇用・非正規労働者にこうした現実はどう現れているのでしょうか? 忠北非正規運動本部は病院、民願コール センター、ゴミ回収運搬、CCTV管制センターと駐停車状況室など 公共部門の間接雇用労働者と自動車下請労働者に会い、 彼らの声を伝えようと思います。 彼・彼女たちが語る「労働尊重と非正規職ゼロ時代」はどんなものでしょうか?

記事一覧

[出処:金属労組大田忠北支部]

夜昼二交代、一日中 立って働く現実

現代モービス忠州工場では水素自動車、電気自動車、ハイブリッド自動車のステアリング装置などの親環境部品を作る。 労働時間は一部の常時昼間勤務をする労働者を除くほとんどの昼間と夜間のどちらも 基本8時間と残業2時間で合計10時間の交代勤務をする。 働く方式は主に単純組み立て業務で、一部は目で製品の異常を確認する工程(目視検査)がある。

働くにあたって大変な点は、 10時間昼夜間交代勤務なので夜間労働が多くもあるのだが、 何よりも一日中立って働くことだ。 作業をする時は10kgを越える完成品を人が持って移動するが、 一日に数十個、数百個移動しさなければならない。 仕事が終われば全身が重い。

モービス労働者たちは作業をする時に必要な消耗品を受け取るまでに時間がかかる。 業者の管理者に要求すると、元請モービスの決裁を受けて消耗品が支払われる。 時にはモービスと下請業者の押し付けあいで、労働者だけが困ることも多い。

「元請は私たちを機械で見ているようだ」

モービスの管理者はいつも現場に来て生産と日常に干渉する。 ゴミを捨てるようなささいなことにも介入と干渉が絶えない。 モービスの介入と干渉が多いほど、労働者が困るのは当然の事だ。

以前こんな事があった。 生産機械に問題が起きて作業時間に穴があいた。 その程度ならモービスにも知られて基本的に耳障りな言葉を聞かなければならない。 機械を修理して生産をやり直すと、製品受け台の固定ピンが弱くて折れた。 その固定ピンが製品の重さに耐えられなかったので、 最初から間違って作られたのだ。 それが折れて取り替えているとモービスの課長がきて、 機械の修理で生産量に穴があいたというのに、 「とにかく作業しろ」とぎゃあぎゃあ怒鳴った。 こんなことは一回や二回ではない。 労働者たちは機械でもないのだから、何があっても中断なく生産品が出てこなければならないという調子で労働者たちを追い詰めたりする。 こんな時は労働者を人ではなく機械と見るようだと思った。

困惑することをもう一つ。 モービスの役員が現場を訪問すると大騷ぎになる。 以前、軍隊にいた時に師団長が訪問する時、 大掃除して大騒ぎだったが、モービスの現場は全く同じだ。 モービスのVIPが訪問すれば大掃除はもちろん、 完成品のパレットも新しいものを持ってこなければならない。 床に貼ったテープも全てはがして貼り直すなど、 本当に大騒ぎだ。 これをすべて労働者たちがしなければならない。

現場の管理者の日常的な監視も激しい。 監視は人権侵害につながる。 労働者たちは監視と統制だけはなくしたいと話す。

[出処:非正規職ない忠北作り運動本部]

間接雇用労働者、知って入ったが佗びしい

労働者たちはみんな社内協力社、つまり間接雇用だということを知って入ってきた。 だが差別を経験するたびに「私は間接雇用労働者」だということを実感する。 そんなときは寂しさが押し寄せる。

私たちの仕事の方がさらに大変なのに、 賃金と成果給は元請の労働者と差が生じる。 業務内容と休暇も違う。 その上、モービスの元請労働者たちはティータイムのようにおやつタイムも別にあるが、 われわれにはない。 モービスは昼だけ働くが、われわれは交代勤務だ。 モービスは机に座って数字だけ見て働き、数字が合わなければ協力社の職員にああしろ、こうしろというだけで、 実際の現場については知らないことが多い。 時にはモービス元請と業者間の業務が合意できず、罪のない労働者が同じ仕事を何度も繰り返す時もある。 それだけではない。 最近まで協力社の労働者は駐車場使用の優先権がなかった。 その上、ある日は大会議室でモービス会議があって、 管理者から「協力社の職員は大会議室の前を通るな」という指示が降りてくることもした。

間接雇用の労働者たちにぞんざいな言い方をしたり悪口を言う事例、 協力社の人事に介入する事例など、 「私は間接雇用労働者なんだな」と感じる時が一回や二回ではない。

1年ごとに書く勤労契約書、われわれはモービス労働者なのか?

われわれは1年に一回ずつ勤労契約書を書く。 時給の欄を空けておいて、後で所長がきて、時給いくらと書けという。 普通は当然、最低時給を書くことになる。 だが自分の時給を他人に話すなと言って月給明細票も見せるなと指示する。

間接雇用とは非常に不合理なものだ。 同じ空間で働く労働者に多くの差別をする。 実質的には間接雇用労働者が金を稼ぐのに、待遇は思わしくない。 どこに行っても、職場の名前を言えない。 現代モービスで働いているとも言えず、ミサン精工(協力社)で働いているというのも変だ。 ただモービスの中の協力社で働いていると言えば、モービスで働いているものと思われる。 現代モービス忠州工場の使用者は各業者の社長でもなく、現代モービス工場長でもない。 現代自動車だ。 現代自動車が全てを統制するのが一般的常識だ。

労働尊重は「自ら争奪するもの」

最低賃金が上がっても変わるのはない。 まだ労働者たちは昨年の最低賃金の時給を受けている。 去る7月に労組を設立して交渉をしているので、賃上げは交渉の結果を見なければならないようだ。 われわれは金を貯められない。 1年稼いで、1年を暮らす。 その月稼いで、その月を暮らす。 その日暮らしの人生がまさに私たちだ。 1か月使った金を返すために1か月働かなければならない労働者たちだ。

賃金を上げることも必要だが、労働強度が少し下がれば良い。 労働強度が緩和されれば生活の余裕と時間の余裕も持てるだろう。 長時間労働、高い労働強度が私たちの人生を疲弊させる。

現代モービス忠州工場の労働者たちが民主労組を建設してから3か月を少し越えた。 現場の労働条件を労働者自身が変えなければならないと考えて作った。 我を忘れて暮らした3か月だが、少しずつ労働組合を知り、 労働組合がすべきことを作っている。 文在寅(ムン・ジェイン)政権は労働尊重を話すが、 労働尊重は誰かがしてくれるものではなく、 労働者自身が争奪しなければならないのだということを少しずつ感じつつある。 間接雇用労働者の現実を私たち自らが変える時、 まさに労働尊重も争奪できると考える。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-11-04 18:05:52 / Last modified on 2018-11-05 14:53:58 Copyright: Default

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