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今こそ日朝国交正常化交渉再開を!〜ピョンヤン宣言20周年集会開かれる

 9月17日(土)午後、東京の文京区民センターで行われた「9.17日朝ピョンヤン宣言20周年集会『今こそ日朝国交正常化交渉再開を』」に参加しました。

 主催者あいさつは、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の菱山南帆子さん(写真下)。安倍元首相について「ピョンヤン宣言を無視し、朝鮮との外交などのつながりを持とうとせず、重要課題だと言ってきた拉致問題では何一つ進展はありませんでした。ミサイルの脅威を利用して票をだまし取り、延命してきたにすぎない政権でした」など、東北アジアの平和とは程遠い行為を行ってきたことを批判。また3年ぶりに韓国に行ったことを報告し「日本は過去の侵略戦争を反省し、繰り返さないと誓った憲法9条を世界に活かしていくことこそが戦争責任だと思う」と話しました。憲法9条を「みっともない憲法」だと言い、改憲に邁進し、また民族差別の政治を行ってきた安倍元首相を国葬になどしてはいけないと強調しました。「国葬反対の世論が盛り上がっている今こそ、市民運動が力を発揮するとき。岸田政権に対し、畳みかけるような運動の継続が必要。軍事費の増額を許さない世論を盛り上げ、内閣を打倒しよう。そのためにも東北アジアの仲間たちとの連帯は不可欠」と訴えると、会場からは「そうだ!」の声と拍手があちこちから起こり、おおいに元気をいただきました。

 旧統一教会問題などでいまや大忙しの有田芳生さんが登壇。「拉致問題はなぜ解決しないのか。安倍政権の罪」と題して講演を行いました。

 朝鮮民主主義人民共和国のソンイルホ大使が一昨日出したコメントには、3つの特徴があると話し始めました。「ひとつは『拉致問題は完全に解決した』、これは20年間変わっていない。5人生存、8人死亡を今回も明らかにした。問題が解決つかないのは、日本政府に責任があるという指摘。また日朝ピョンヤン宣言が今でも有効であることを声明で出したことは大事なことだ。日本政府も日朝ピョンヤン宣言は有効だと言っている」と。

 有田さんは「2002年の小泉訪朝は、1年間の水面下での極秘交渉があって実現した。しかし拉致を認めようとしないキムジョンイル総書記の態度に対し、これでは日朝ピョンヤン宣言も締結できないと、日本側の総力で説得して、宣言を発表することができた。同行した安倍晋三官房副長官の手柄だなどという人がいるが、それは全くのデタラメだ。2012年の第2時安倍政権発足の時、安倍さんは拉致問題の『完全解決』を約束したが、何も成果がなかった。何が問題かといえば、外務省を信用しなかった。小泉訪朝を準備した歴史、教訓、成果から学ぼうとせずに、官邸外交にシフトした。経産省と警察の幹部を重用して外交をやらせた。そこで失敗した。北朝鮮側は2018年には、日朝交渉再開のための条件を提示している。日本における差別政策を是正すること、制裁の解除など。2017年の国連総会で安倍晋三さんは『北朝鮮に対しては圧力しかない』と演説した。また河野太郎さんは『北朝鮮と断行しよう』などと言った。それが決定的だった。以降相手にされない。救う会が方針を決めて、家族会が容認し、それを政府が聞かざるを得ないというこの構造を崩さないと日朝交渉は進まない。『全ての被害者の即時一括帰国』なんてありえない。それを世論の力で崩していかないといけない」と話しました。とても説得力のあるお話しで、よくわかりました。

 休憩を挟み、「世界」元編集長の岡本厚さんが、「『日朝平壌宣言』20年とウクライナ戦争後の東アジア」と題して、講演を行いました。  日朝平壌宣言は第1項目で、「国交正常化交渉を再開する」とうたっています。また2項目では、「日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した」としています。岡本さんは「総理大臣が国交のない国に自ら乗り込み、それまでの関係を一挙に変えようとした画期的な行動」だと評価しました。しかし、なぜ20年間動かなかったのかといえば、安倍さんの歴史修正主義的な姿勢が大きな要因だと話しました。不誠実であったのはアメリカや日本で、「北朝鮮は崩壊する」という思い込みを持っていたのではないか、北朝鮮に対する情報が誤っていたのではないかと考えざるを得ない、教育レベルはとても高い国だと言っていました。

 北朝鮮はなぜ核開発を進めるのかについては、「米韓軍事演習の恐怖、爆撃の恐怖が原点」と話していました。ウクライナ戦争の教訓は「戦争を起こしてはいけない」ということだと。

 これから何を進めるべきかについては、「日朝平壌宣言」の精神に戻ることと話していました。確かにそうだと思います。そして「今こそ日朝国交正常化交渉」の再開が必要だと思います。司会者から、ぜひおうちに帰って「日朝平壌宣言」を読み直してくださいと言われました。会場は200人の参加で、みな熱心に講師の話に聞き入っていました。以前なら、終わってからの一杯、交流会を楽しみにしていましたが、まだコロナの影響もあり、みなまっすぐ帰りました。(尾澤邦子)


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