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●韓国サンケン労組を支援する会・1月7日第17回木曜行動報告

韓国公共放送KBSが2度目の取材!サンケン電気に迫る社会的包囲網


▲1月7日KBS昌原放送局ニュースでも取り上げられる

 1月7日第17回木曜行動。天気快晴、サンケン電気本社のある新座市内は朝から冷え込みが厳しい。しかし韓国の冬はさらに過酷だ。馬山も前日6日の夜には雪が降り、明け方は海風が吹き付けて籠城する工場前のビニールテントがいまにも破れそうになる。「でも私たちの心を凍らせるのはこの寒さではない!」―韓国サンケン労組の仲間は、会社に長年貢献してきた労働者を平然と切り捨てようとするサンケン電気資本の冷たい仕打ちに怒りを滾らせる。2021年最初の木曜行動は、新座市内の本社門前―志木駅前―池袋・東京事務所ビル前の三カ所で展開され、韓国サンケン労組の仲間からのオンライン・アピールをメインに、延べ約100人の参加で展開された。

 会社が予告した解散・解雇の日まであと2週間。テレビでも「食い逃げ外国企業」と批判され、与党国会議員・道知事と道議会・市長と市議会から「解散撤回」を迫られ焦りを募らせる会社側は、6日に労働部の窓口を通して、労組(韓国サンケン支会)の上部組織である金属労組慶南支部の委員長に「会社廃業を除いた条件」について「密談」を持ちかけるという挙に出た。当然、労組は「会社廃業撤回以外に解決はない」との立場を突き付け、韓国サンケン社長の申し入れを拒否した。7日朝には韓国の公共放送TV局KBSが二度目の取材で韓国サンケンの工場を訪れた。労組へのインタビューも含めて二度目の特集番組が放映される予定だ。韓国では「甘い汁を吸って食い逃げを謀る」外資系資本への社会的包囲網が形成されつつある。日本でも労組支援の輪が広がり、大阪・愛知・福岡に続いて広島でも営業所行動が準備されている。サンケン電気は廃業・解雇を撤回して労組と真摯に向き合い話し合うという、グローバル企業としての社会的責任を果たさねばならない。


▲工場前のテントで籠城する韓国サンケン労組

≪1月7日朝7時過ぎ サンケン電気本社前「コロナ禍の惨事に便乗して労働者を切り捨てるな!」≫

 郵政ユニオンの仲間の発言で木曜行動スタート。韓国サンケン労組のオ・ヘジンさんからオンライン・アピール。「きょうも馬山の会社の前に立っている。暗澹たる気持ちになる。何年も韓国サンケンで働いてきた労働者にとって厳しい闘いの毎日だ。和田社長に改めて問いたい。本当に赤字が解散の理由なのか?偽装ではないのか?社長はサンケン電気本社から指名されたが、工場正常化に熱を入れなかった。和田社長に問う。本社が乗り出せば韓国サンケンは経営がスムーズにいくのか?設備投資をしてキチンと生産出来るようにすべきではないか!慰労金ではなく、工場の正常化が私たちの要求だ」。

 ヤン・ソンモさんが続く。「今週は、韓国も寒い日が続いている。予告された解散の日まで2週間しかないが、私たちはめげることなく馬山、釜山、ソウルでも闘いを続けている。国会でも道議会でも市議会でも取り上げられ、一企業の問題から日韓の政治的問題になりつつある。サンケン電気のイメージをこれ以上壊さないために、和田社長の決断のときだ。和田社長が労組と話し合いをしなければ問題は解決しない。和田社長に言いたい。韓国サンケンの社長は、解決能力がない。金さえ貰えばよいと考える人間だ。責任ある相手と交渉したい。韓国サンケンの労働者は、青春を韓国サンケンで過ごしてきた。かつて青年だった労働者が、いまは40代、50代になり腰が痛い、背中が痛いとか、髪か白くなった人間もいる。だからこそ工場を再稼働させ、職場に戻りたい。道知事も市長も『廃業を撤回すれば支援を惜しまない』とまで言っている。和田社長は賢明な判断をすべきだ」。

 埼玉市民の会からのアピールに続いて韓国サンケン労組のペク・ウンジユさんから訴え。「97年の闘いから私たちは心休まる日はなかった。三年前にも指名解雇を撤回させて、希望に胸膨らませて復職した。これが最後の闘いだと信じた。経営を信じて賃金切り下げにも応じてきた。それが青天の霹靂、何の説明もないまま本社ホームページに突然、韓国サンケン閉鎖決定と書き込まれていた。日本のサンケン電気は働く人たちを大切にしない。いまや暴言を吐くに至っている。『労組がある韓国サンケンには投資しない』、と。会社を守ってきたのは労組だ。韓国サンケンで働きつづけることが、私たちの要求だ。韓国では、甘い汁をすって食い逃げする外資系企業への規制の動きが強まっている。私たちは闘い続ける」

 キム・ウニョンさんが続く。「韓国はとても寒い。昨夜は馬山で珍しく雪が降った。風も強く吹きつけ、籠城しているビニール・テントが壊れそうだった。でも私たちはとても疲れていたのでそのテントの中で眠った。明け方には強風で物が飛ぶ音がして目が覚めた。しかし私たちの心を凍らせるのはこの寒さではない。悔しさと腹立たしさで何度も目を覚ました。昨日の午後に社長が労働部を訪問して、韓国サンケン労組の上部団体の金属労組慶南支部長と『廃業撤回を除いて』話し合いたいと言って来た。支部とも意思一致し、労働部にも廃業撤回以外に話し合いはしないことを伝えた。和田社長、変なやり方は止めなさい!廃業撤回以外に解決はない。和田社長が自ら招いた問題は本人が解くしかな い。業界八位のグローバル企業がOECDガイドラインも労使合意も守っていない。グローバル企業らしく、きちんと対処すべきだ。和田社長は責任をもって私たちと話し合うべきだ。廃業決定を撤回し、3年間私たちの心をズタズタにしたことを、誠意をもって謝罪すべきだ。設備投資をして工場を正常化すべきだ。私たちは再稼働した工場に堂々と戻る。いまや国会議員も知事も道議会も市長も市議会も、この問題を知り、立ち上がっている。韓国一丸となってサンケン電気に怒り、抗議している。労組は嫌悪の対象ではない。労組の存在が工場閉鎖の理由であってはならない。コロナの惨事を、労働者を切り捨てるチャンスととらえてはならない。和田社長が韓国を訪問して、労働者とひざを交えて、問題解決を図ることを求める。私たちも吹雪の中で、ビニールテントで眠りたくない。私たちも家があり、家族がいる。家で朝ご飯を食べて、家族と暮らし子どもにキスをして出勤する普通の労働者に戻りたい。20日以前に問題解決することを切に望む。日本の仲間は家族のような存在であり、家族以上に会いたい、懐かしい、そんな存在です。人間が人間であることは、お互いに思いを共有し、人間が人間らしさを感じる。日本の仲間が私たちに教えてくれます。健康に留意して闘いを続けましょう。健康に過ごし、輝かしい勝利を!闘争!」

 中部地域労働者交流会・旭ダイヤ争議団の仲間のまとめの発言の後、本社に向かってシュプレヒコール。志木駅南口に向かう。

≪1月7日9時 志木駅南口「札束で頬を打つようなサンケン電気の横暴なやり方に抗議の声を!」≫

 全日建連帯ユニオンの仲間が最初に発言。韓国サンケン労組のペク・ウンジユさんからオンライン・アピール。「ことし40歳になる。韓国サンケンに入るまでは労組のことは知らなかった。労組の活動から色々なことを学んでいった。一人一人はちっぽけな存在でも、団結すれば何事にも勝つことができる。今回も勝利できると思っている。きょうは昼に清算撤回を求める記者会見を予定し、夕方には木曜行動も展開する。日本でも闘いの輪が広がり、韓国でもがんばろうとなっている。16人の小さな事業所の闘いだが、闘いの持つ意義は大きいし、勝利すればいっそう大きくなる。単なる韓国内だけの闘いではなく、日韓連帯の闘いだからだ。三年前の指名解雇撤回闘争でも『お金を貰えば』、と言う人もいたが、1年半粘り強く闘って勝利し職場に復帰した。今回も勝利できる。韓国の冬は全身が凍るほどの寒さだが、めげずに最後まで闘い続ける。サンケン電気はこれ以上労働者を弾圧せずに、話し合いをすべきだ。労働者には家族もいることを忘れないでほしい。家族が笑って過ごせるように、サンケン電気は廃業撤回を!」。

 オ・ヘジンさんが続く。「清算決定から5ヶ月経って、新年が明けた。しかし本社は話し合いに応じようとしない。韓国では大きな問題になり、国をあげてサンケン電気に対する抗議の声が上がっている。それでもグローバル企業を自称するサンケン電気は沈黙をしていて、社会的責任を果たそうとしない。OECDに提訴する準備も進めている。こそこそと後ろに隠れずに、労組と真摯に向き合って話し合おう!」

 埼玉市民の会の仲間から発言「地域の市民からも、サンケン電気のような会社の不当なやりかたを許さないという声をあげましょう!」。

 韓国サンケン労組のキム・ウニョンさんが続く。「韓国サンケンで30年間働いてきた。20代から50代まで、人生を送ってきた。21歳で入社し52歳になった。25年もの間、労組の活動をしてきた。会社による労組の弾圧に反対して闘い続けた。こんなに長期に労組が会社による弾圧と闘い続けることは、正常なことではない。労組があるからと言って2回も会社を潰そうとした。労組があるから廃業する、なんてことが許されるのか。今朝テレビ局のKBSが取材に来て私たちにインタビューもした。慰労金をなぜ受けないのか?と記者が聞いてきた。会社が累積赤字で経営できないと言っているのが本当なのか、韓国で営業しないつもりなのか、それが問題だと答えた。記者は『工場に設備がない。どうして生産できるのか、どうして黒字にしようと言うのか?』。私は答えた。意図的な偽装赤字だ。意図的に工場を潰そうとするサンケン電気が、どうして韓国で営業しようと言うのか。これは偽装廃業で、労組を潰すために計画された偽装赤字だ。お金で、札束で頬を打つやり方は絶対に認めない。共に青春をかけた働き続けた職場を、どうして簡単に去ることが出来るのか!サンケン電気にお金が無くて、やむなく撤退するならまだ理解はできる。そうではなくて、まだ韓国で営業しようとしている。サンケン電気は悪い会社だ。コロナで苦しんでいる時に、これをチャンスとばかり労働者を切り捨て偽装解散する会社は、反道徳的会社です。和田社長は卑怯な人間だ。廃業決定を撤回し、韓国に来て謝罪すべきだ。そして韓国サンケンの工場の運営について私たちと真摯に話し合うべきだ。グローバル企業らしく振舞うべきだ。グローバル企業と言いながら労組を毛嫌いし、話し合いもしない。16人しかいない工場に仕事を回せない企業が、なぜグローバル企業なのか。労組は毛嫌いする対象ではない、世界各国で法律に守られた存在だ。労働者の権利を会社の都合で踏みにじるな。私たちがいつまでこの冷たいセメントの上で寝なければならないのか。でも寒ければ寒いほど、苦しければ苦しいほど怒りがわく。和田社長は勘違いしない方が良い。私たちは諦めない。私たちは工場を守り抜き、職場に戻る。和田社長は強情を張らずに話し合いに出てくるべきだ。韓国サンケンは小さな会社だが、韓国では大きな問題になっている。国会議員や地方議会の議員、首長が動くことはかつてなかった。サンケン電気がやっていることは、日本の品格を貶め、日本の人たちのイメージを悪くしている。この悪辣なサンケン電気の横暴なやり方に抗議の声を!日本の仲間の闘いに励まされ、闘い続けている。12月20日のデモの時に集めたカンパと檄布が届き、みなさんの気持ちに感動して泣きました。人間にとって大切なのはお金ではなく同志愛であることを再確認した。私たちには韓国サンケンの仲間がいて、日本の仲間がいる。心を一つにして勝利に前進しよう!勝利は我々のものだ!闘争!」

 新しい横断幕を掲げたネットワークユニオン東京の仲間のまとめの発言で締めくくり、池袋に向かう。

≪池袋・東京事務所前、昼休み集会「この問題は韓国ではなく、悪辣な日本企業の問題だ!」≫

 いつものように池袋・藤久ビル7階の東京事務所に赴き、総務のI氏と面談。何回面談しても解決の姿勢を見せないサンケン電気本社の対応に抗議。韓国サンケン労組のキム・ウニョンさんからもオンラインで「本社が労組と話し合わないと解決しない」ときつく申し渡した。

 正午から、北風が強まる中、ビル前の歩道で昼休み集会。冒頭、ノレの会の仲間の唄でスタート。埼玉市民の会、渡辺共同代表、全国一般全労働者組合、武蔵学園、全国一般東京労組、連帯労組、ユニオンネットお互いさまなどが順次リレートーク。

 キム・ウニョンさんからオンライン・アピール。「偽装廃業撤回の闘いを179日間続けてきた。工場前でテントに24時間籠城し、釜山でもソウルでも闘いを展開している。韓国サンケン労組が闘う労組・民主労総に加盟して以来25年間、労組潰しで、会社はあらゆる弾圧をしてきた。最初に工場閉鎖とインドネシア移転攻撃をかけてきたが頑強な闘いで跳ね返した。それ以降も、3回にわたる事業部閉鎖と7回のリストラにもめげずに跳ね返した。すると4年前には組合員全員を指名解雇攻撃に出てきた。これも日本への遠征闘争で職場を守り抜いた。地方・中央労働委員会で勝利を勝ち取り、労使合意も結んだ。工場の正常稼働・雇用に関わる重大問題は労使協議するという約束を全て破った。3年間設備投資せず、累積赤字を偽装し、工場を清算すると言い出した。設備投資もなくどうして黒字にできるのか。サンケン電気は約束も守らない、悪辣で不道徳な会社だ。コロナ禍で労働者を、私たちを路頭に迷わすのか!この問題は韓国の問題ではなく、悪辣な日本企業の問題だ。日本の人たちが抗議の声をあげるべきではないか。韓国人労働者の血と汗で利益を出して日本に持ち帰り、労働者を切り捨てて別会社で利益を出していく。そんなことは許せない。和田社長は私たちの前に出てきて説明すべきだ。私たちの人生は私たちが決める!案山子のような人物を対応させるのでなく、和田社長が話し合いに出るべきだ。札束で頬を叩くようなことは止めよ!私たちの要求は工場の正常化だ。どんな手を使っても揺るがない。風が吹きビニールテントが揺らいでも、私たちは闘いを止めない!勝利の日まで、みなさんと共に歩む。2017年よりも輝かしい勝利を勝ち取ろう!労組の仲間を信じて、日本の仲間を信じて最後まで闘う‼️闘争!」

 最後に7階のサンケン電気東京事務所に向かってシュプレヒコールを浴びせて、2021年最初の木曜行動を終えた。


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